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初めてのハッカソンで最優秀賞 - 技術力に不安がある中でどう貢献したか

Last updated at Posted at 2025-06-15

はじめに

先日、PKSHA主催のハッカソンにアルゴリズムエンジニア(AE)として参加し、初対面のソフトウェアエンジニア(SWE)・BizDevとチームを組んで、旅行プランニングAIエージェント「norun」を開発。なんと、最優秀賞を受賞することができました。

正直、初めてのハッカソンで不安も大きかったです。特に私はWebアプリ開発の経験が乏しく、技術的に何ができるのか自信がありませんでした。だからこそ、「自分の強みをどう活かすか」を事前に考え、準備しました。

この記事では、そんな私が「技術力に不安がある状態でも、どうやってチームに貢献し、成果を出せたか」を体験記としてまとめます。

「技術力に自信がないけど、ハッカソンに挑戦してみたい」——そんな方の背中を少しでも押せたら嬉しいです。

開発したプロダクト:「norun」

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※プロダクトの技術的詳細についてはもっと詳しくお話したいのですが、今回は体験談にフォーカスしたいので簡単にご紹介します

今回開発したのは、最適な旅行プランを自動生成するAIエージェントnorun」です。ユーザーの希望(行きたい場所、食べたいもの、移動時間など)を踏まえた、最適化された旅行プランを提案してくれます。

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3つのプランが提案され、それぞれのプランで、「いつ」「どこで」「どんな」観光地・アクティビティをするのかが詳しく記載されています。

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技術に自信がなかった自分が取った戦略

自分の「できない」を見つめ、戦略を立てた

参加前から、自分の技術的な限界を冷静に見つめました。特にSWEのようなWeb実装はできない。でも逆に、研究で培ったLLM(大規模言語モデル)や戦略設計には自信がある。だからこそ、以下の軸で貢献することを自分に課しました。

  • LLM部分の設計・実装
  • 戦略面の準備・アイデア出し
  • チームの進行支援・熱意

1. 技術的貢献:LLM部分に集中

私は主にLLMのプロンプト設計とAPI実装を担当しました。Web実装が得意なSWEメンバー2人に対して、私はAI部分に集中する形で分担しました。

実装時に直面した課題と対策

  • ハルシネーション(事実でない情報の生成): 旅行プラン生成の際、LLMが存在しない観光地やお店を提示することがありました。

    • 対策:gpt-4o-search-previewを活用したWeb検索機能を組み込み、実在するスポット情報のみを利用しました。RAGも検討しましたが、短期間での精度に懸念があり断念しました。

  • 複数人の要望の統合: 複数人のそれぞれ異なる希望をどう統合するかが課題でした。

    • 対策:LLMへのプロンプト設計で、全員の希望を(可能な限り)反映したプラン生成を実現しました。

2. 戦略的貢献:事前準備とプレゼン

技術力に自信がないからこそ、技術面以外の事前準備をして臨みました。

AIエージェントのアイデアを15個以上用意

日常の課題や業務の中から「AIで解決できそうなシーン」を書き出し、自分なりに仮プロンプトやシステム設計まで検討しました。アイデアは採用されませんでしたが、議論のたたき台として機能しました。

過去のインターン・研究で得た「ビジネス視点」を整理

エンジニアが見落としがちな「誰にとっての課題か?」「なぜ今この解決が必要なのか?」を、対話の中で繰り返し投げかけるように意識しました。

ハッカソンTipsを事前に調査

「勝つアイデアの考え方」「良いプレゼンの構成」など、ハッカソンのTipsの情報を集め、議論の際やプレゼン資料作成の際に活かしました。


これらの準備は、技術的な実装以上に、チーム全体の視座を高める土台になったと感じています。

3. チーム貢献:熱意とコミュニケーションで支える

このハッカソンで、自分が一番意識したのは「チームの雰囲気と推進力を保つこと」でした。技術で貢献できる範囲に限りがあったからこそ、チームの空気を作り、最後まで走り切れる雰囲気づくりに注力しました。

「わからない」を素直に聞く勇気

実装面では、本当に基本的なことから分からないことだらけでした。でも、恥ずかしがらずにどんどん質問することで、チームメンバーに教えてもらいながら進めることができました。

実際に聞いた質問の例:

  • 「そもそもどのディレクトリで開発すればいいの?」
  • 「Pull Requestってどうやってやるの?」
  • 「branchってどうやって切ればいいの?」

最初は「こんな基本的なことを聞いて大丈夫かな...」と不安でしたが、メンバーは皆、快く丁寧に教えてくれました。むしろ、質問することで自分の理解度が明確になり、チーム全体でタスクの進行状況を共有できるメリットもありました。

チームの雰囲気作りに注力

  • 雑談も含めて会話量を増やし、議論を活性化
     → 誰もがアイデアを出しやすい雰囲気作りを意識しました。

  • 開発終盤、疲れが見えたときに「絶対優勝しよう!」と声かけ
     → チームの士気を維持するため、常に明るく笑顔で、前向きに。

そして、プレゼン本番では「まず声量で勝とう」と、全員で「私達の作ったAIエージェントは『norun』です!」と大きな声でスタートしました(笑)。その姿勢も含めて、チーム一体感を高められたと思います。

忘れられない時間と経験

初めての「チームでのものづくり」

機能が一つずつ形になり、最後にAIエージェントが本当に旅行プランを生成してくれたときの感動は忘れられません。

  • 本番直前まで新機能を入れてくれたメンバー
  • 疲れていても笑いながらやり切った時間
  • みんなで一緒に喜んだ、優勝の瞬間

このハッカソンは「結果」も嬉しかったですが、それ以上に「チームで何かを本気で作る経験」が何よりの宝物になりました。

学びとこれから

勝因を振り返ると

  • ユーザー課題に基づいた問題設定(社員アンケートなど)
  • 圧倒的な実装力のあるメンバー
  • 技術面+戦略面の事前準備
  • 最後まで走り切った熱意とチームワーク

自分にとっての学び

  • 技術力の重要性を再認識
  • 技術だけでなく、戦略・企画・推進の重要性も実感
  • 「弱みを把握して補う準備」がチーム貢献の鍵
  • 「わからない」を素直に聞くことの大切さ

おわりに:不安があっても、貢献できる

技術力に不安がある状態でも、「自分にできることを明確にし、準備すること」で、ハッカソンでも十分貢献できました。

これは、今後のチーム開発やキャリア形成でも必ず活きる考え方だと信じています。

技術に自信がない方へ

戦略と準備次第で、あなたも必ずチームの力になれます
そして何より、分からないことは遠慮なく質問してください。良いチームメンバーは必ず助けてくれますし、質問することでチーム全体の連携も深まります。

この記事が少しでも参考になったら、ぜひハッカソンに挑戦してみてください!質問や感想は、コメントでもぜひどうぞ!

感謝

最高のチームメンバーと出会えて、本当に幸せでした。以下にポートフォリオもご紹介します:

写真左から

IMG_6253.jpeg

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