Skitchとは
Skitchとは、画面のスクリーンショットを撮り、その画像に注釈を入れることができるmacOS用のツールです。画面の操作方法を説明したい時などに大変重宝します。
SkitchはMacのAppStoreからダウンロードできます。
ただ、このツールは5年前から更新が停止しており、サポートも停止している状況です。それでも、見る人の目を引くきれいな矢印や白輪郭文字を入れることができ、次に説明するSkitch PNG形式の保存が大変便利なので、ずっと手放さずに使っていました。
Skitch PNG形式とは
Skitchの最も便利な特徴は、「Skitch PNG形式」で画像が保存できることです。
「Skitch PNG形式」というのは、Skitchで編集した文字や矢印が入った画像をそのままPNG画像としてWebサイトで使用できる上に、その画像をSkitchで読み込めば、入力されている文字や矢印を再編集できる保存形式です。
撮影したスクリーンショットに説明を入れ、これでOKと思って画像を保存した後、ちょっとした誤字に気がついた場合でも、そのままSkitchで画像を開いて文字編集すればいいだけなので、とても重宝します。
今回起きた問題点
macOS14 Sonomaまでは、このSkitch PNG形式の画像を正常に保存できていたのですが、macOS15 Sequoiaにアップデートしたところ、Skitch PNG形式の保存を実施した時にクラッシュして保存できなくなりました。これは、2025年9月リリースのmacOS26 Tahoeでも同じです。
原因調査
いろいろ調べたところ、一部のMacでは正常に保存できているものがあることがわかり、クリーンインストールしたmacOS SequoiaにSkitchをインストールした時は保存できなくなることがわかりました。
おそらく、何らかのmacOSの設定がクラッシュを起こす引き金になっているのだろうと思い、クラッシュしないMacとクラッシュするMacで設定の違いを調べたところ、クラッシュを引き起こす設定を突き止めることができました。
クラッシュ回避方法
次に説明する「英字入力中にスペルを自動変換」のチェックをOFFにすればクラッシュしなくなります。
(1)「システム設定」のアプリを開き、「キーボード」 - 「入力ソース」の「編集...」ボタンをクリックします。
(2) 次の画面が開くので、「すべての入力ソース」 - 「英字入力中にスペルを自動変換」のチェックをOFFにします。
これで、Skitch PNG形式で保存した時にクラッシュしなくなります。
ちなみに、macOS14 Sonomaでもこの設定のデフォルトはONでしたが、Skitchはクラッシュしませんでした。詳しい理由はわかりませんが、macOS15 Sequoia以降は、この設定がONの時にクラッシュするようになりました。
Skitchの今後について
これで、macOS15 Sequoia、macOS26 TahoeでもSkitchが使えるようになりましたが、来年(macOS27)か再来年(macOS28)以降は、Skitchが使えなくなることが確定しています。
Skitchは5年前に最終更新された古いアプリであり、この頃作られたアプリは、intelのx86上で動作するアプリとして作られていました。そういった古いアプリが、現在のMacの最新CPU(Apple Silicon)で動作する理由は、x86用のアプリをApple Silicon上で動作させる翻訳機能(Rosetta)があったためです。
そのRosettaの機能は、今後提供されなくなる予定であることが先日Appleより発表されました。
上記の説明では、macOS27(つまり来年リリースのmacOS)まではRosettaが提供されるが、それ以降(macOS28以降)は提供されなくなると読み取れます。
しかし、記事によってはmacOS27からRosettaが使えなくなると書かれている記事もあり、いずれにしても風前の灯な状態です。
この便利なSkitchが今後使えなくなるのはまずい(これまでに保存した数百枚のSkitch PNG画像が再編集できなくなる)ので、私の方でSkitchの後継となるアプリを作り、一般公開する決意をしました。
来年9月に新OSがリリースされるまでには完成させ、Skitch同等の機能が今後も使えるようにしていこうと思います。

