はじめに
IBM Cloudでは、バックアップツールとしてR1Soft社のSBM(Server Backup Manager)というソフトウェアを提供しています。こちらは1台のR1Soft管理サーバーを用い、agentがデプロイされたバックアップ対象サーバーを管理します。
本記事ではベアメタルを管理対象とし、以下の内容を記載します。
- R1Soft管理サーバーのデプロイ
- バックアップ対象サーバーを登録
- バックアップを取得
- バックアップイメージを元のサーバーへリストア
環境情報
-
R1Soft管理サーバー
- 仮想サーバー
- OS:Red Hat Enterprise Linux 9
- 月次請求、publicへ疎通できる必要あり
-
バックアップ/リストア対象サーバー
- ベアメタル:SuperMicro AOM-TPM-9655V-C
- プロセッサ:Intel Xeon-Broadwell
- OS:Microsoft Windows 2012 R2
手順
R1Soft管理サーバーをオーダー
IBM Cloud カタログより「Virtual Server for Classic」にてオーダーします。
この際、以下のオプションを選択します。
バックアップ用ディスクを認識
今回はバックアップ用ディスクとしてPortable Volume (300GB) をアタッチしています。
アタッチコマンド:
[root@rhel-r1mgr ~]# df -h
ファイルシス サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
devtmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /dev
tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /dev/shm
tmpfs 3.9G 17M 3.9G 1% /run
tmpfs 3.9G 0 3.9G 0% /sys/fs/cgroup
/dev/xvda2 24G 2.9G 20G 13% /
/dev/xvda1 974M 212M 695M 24% /boot
tmpfs 794M 0 794M 0% /run/user/0
[root@rhel-r1mgr ~]# lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT
xvda 202:0 0 25G 0 disk
├─xvda1 202:1 0 1G 0 part /boot
└─xvda2 202:2 0 24G 0 part /
xvdb 202:16 0 2G 0 disk
└─xvdb1 202:17 0 2G 0 part [SWAP]
xvdc 202:32 0 300G 0 disk
[root@rhel-r1mgr ~]# mkfs.ext4 /dev/xvdc
mke2fs 1.45.6 (20-Mar-2020)
Creating filesystem with 78643200 4k blocks and 19660800 inodes
Filesystem UUID: 0a263fb1-d0fa-4f41-842e-ab1d6e17a9b6
Superblock backups stored on blocks:
32768, 98304, 163840, 229376, 294912, 819200, 884736, 1605632, 2654208,
4096000, 7962624, 11239424, 20480000, 23887872, 71663616
Allocating group tables: done
Writing inode tables: done
Creating journal (262144 blocks): done
Writing superblocks and filesystem accounting information: done
[root@rhel-r1mgr ~]# mkdir /data
[root@rhel-r1mgr ~]# mount -t ext4 /dev/xvdc /data
[root@rhel-r1mgr ~]# df
ファイルシス 1K-ブロック 使用 使用可 使用% マウント位置
devtmpfs 4014228 0 4014228 0% /dev
tmpfs 4064504 0 4064504 0% /dev/shm
tmpfs 4064504 16840 4047664 1% /run
tmpfs 4064504 0 4064504 0% /sys/fs/cgroup
/dev/xvda2 24694684 2965948 20454112 13% /
/dev/xvda1 996780 216468 711500 24% /boot
tmpfs 812900 0 812900 0% /run/user/0
/dev/xvdc 308521792 28 292776740 1% /data
[root@rhel-r1mgr ~]# cd /data
[root@rhel-r1mgr data]# mkdir r1bkup
バックアップ対象サーバーを登録
SBMへログイン
R1Soft管理サーバーのデプロイが終わったら、ブラウザからServer Backup Manager(SBM)へログインしてみます。ログインはR1Soft管理サーバーの IP アドレスで可能です。
プライベートIPを使用する際はSSL VPNを張る必要があります。以下の記事を参照ください。
Qiita: IBM Cloud (IaaS)にSSL VPN接続する場合
ログインの際のパスワードはサーバー詳細画面「Passwords」バー → 「Server Backup」"ユーザー/パスワード"を使用します(admin/*****)。
無事ダッシュボードが開きました(すでにマシンが登録されているのはご容赦)
バックアップ対象サーバーを登録
「Protected Machines」をクリックします(画像のどちらか)
バックアップ対象サーバーのIPアドレスとバックアップボリュームを選択します。
サーバーへのログイン情報を登録し「Save」します。サーバー登録と同時にAgentの登録も実行されます(この時のみSBMサーバーにてpublicへの足が必要です)
Agentのステータス確認・再起動
Agentへの接続に失敗する場合など、Agentステータス確認する場合は以下を実行ください。
$ sudo service cdp-agent status
再起動する場合は以下のコマンドを実行ください。
$ sudo service cdp-agent restart
再起動
バックアップを取得
バックアップの取得するには、対象サーバー名の右にある歯車より「Backup Now」をクリックします。
この時はサーバー同士が疎通できれば良く、publicは閉じていても実行可能です。
バックアップが開始します。バックアップ対象リソースの大きさにもよりますが、初めは1時間前後かかる場合もあります。
バックアップイメージをリストア
バックアップ対象サーバーにリストアするためにはリストア先ボリュームをデタッチするために、対象サーバーをR1Soft BareMetal Restoreブートする必要があります。方法は以下の2つです。
- R1Soft ISOファイルを取得し、手動でリブート ← ""おすすめ""
- IBM Cloudポータルのサーバー詳細画面右上の「アクション」→「ベアメタル・リストア」をクリック
1の方法はネットワーク設定やBIOSの設定など作業が必要ですが、30分程度で完了します。
2の方法は上記設定を自動でできる一方、10時間以上かかる場合があります。
本記事では1の方法を記載します。
R1Soft Baremetal Restore ブートを実行
R1Soft ISOファイルを取得します。以下のURLよりダウンロード可能です。
http://repo.r1soft.com/bm/serverbackup-bootcd-agent-6.14.2.iso
ISOファイルのマウントには以下の記事を参照ください。
IBM CloudのOS無しベアメタルサーバーに新しくOSをインストールする方法
リブートを実行すると、初めに以下の画面が表示されますが、待機です。
次にCentOSの画面が表示されます。
Remote consoleでファイルシステムのスキャンを”Ctl+C (Virtual Keyboardにて)”でキャンセルするとブート時間削減できます(ベアメタルはストレージサイズが大きいため、ファイルシステム・チェックに数時間かかると思われます)。
以下の画面になったらsudo Ceni
コマンドを実行します。
Reconfigure eth0
でEnter


設定が完了したら、KVM ConsoleにてISO ファイルをアンマウントしておきます。
これはサーバーがリブートした際にISO ファイルでブートしないようにするためです。
リストアを実行
対象サーバー名の右にある歯車より「Open Recovery Points」をクリックします。
リストアしたいバックアップファイルの歯車をクリックし、「Bare Metal Restore」をクリックします。
「Restore to Original Host」を選択します。
「User Existing Storage Configuration」を選択します。
「Reboot After Restore」にチェックを入れ、「Next」をクリックします。
サマリーにて問題がないことを確認し、「Restore」をクリックします。
リストアが開始しました。およそ2時間弱で完了との記載ですが、1時間程度で終わりました。