ものの大きさや単位について概算できないといけない。知ってないといけない。まずは速度、加速、トルク、仕事、などである。数式で計算する前にだいたいどうなりそうかわからないと、桁の違うようなデタラメな答えを書いても一つも気がつかない、ということがおこる。教科書なんかにも書いてるのは書いてるけど結局は自分で考えて計算してみないと身につかないかもしれない。以下は、ほぼ高校レベルではあるけど体得できてないな、という人も多いように思う。
- 1Nが100gのものを下から支えるのに必要な力(重力定数は10m/s$^2$とする)
- 1.4sで10m自然落下する。14sなら1000m自然落下する。2.8sで40m。ホームランならその2倍として6秒ぐらいは飛ぶ。30sで自然落下で音速に達する。1000sで地球脱出速度に達する。光速に達するには1年ぐらいかかる。
- 1.5Vの電池で1Aで1s流すと1.5Jとなる。これは1.5W. 電子には100gの物体を1.5m押し上げるだけのエネルギーが電池から供給されている。1.5Wだと1gの水が3秒で1度ほど上昇する。
-- - タイヤを締めるときのネジのトルクは100Nm.大きいトルクレンチで人力の限界。
- クルマのエンジンのトルクも100Nm程度。1sで100回回るとすると、
100 1/s x 2π x 100Nm= 60$^4$ J/s=60KW - コンビニスイーツが200kcal=800kJ。アーモンドチョコ一個で200kJぐらいか
- 4kgの鉄アレイを両手に持って持ち上げる(50cm上げるとする)と40Jなので コンビニスイーツ800kJだと、800kJ/40J=20000回の上げ下げで消費できる。
- 40W出力だと1sで40Jなので、20000秒で800kJとなる。
- スマホのバッテリ、5000mAhとすると、5V(USBの電圧)x5A=25Wで3600秒出せるということだから90kJになる。アーモンドチョコの半分ぐらい。EVでは1kWhを単位にしている。1kWh=1000J/s x 3600 s=3600kJ=900kcalとなる。だいたい5kmぐらい走れるらしい。
- 太陽光は1kW/m^2ぐらいある。太陽電池は20%として1m^2で200Wの発電能力
- 人間の基礎代謝を100Wとすると一時間で360kJ。24時間で8000kJぐらいか。100Wの電球なんてもう世の中にないけれど触るとやけどする熱さ。
-- - 水深10mで、10mx 10$^3$kgx 10 m/s$^2$ x 1/m$^2$=10$^5$N/m$^2$=1000 hPa ($F=ma$を思い出すとN=Kg m/s$^2$)。単位の乗除をきちんと確認。
-- - 人間の走る速さは10m/sで36km/s. 音速は300m/s$\sim$1000km/h,地球脱出速度は10km/s。音速と光速の比は10^6.1sの自然落下で10m/s(オリンピック選手の速度)。
-- - 原子のサイズ。1cm角の角砂糖で1億x1億x1億個。10$^{24}$、アボガドロ数。1モル。
- 電子が1モルで96500クーロン。その質量は1/1800 g
- 原子内の電子速度は100km/s程度。光速は3x10^8m/s。その比がおよそ微細構造定数で137。10$^4$ K$\sim$1eV$\sim$100kJ/mol
- 1μFのキャパシタに1000Vかけると10^-3Cたまる。エネルギーは0.5J。
- 100V,1A,60Hzの交流を整流した後、平滑化したいとする。$V=LdI/dt $を考えると、100V=L x 1A/(1/60 s)より、1H(ヘンリー)ぐらいのインダクタが必要なのがわかる(巨大です)。DCアダプタの一次側だと100V,1A,100KHzとして1/1000の程度だから1mHのインダクタでよい。