はじめに
datasciencemonkey/coding-agents-databricks-apps というリポジトリを見つけました。
TL;DR: Run Claude Code, Gemini CLI, and OpenCode on Databricks Apps - all from the browser.
Claude Code / Gemini CLI / OpenCode という3つのコーディングエージェントを、Databricks Apps としてブラウザから起動できるというものです。ローカルへのIDEインストールやAPIキー管理が不要で、ワークスペースのModel Servingエンドポイントに最初から繋がっている状態で使えます。
Karpathy氏が「ローカルでのコーディングエージェントのセットアップが面倒」と嘆いたツイートと、それに応答したBoris Cherny氏 (Claude Code作者) のやり取りが発想の原点、とREADMEに書かれています。
実際にデプロイして動かしてみたので、導入記事としてまとめます。
何ができるのか
デプロイ後にブラウザでアプリを開くと、xterm.jsベースのターミナルが表示されます。そこから以下のCLIが起動できます。
| エージェント | デフォルトモデル | 備考 |
|---|---|---|
| Claude Code | databricks-claude-opus-4-6 |
Anthropic製。39スキル + 2 MCPサーバー同梱 |
| Gemini CLI | databricks-gemini-3-1-pro |
Google製 |
| OpenCode | 設定可能 | オープンソース、マルチプロバイダ対応 |
いずれも 起動時点でDatabricks AI Gateway または Model Serving に接続済み なので、ユーザー側でAPIキーを管理する必要がありません。認証はDatabricksのPATだけです。
デプロイ手順
このアプリのいちばん気持ちいいポイントで、3クリック + PAT貼り付け で終わります。ローカルでの databricks sync や databricks apps deploy は不要です。
1. リポジトリをテンプレートから作成
GitHubリポジトリページ の「Use this template」ボタンを押して、自分のGitHubアカウント配下に新しいリポジトリを作ります。
2. DatabricksでAppを作成
Databricksワークスペースで「Compute → Apps → Create App」を選びます。
3. Custom App として接続
テンプレートを選ぶ画面で「Custom App」を選択し、ステップ1で作成したリポジトリをGit連携で指定します。
4. Deploy
デプロイボタンを押して待ちます。
5. 初回ターミナルでPATを貼り付け
アプリURLを開くと、ローディング画面 (スネークゲームで遊びながら待てます) のあとにPAT入力を求められます。短寿命のPATを発行して貼り付けると、その場で各CLIの初期設定が走ります。
以上。app.yaml の編集もシークレット事前登録も不要です。
Databricks Apps自体の一般的な使い方については Databricks Apps ドキュメント (日本語) を参照してください。
動作確認
セットアップ完了後、ターミナルで以下のように確認できます。
$ claude --version
2.1.116 (Claude Code)
Claude Codeが起動できる状態になっていることが分かります。
なお、右下のメニューでダークモードに切り替えることができます。


実際に使ってみる
試しにClaude Codeを起動して、自分のワークスペース配下のノートブックを探してもらいました。
プロンプト:
/Workspace/Users/<自分>/配下のノートブックをリストして、最近変更されたものを教えて
Databricks CLIが事前設定されているため、特別な準備なしでワークスペースAPIを叩いてくれます。264個あるサブディレクトリから、効率のために直近10個の日付ディレクトリに絞って16ノートブックを検出し、マークダウンテーブル形式で一覧を返してくれました。処理時間は38秒。
「全件スキャンは時間がかかるので直近10個に絞った。必要なら全件もやる」と断りを入れてくる点も、Claude Codeらしい挙動です。
同梱されているスキルとMCPサーバー
個人的にこのアプリの推しポイントは、AI Dev Kit の25スキル と Superpowers の14スキル が最初から使える状態になっていることです。
AI Dev Kit由来の25スキル
databricks-solutions/ai-dev-kit から取得されているスキル群です。
- AI & Agents:
agent-bricks,genie,mlflow-eval,model-serving - Analytics:
aibi-dashboards,unity-catalog,metric-views - Data Engineering:
declarative-pipelines,jobs,structured-streaming,synthetic-data,zerobus-ingest - Development:
asset-bundles,app-apx,app-python,python-sdk,spark-python-data-source - Storage:
lakebase-autoscale,lakebase-provisioned,vector-search - Reference:
docs,dbsql,pdf-generation - Meta:
refresh-databricks-skills
/refresh-databricks-skills スラッシュコマンドで最新のスキル群を取得し直せるので、ai-dev-kitの更新に追随できます。
Superpowers由来の14スキル
obra/superpowers から取得されているエージェント駆動開発寄りのスキルです。TDD、systematic-debugging、git-worktreesなどが含まれます。
MCPサーバー
- DeepWiki: 任意のGitHubリポジトリに対するQA
- Exa: Web検索・コードコンテキスト取得
Git commit で Workspace に自動同期
~/projects/ 配下のGitリポジトリは、git commit すると /Workspace/Users/{email}/projects/ 配下に自動で同期されます。
ブラウザ内で編集 → commit → Databricks Workspaceに反映、というループが成り立つので、通常のノートブック開発とコーディングエージェント駆動の開発を行き来しやすい構成です。
制約・注意点
シングルユーザー設計
PATの所有者しかアクセスできません (他のユーザーが同じURLを開くと403) 。チームで使いたい場合は各人が自分のインスタンスをデプロイする前提です。ワークショップなどで配る場合は、参加者ごとにデプロイしてもらう形になります。
セッションは24時間持続
アイドル24時間で自動クローズされます。exit を打たない限りセッションは生き続けるので、途中で離席してもターミナル状態が残ります。
Model Servingエンドポイントの前提
デフォルトでは databricks-claude-opus-4-6 と databricks-gemini-3-1-pro を利用します。Foundation Model APIが有効なリージョンのワークスペースであれば基本的に使えます。環境変数 ANTHROPIC_MODEL / GEMINI_MODEL で差し替え可能です。
まとめ
Databricks Apps上でコーディングエージェントを動かすテンプレートを試しました。
- ローカルのIDEセットアップ・APIキー管理が不要
- Workspace / Unity Catalog / Jobs などのDatabricks資産に最初から繋がる
- AI Dev Kit スキルが最初から使える
-
git commitで自動的にWorkspaceへ同期 - デプロイが Use this template → Custom App で3クリック
スター数はまだ多くないですが、「ブラウザだけでDatabricksとコーディングエージェントを繋ぐ」というコンセプトとしては綺麗に仕上がっており、社内配布やワークショップ題材としての可能性を感じました。
次回以降、具体的な活用事例 (AI Dev Kit スキルを使ったDLTパイプライン生成、Genie統合、3エージェント比較など) を書いていく予定です。







