この記事では プライベート接続のみ許可しているストレージアカウントに、ローカルPCから VPN 経由で接続する までの手順をまとめます。(2025年11月時点)
Azure の学習を始めたばかりですので、初心者向けの内容となります。
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本記事のゴール
- VPN 環境を構築できる
- ローカルPCからストレージアカウントにプライベート接続できる
1. VPN ゲートウェイ用のサブネットを作成
サブネットの目的は「Virtual Network Gateway」を選びます。

2. 証明書を作成
2-1. ルート証明書(Root CA)を作成
PowerShell で実行します。
$rootCert = New-SelfSignedCertificate `
-Type Custom `
-KeyExportPolicy Exportable `
-KeySpec Signature `
-KeyLength 2048 `
-KeyUsage CertSign `
-Subject "CN=AzureP2SRootCert" `
-CertStoreLocation "Cert:\CurrentUser\My" `
-HashAlgorithm sha256 `
-KeyUsageProperty Sign `
-NotAfter (Get-Date).AddYears(10)
2-2. クライアント証明書(Client Cert)を発行 ※ 上記の続きでコマンド実行
$clientCert = New-SelfSignedCertificate `
-Type Custom `
-DnsName "AzureP2SClient" `
-KeyExportPolicy Exportable `
-KeySpec Signature `
-KeyLength 2048 `
-Subject "CN=AzureP2SClient" `
-CertStoreLocation "Cert:\CurrentUser\My" `
-Signer $rootCert `
-HashAlgorithm sha256 `
-NotAfter (Get-Date).AddYears(5) `
-TextExtension @("2.5.29.37={text}1.3.6.1.5.5.7.3.2")
2-3. ルート証明書をエクスポート
3. ポイント対サイト(P2S)を構成
公開証明書データに先ほどエクスポートしたルート証明書の内容をコピペします。
なお、「-----BEGIN CERTIFICATE-----」から「-----END CERTIFICATE-----」の間のみを貼ります。

保存ボタンを押します。
なお、デプロイに 30 分前後かかります。
4. VPN クライアントのインストール
https://apps.microsoft.com/detail/9np355qt2sqb?hl=ja-JP&gl=JP

5. VPN 接続
ポイント対サイトの構成から VPN クライアントのダウンロードを行います。

ダウンロードした zip ファイルを解凍すると、 VPN クライアント用の設定ファイルを確認できます。

VPN クライアントの左下にある「+」から、設定ファイルをインポートします。
証明書情報にはクライアント証明書を選択します。

接続ボタンを押して接続できることを確認します。

VPN 接続時に「Server did not respond properly to VPN Control Packets. Session State: TLS handshake in progress」のエラーが出た場合、証明書発行時のパラメーター(TextExtension)を指定しているか確認してください。
ローカルPCの IP アドレスを確認すると、 P2S のアドレスプール(172.16.0.0/24)であることがわかります。

VPN へ接続できましたが、名前解決を行うとパブリックIPになっていることがわかります。
Resolve-DnsName storage1115test.privatelink.blob.core.windows.net
6. DNS プライベートリゾルバの作成
Azure 内部 DNS を参照できるようリゾルバを構築します。


サーバーを指定して、名前解決をするとプライベートIPに解決されることを確認します。
Resolve-DnsName storage1115test.privatelink.blob.core.windows.net -Server 10.0.2.4
しかし、サーバーを指定しない場合はパブリックIPになっています。
Resolve-DnsName storage1115test.privatelink.blob.core.windows.net
7. カスタム DNS の設定
仮想ネットワークの DNS サーバーに、先ほど作成したプライベート DNS リゾルバを指定します。


P2S の構成画面から、 VPN クライアントのダウンロードを再度実行します。
ダウンロード後、VPN クライアントでインポートを行い、 VPN の構成を更新します。

VPN を再接続後、名前解決を確認するとプライベートIPになっていることが確認できます。
Resolve-DnsName storage1115test.privatelink.blob.core.windows.net
8. ローカルPCからストレージアカウントの接続確認
Azure Portal からコンテナーを開くと、エラーにならずに開けることが確認できます。

ファイルの URL もアクセス可能であることが確認できます。

まとめ
この記事では以下を行いました。
- VPN ゲートウェイの作成
- 証明書を発行し、仮想ネットワークへ VPN 接続
- ローカルPCからストレージアカウントへプライベートアクセス














