今、2023年12月です。来年2024年の後期、9月下旬より、IoT演習と言う授業を担当することになりました。この授業をより良いものにするため、シラバスと授業計画をQiitaに書いてみようと思います。
前回、IoT演習シラバス案その1で、「授業のねらい・概要」、「ディプロマポリシーとの関連」、「授業(学修)の到達目標」を書きました。今回は、授業計画表の案を紹介します。
授業計画表
回 |
内容 |
予習 |
復習 |
第1回 |
概要
- 授業の進め方について、グループ学習について
- 今後のスケジュールの説明
- IoT (Internet of Things, 物のインターネット)の概要
- IoTの例
- グループで他のIoTの応用例について調べてレポート提出
- 授業の振り返り
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- IoTとはどのようなものか?調べておく[2時間]。
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第2回 |
マイクロコントローラ
- グループ分け(毎週異なるグループに分ける)
- 演習に使う部品を配布
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Raspberry Pi Pico W (以下 Pico W)の紹介
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VSCode を使った, Pico WのPythonプログラミングと実行の手順説明
- 演習: VSCodeの環境設定とPico付属の発光ダイオード(LED)の点滅(Lチカ)実験
- 授業の振り返り
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- Raspberry Pi Pico Wとは何か?調べて置く。Anacondaのダウンロードに時間がかかる場合があるので、事前にダウンロードしてインストールしておく。[2時間]
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第3回
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GPIOと電気回路その1
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- Pico WのGPIOとは何か?調べて置く[2時間]
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第4回 |
GPIOと電気回路その2
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GPIOからデジタル値の入力方法, Pull-UpとPull-Down
- パソコンの端末でPicoのデジタル値の入出力を制御
- 演習1: Pico Wの外部に接続したスイッチを押すと外部のLEDを点灯し、スイッチを離すとそのLEDを消灯するプログラムを作成する
- 演習2: Pico の外部に接続したスイッチを押すと外部のLEDを消灯し, スイッチを離すとそのLEDを点灯するプログラムを各班で考えて作成する
- 授業の振り返り
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- Pico WのGPIOからデジタル値を入力する方法を調べて置く[2時間]
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第5回 |
アナログ値の入力とPWM出力
- AD変換とは
- Pico Wのアナログ値入力機能の説明
- Pico WのPWM出力機能の説明
- 半固定抵抗の説明
- 演習: 半固定抵抗を回すことによって, LEDを連続的に明るくしたり暗くしたりする回路とプログラムの作成
- 授業の振り返り
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- Pico Wのアナログ値の入力方法を調べて置く[2時間]
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第6回 |
2種類のモータ制御
- Hブリッジによる(ブラシ)モーターの制御とその演習
- PWMによるサーボモータの制御とその演習
- 授業の振り返り
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- ブラシ付きDCモータとサーボモータについて調べて置く[2時間]
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第7回 |
I2C
- I2Cの説明
- I2Cセンサを使った温度・湿度・気圧計の作成の演習
- 授業の振り返り
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第8回 |
割り込み
- 割り込みの説明
- タイマー割り込みを使ったLチカ
- 演習: タイマー割込みを使ったLチカの実験
- 授業の振り返り
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第9回 |
センサとアクチュエータ
- スイッチ
- 可変抵抗
- 温度センサ
- 湿度センサ
- 気圧センサ
- 光センサ
- 加速度センサ
- ジャイロセンサ
- 磁気センサ
- 距離センサ
- 人間感知センサ
- GPS
- カメラ, マイク
- モータ, サーボモータ, ソレノイド
- 演習: 温度センサで温度を計測する
- 授業の振り返り
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- センサとは何か?アクチュエータとは何か?調べて置く[2時間]
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第10回 |
IoTその1
- Web APIの話。
- 利用者がWebブラウザで内容を追加・編集できるWebページ、Wiki
- Webページをプログラムで読み書きする手法, Webスクレイピング
- Webスクレイピングを行うライブラリ、Pico Wiki Driver とそれを使ったIoTのエッジシステム、Pico Bot の紹介
- 演習: Pico Bot を使って気温を計測してWebページに定期的に追加するIoTシステムを動かしてみる。
- 授業の振り返り
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第11回 |
IoTその2
- 演習: 前回の気温計測IoTシステムを参考にして、Pico Bot を使ったIoTシステムを自分で作ってみる。
IoTシステム作成と運用時の注意
- 安全性
- 情報セキュリティ
- 授業の振り返り
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- IoTの利用・作成で生じる可能性のある危険やセキュリティの問題について調べて置く[2時間]
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第12回 |
総合演習その1
- 各班内で相談しながら、各自のやりたい作品の製作を行う。
- 授業の振り返り
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- 簡単に作ることができて, 周りを驚かすことができる, 自分オリジナルなIoTシステムを考えて置く[2時間]
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第13回 |
総合演習その2
- 各班内で相談しながら、各自のやりたい作品の製作を行う。
- 授業の振り返り
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- 自分オリジナルなIoTシステムを完成させる準備を行う[2時間]
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第14回 |
総合演習の発表
- それぞれの班で、総合演習で何を作ったか発表し、
誰が何を作ったか?何が良かったか?についてレポートを提出
- 授業の振り返り
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- 自分の作品の発表ができるように準備しておく[2時間]
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第15回 |
授業のまとめと質疑応答
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- 授業の質問を考えて置く[2時間] |
- 復習とやり残した演習を行う[2時間] |
まだ計画段階なので、少しずつ追加・修正させてください。実際の授業の時は、受講者の進捗状況を見ながら、内容を減らしたり、追加したりすることがあるのではないかと思います。電気回路に触れるのが初めての受講者もいるかもしれません。電気回路・電子回路・電子工作も好きになってもらえると嬉しいなと思います。