こちらのアップデートです。
Databricksアシスタントのスキル作成
ドメイン固有タスクに特化した機能で、エージェントモードのDatabricksアシスタントを拡張するためにスキルを作成できるようになりました。ユーザーのスキルはオープンなAgent Skills標準に従い、適切な場合には自動でロードされます。エージェントスキルによるアシスタントの拡張をご覧ください。
はじめに
Databricks アシスタントは、ノートブックやSQLエディタでコード生成、エラー修正、データ探索などを支援するAIアシスタントです。スキル(Skills) 機能を使うと、ドメイン固有のタスクに特化した機能でアシスタントを拡張できます。
スキルはAgent Skillsのオープンスタンダードに準拠しており、ガイダンス、ベストプラクティス、再利用可能なコード、実行可能なスクリプトなどをパッケージ化できます。
注意: スキルはDatabricks アシスタントのエージェントモードでのみサポートされます。
Agent Skillsオープンスタンダードへの早期対応
Agent Skillsは、2025年10月にAnthropicがClaude向けの開発者機能として初めてリリースしました。その後、2025年12月18日にオープンスタンダードとして公開され、仕様とSDKがagentskills.ioで利用可能になりました。
Databricksはこのオープンスタンダード公開から約3週間でアシスタントへのスキル機能を実装しています。Microsoft(VS Code、GitHub)、Cursor、OpenAI(Codex)などと並ぶ早期採用組です。
私が言うのもアレですが、MCPへの対応もそうでしたが、DatabricksはAIエージェント関連のオープンスタンダードへのキャッチアップが非常に速く、プラットフォームとしてのAIエージェント基盤を意識していることがうかがえます。
スキルとは
スキルは、特定のタスクを実行するためにアシスタントが必要に応じて読み込むドメイン固有の知識とワークフローをパッケージ化したものです。
グローバルに適用される「カスタム命令」とは異なり、スキルは関連するコンテキストでのみ自動的に読み込まれます。エージェントモードでは、アシスタントがユーザーのリクエストとスキルの説明に基づいて適切なスキルを自動選択します。
これにより以下のメリットがあります:
- 効率的なコンテキストウィンドウの維持
- 複数のチャットで同じコンテキストを繰り返し提供する必要がない
- タスクに応じた適切な知識の適用
スキルの作成方法
ステップ1: スキルフォルダの作成
ユーザーワークスペースフォルダに、スキル用のフォルダを作成します。
/Users/{username}/.assistant/skills/
作成後、アシスタントパネルからこのフォルダにすぐにアクセスできます。設定(歯車アイコン) > スキルフォルダを開くをクリックしてください。
ステップ2: SKILL.mdファイルの作成
スキルフォルダ内にSKILL.mdファイルを作成します。このファイルはAgent Skills仕様に従います。
必須のフロントマター
ファイルの先頭に、以下のYAMLフロントマターを追加します:
---
name: skill-name
description: このスキルが何をするか、いつ使用するかの説明
---
本文の構成
フロントマターの後に、Markdown形式でスキルの詳細を記述します。以下のセクションを含めることを推奨します:
- ステップバイステップの説明: 明確な手順ガイド
- 例: サンプル入力と期待される出力
- エッジケース: 一般的なバリエーションと例外
ステップ3: 追加リソースの配置(オプション)
より複雑なスキルの場合、追加のリソースを提供できます:
- スクリプト: エージェントが実行できる実行可能コード
- ドキュメント: ベストプラクティスやテンプレートなどの参照資料
他のファイルを参照する場合は、ルートスキルからの相対パスを使用します。
設定例
例1: コーディング規約スキル
チーム固有のコーディング規約をアシスタントに教えるシンプルなスキルです。
フォルダ構成:
/Users/{username}/.assistant/skills/
└── coding-standards/
└── SKILL.md
SKILL.md:
---
name: coding-standards
description: チームのPythonコーディング規約。Pythonコードを書く際やレビューする際に使用。
---
# Pythonコーディング規約
## 命名規則
- 変数名・関数名: snake_case を使用
- クラス名: PascalCase を使用
- 定数: UPPER_SNAKE_CASE を使用
- プライベート変数: 先頭にアンダースコア(_variable)
## インポート順序
1. 標準ライブラリ
2. サードパーティライブラリ
3. ローカルモジュール
各グループは空行で区切る。
## 例
```python
# Good
import os
import sys
