timesとは
timesとは、「分報」とも呼ばれる文化で、多くの場合「times_{name}」のように名字やHNをつけて社内コミュニケーションツール上です。
times文化の良さについては既存の記事が充実しているため、今回の記事では自分の立場である「人事」「コミュニティマネージャー」という立場でどのようにtimesを活用しているのか、注意点などについて記載してみようと思います。
↓timesについて先にある程度理解しておきたい人はこちら
https://note.com/masashignio/n/n7f5daec0b5dc
筆者について
株式会社サイバーエージェントで新卒採用担当人事、そして社外コミュニティであるCA Tech Loungeの室長としてコミュニティマネージャーを担当しています。
今回の記事はCA Tech Lounge Advent Calendar 25日目の記事となります。
カレンダー内にはXで拡散いただいた記事もあり、非常に良い企画となりました。上記リンクから本記事以外の記事もぜひご覧ください。
目的
自分自身、社内で #times_takarada というチャンネルを作成しそこで日常的に発信・雑談を行っています。
timesを使う目的をグルーピングすると、ざっくり下記のように分けられると思いました。
- 業務において社内外に発信したいリリースの拡散
- 技術/自社事業に関わる情報キャッチアップ
- 社内コミュニティの活性化・知り合いの増加
- 社外発信の前に社内メンバーからフィードバックをもらう・社外に出しにくい相談をする
業務において社内外に発信したいリリースの拡散
自分自身、現在CA Tech Loungeという外向きの取り組みを担当していることもあり社外に対して拡散したい情報というのがしばしばあります。
その際、自分のtimesで発信を行うことで社員に「こんなことをやっています!」というのを発信する場として使っています。
また、社内での取り組み・施策などを拡散する際にもよく活用しています。
こういった取り組みを拡散するためにtimesは非常に有用であり、インターンや社内外イベントを広報する機会の多い人事にとっては必須ツールではないでしょうか。
※スクショ中にある生成AIリスキリングについて
技術/自社事業に関わる情報キャッチアップ
サイバーエージェントは現在メディア/ゲーム/広告/スタートアップと幅広い事業領域があり、すべての事業を詳細に知ることは中々難しいと考えています。
また、社内でのイベントや活動などを追うことも段々難易度を増しており、そういった際に他の方のtimesを見ることで受動的に情報が入ってくる状況を作ることができると考えています。
社内コミュニティの活性化・知り合いの増加
上記社内キャッチアップとも繋がりますが、サイバーエージェントの連結役職員数は7,374 名(2023 年 9月末現在)となり、すべての方と知り合いになるのは難しい状況です。
社内でも懇親会がついているカンファレンスを定期的に開催していますが、その際完全なる初対面だと中々会話内容が難しいこともあるかと思います。
その際、「〇〇さんのtimesで見ました!」という前提条件があるだけで、会話の取っ掛かりを作ることが可能だと考えています。
社外発信の前に社内メンバーからフィードバックをもらう・社外に出しにくい相談をする
まだ世の中に出していない内容のブレスト(例えば、技術イベントのタイトルなど)のアドバイスをもらうことが可能です。
また、少々センシティブな題材を扱う際には多面的なレビューをもらうことで、未然に炎上を防ぐ効果があるかもしれません。
(最終的なレビューはtimesではなく、広報チームなどレビュー慣れしている部署に投げましょう)
times運用・投稿で気をつけたいこと
メイン業務で使わない
timesは業務を行うチャンネルではありません。
- 業務で直接関係するメンバー同士の議論は別チャンネルで行う
- timesへの投稿が「義務」になるようなルールづくり(出社、ランチ報告などを除く)をしない
- チーム外に共有すべきでない情報を投稿しない
というのを意識し、あくまで雑談であることが大事だと考えます。
他の連絡を優先して返す
当然ですが、業務外の雑談をする前に自分の返信を必要としている人への返信を怠らないようにしましょう。
これを意識することで、「返信が億劫な内容が溜まっているけど、timesで話したいことがある」という状況のとき、自分自身に返信を強制するという副次的な効果があるかも。
メンションを(できるだけ)使わない
基本的には業務に必要ない情報なので他人の作業を阻害しないように、メンションはつけないようにしましょう。
どうしても、どうしても拡散したい内容のときに限って自分は使っています。呪術と同じで縛りを設けることで呪力量が最大化できますね。
噂話は極力控える
多くの人が見れば見るほど、自分自身が思っていない形で受け取られることもしばしばです。
噂話や不確定な情報は受け取り手によって予想外のネガティブを生む可能性もあるため、極力避けましょう。
発言ハードルをできるだけ下げる
ここまで気をつけたいことを述べたので、「timesに書けること、全然ないじゃん...」と思われるかもしれませんが、
まずは色んな人が気軽に話せる話題で楽に話してみるのがオススメです。
例えば:
- 技術イベント、学生のときどうやって調べてた?
- どんなツールを使って開発してる?
- 〇〇でオススメの技術書ってある?
技術に限らなければ:
- オフィス近所のランチ情報
- オススメのクレカ情報
- 自社サービスを使っている人の評判・自分で使ってみた感想
技術系は宗教戦争を起こす可能性を孕んでいるので、用法用量を守って議論しましょう。
おわりに
一度、サイバーエージェントを辞め独立した元社員と話す機会があったのですがその際に
「意識していなかったが、timesでの議論・雑談は立派な福利厚生だったと感じている」
という話があがり、まさにその通りだなと思いました。
また、エンジニア担当人事やコミュニティマネージャーのような「技術知識を本業で扱わないがキャッチアップが必要」な職種については、
timesのような「ゆるくてコストのかからないつながり」でキャッチアップを行えることが非常に重要だと思います
自分自身、サイバーエージェントの社員の皆様やCA Tech Loungeの会員の皆様と議論し、雑談することで業務のクオリティを高めることが出来ていると感じます。
この記事を読んだみなさん、有意義なtimesライフを過ごしましょう!
告知
CA Tech Loungeでは現在2月募集の会員を募集しています。
サイバーエージェント社内だけでなく、こちらでも各会員がtimesをつくり活発に議論、雑談しています。
ぜひご検討ください。
余談
本当はAdvent Calendar最終日を飾る記事として、「CA Tech Loungeのこれまでとこれから」というタイトルで書こうと思っていたのですが折よくインタビューを掲載していただく運びとなり、そちらに座を譲りました。
こちらの記事、非常によくまとまってインタビューしていただいているのでぜひご覧ください。