GASでChatGPTを組み込んだLINEbotを構築する

はじめに

本記事では、Google Apps Script（GAS）を使って超簡単にChatGPTを組み込んだLINEbotを構築する方法をまとめます。
プロンプトをカスタマイズして、自分専用のChatGPTをLINEから簡単にアクセスできるようにしちゃいましょう!

GASとは

Google Apps Script（Google アップス スクリプト）は、Google が提供するJavaScriptベースのスクリプト環境で、Google Workspaceアプリケーションを拡張、統合、自動化するために使用されます。
たとえば、Google Sheets、Google Drive、Google Docs、Gmail などのアプリケーションにカスタム機能を追加したり、これらのアプリケーション間でタスクを自動化したりすることができます。

主な特徴

1. JavaScript ベースのスクリプト:
   JavaScript をベースにしたスクリプト言語となっています。
2. クラウド上で動作:
   Google Apps Script は完全にクラウドベースで、ローカルマシンに何もインストールせず、ウェブブラウザ内で開発と実行が可能です。
3. Google Workspace アプリとの統合:
   Google Sheets のカスタム関数作成、Gmail メールの自動送信、Google Calendar イベントの管理、Google Drive ファイルの操作などが可能です。
4. トリガーで自動化:
   時間ベース（例えば毎日）、イベントベース（例えばフォーム送信後）など、様々な条件でスクリプトを自動実行するトリガーを設定できます。
5. 無料で利用可能:
   基本的に無料で利用可能です！

bot構築の流れ

簡単に流れを紹介しておきます。

1. LINE公式アカウントを作成
2. Messaging APIを有効にする
3. GASでコーディング
4. LINEと連携

では早速1番からやっていきます。

LINE公式アカウントを作成

LINEbotを作成するには、まず公式アカウントを作成する必要があります。
公式アカウントの作り方は、公式がわかりやすく説明してくれているので、こちらを参照してください。

Messaging APIを有効にする

公式アカウントが作成できたら、Messaging APIを有効にしましょう。
これも先ほどの公式の記事でまとめられていますので参考にしてください、、

GASでコーディング

Messaging APIの有効化まで終わったところで、GASのコーディングに入ります。
GASの立ち上げ方は様々ありますが、今回はGoogle Driveから直接ファイル作成します。
Google Driveを開き、左上の「新規」から「その他」→「Google Apps Script」を選択します。

作成できると、コーディングできるようになります。
このmyFunctionとかかれている部分のコードを書き換えてbotを作成します。

APIキーやトークンの設定

まず、OpenAIのAPIキーやLINEのトークンを設定します。
コードの先頭に次のプログラムを記述してください。このプログラムは、これから設定する環境変数から、APIキーやトークンを取得するプログラムになっています。

const OPENAI_APIKEY = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty("OPENAI_APIKEY"); 
const LINE_TOKEN = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty("LINE_TOKEN"); 

環境変数の設定方法ですが、左のメニューから「プロジェクトの設定」を選択します。設定画面を下にスクロールすると、「スクリプトプロパティ」という項目があるかと思います。ここで環境変数を設定します。

OpenAIのAPIキーは、この記事を参考にして取得してみてください。

LINEのトークンは、Developersコンソールから取得できます。
Messaging API設定に移動し、一番下までスクロールします。
「発行」をクリックするとトークンが取得できます。

GASのコーディング

次に、GASのコーディングを行います。
基本的な機構は次の通りです。コピペして使って頂いて構いません。
今回の例では、送信された文章を要約して返信するものになっています。

const OPENAI_APIKEY = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty("OPENAI_APIKEY"); 
const LINE_TOKEN = PropertiesService.getScriptProperties().getProperty("LINE_TOKEN"); 

const LINE_URL = 'https://api.line.me/v2/bot/message/reply'; 
const GPT_MODEL = "gpt-4o"; 