import pandas as pd
from pyspark.sql import functions as F
from myproject.utils import helper
```
## Databricks固有のルール
- マジックコマンドは最小限に
- displayの代わりにshow()を推奨(デバッグ時除く)
- テーブル名は必ずカタログ.スキーマ.テーブル形式で指定
スキルが発火するプロンプト例:
- 「CSVを読み込んでデータフレームに変換するコードを書いて」
- 「このコードをレビューして」
- 「関数名の付け方で迷っている」
動いているようですね。
例2: ダッシュボード作成スキル
AI/BIダッシュボード作成のベストプラクティスをまとめたスキルです。
フォルダ構成:
/Users/{username}/.assistant/skills/
└── dashboard-design/
└── SKILL.md
SKILL.md:
---
name: dashboard-design
description: AI/BIダッシュボードの設計とベストプラクティス。ダッシュボードの作成、改善、トラブルシューティングに使用。
---
# ダッシュボード設計ガイド
## 設計原則
1. **目的を明確に**: 誰が、何のために見るのか
2. **重要な指標を上部に**: 最も重要なKPIは左上に配置
3. **フィルターは共通化**: 日付範囲などは1箇所で制御
4. **色は意味を持たせる**: 赤=悪い、緑=良い、など一貫性を
## レイアウトパターン
### エグゼクティブダッシュボード
- 上部: 主要KPI(3-5個)のカード
- 中央: トレンドチャート
- 下部: 詳細テーブル
### オペレーショナルダッシュボード
- 左: フィルターパネル
- 中央上: リアルタイム指標
- 中央下: アラート・異常値
- 右: アクションアイテム
## SQLクエリのベストプラクティス
```sql
-- 日付フィルター付きの売上サマリー
SELECT
DATE_TRUNC('month', order_date) AS month,
SUM(amount) AS total_sales,
COUNT(DISTINCT customer_id) AS unique_customers
FROM catalog.schema.orders
WHERE order_date BETWEEN :start_date AND :end_date
GROUP BY 1
ORDER BY 1
```
## パフォーマンス最適化
- 集計済みテーブル(Goldレイヤー)を使用
- 必要なカラムのみSELECT
- フィルター条件はパーティションキーを活用
スキルが発火するプロンプト例:
- 「売上ダッシュボードを作りたい」
- 「ダッシュボードのレイアウトを相談したい」
- 「KPIの見せ方で悩んでいる」
ちなみに以下のように聞くと、定義されたスキルを確認できました。
ユーザー定義したスキルは何がありますか?
売上ダッシュボードを作りたい
プランにガイダンスの確認が含まれています。
ガイドラインに従ってKPI、トレンド、詳細テーブルが可視化されています。なんかすごい。(KPIの表示は崩れていますが)
修正してもらいました。
ベストプラクティス
効果的なスキルを作成するためのガイドラインです。
スキルを集中させる
スキルは単一のタスクまたはワークフローに焦点を当てた場合に最も効果を発揮します。スコープを狭くすると、アシスタントがスキルの適用タイミングを認識しやすくなります。
明確な名前と説明を使用
簡潔でわかりやすい名前と説明は、アシスタントが適切なスキルを適切なリクエストにマッチさせるのに役立ちます。
例を含める
具体的な例やパターンを含めることで、アシスタントが再利用しやすくなります。
不要なコンテキストを避ける
タスクに必要な情報のみを含めます。詳細を追加しすぎると、スキルの確実な適用が難しくなる可能性があります。
継続的に改善する
スキルを「生きたドキュメント」として扱います。実際の使用状況に基づいた小さな更新により、結果が大幅に改善される可能性があります。
ガイダンスと自動化を分離
- Markdownファイル: 意図とベストプラクティスの説明
- スクリプト: 繰り返し可能なアクション
これらを明確に分けることで、スキルの維持と再利用が容易になります。
使用方法
スキルを作成後、Databricks アシスタントは次回エージェントモードで使用する際に自動的にスキルを検出します。
- アシスタントパネルを開く
- エージェントモードに切り替える
- 通常通り質問やリクエストを入力
- アシスタントが関連するスキルを自動的に読み込んで回答
まとめ
Databricks アシスタントのスキル機能を使うことで、チームや組織固有のナレッジをAIアシスタントに組み込むことができます。コーディング規約やダッシュボード設計ガイドなど、繰り返し参照される知識をスキル化することで、チーム全体の生産性向上につながります。
ぜひ自分の業務に合わせたスキルを作成してみてください。