// メッセージ送信関数
function sendMessage(reply_token, message) {
  const option = {
    'headers': {
      'Content-Type': 'application/json; charset=UTF-8',
      'Authorization': 'Bearer ' + LINE_TOKEN,
    },
    'method': 'post',
    'payload': JSON.stringify({
      'replyToken': reply_token,
      'messages': [{
        'type': 'text',
        'text': message,
      }],
    }),
  }

  UrlFetchApp.fetch(LINE_URL, option);
}

// ChatGPTの応答を取得する関数
function simpleChatComp(prompt) {
  const requestOptions = {
    'method': 'post',
    'headers': {
      'Content-Type': 'application/json',
      'Authorization': 'Bearer '+ OPENAI_APIKEY
    },
    'payload': JSON.stringify({
      'model': GPT_MODEL,
      'messages': [
        {'role': 'user', 'content': prompt}
       ]
    })
   }

  const response = UrlFetchApp.fetch("https://api.openai.com/v1/chat/completions", requestOptions);
  const responseContext = response.getContentText();
  const jsonChat = JSON.parse(responseContext);
  const responseText = jsonChat['choices'][0]['message']['content'].trim();

  return responseText;
}


//ユーザーがメッセージを送信した時に下記を実行
function doPost(e) {
  const json_line = JSON.parse(e.postData.contents);
  const reply_token = json_line.events[0].replyToken;

  // ユーザーが送信したメッセージを取得
  const messageFromUser = json_line.events[0].message.text;

  // 検証で200を返す
  if (typeof reply_token === 'underfined') {return;}

  // ChatGPTに渡すプロンプト（【例】要約してもらう）
  const prompt = `
  次の【テキスト】の内容を要約してください。

  【テキスト】
  ${messageFromUser}
  `; 

  // simpleChatComp関数からChatGPTの応答を取得
  const messageFromBot = simpleChatComp(prompt); 

  // 応答を送信
  sendMessage(reply_token, messageFromBot)

  return; 
}

コードの公開

コーディングができたので、次はコードを公開します。
GASでは公開が簡単にできるため、その点で「超簡単」と言っています。
「デプロイ」から「新しいデプロイ」を選択します。

デプロイの種類を選ぶように言われるので、「種類の選択」から「ウェブアプリ」を選択します。

「アクセスできるユーザー」を「全員」に設定し、「デプロイ」します。

デプロイすると、「ウェブアプリ」の「URL」が取得できます。
このURLをコピーしておきます。

これでコードの公開は完了です！

デプロイで警告が出る場合

デプロイ時に警告が出るかもしれません。

「アクセスを認証する」と、このような画面になります。

この警告が出た際は、「Advanced」をクリックし、「Go to プロジェクト名（unsafe）」をクリックするとパスできます。

LINEと連携

ここからはLINEと連携し、botが機能するようにしていきます。

Webhookの設定

まず、コピーしたURLをMessagingAPIと紐付けます。
Developersコンソールに移動し、「Messaging API設定」を開きます。
「Webhook設定」に「Webhook URL」があるので、「編集」から先ほどコピーしたURLを入力します。

「検証」をクリックして「成功」と表示されればOKです。

Webhookの利用をオンにするのを忘れないでください。

LINE公式アカウント機能の設定

次に、LINE公式アカウント機能の設定を行います。
Developersコンソールの「Messaging API設定」の画面を下にスクロールすると、「LINE公式アカウント機能」の項目があります。
ここは全て「無効」にしておきましょう。

実際に動かしてみる

以上でコーディングや設定は終了です。
最後に実際に動かしてみましょう。
「QRコード」から公式アカウントを友達追加します。
適当な文章を送って、要約された文章が返ってくるか確認しましょう！

問題なく動くことが確認できました！

終わりに

今回はGASを使ってLINEbotを作成しました。
ChatGPTのプロンプトを変更することで、botの返答をカスタマイズできるので、自由に組み替えてみてください！