はじめに
Azureでシステムを運用していると、
- 監視はAzure Monitorで十分なのか?
- Datadogを使うと何が変わるのか?
- Azure Marketplaceにある「Datadog – Azure Native ISV Service」とは何者なのか?
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Datadog – Azure Native ISV Serviceについて、
- どんなサービスなのか
- 何ができるのか
- Azure Monitorとの違い
- どんなチームに向いているのか
を、Azureユーザー視点で分かりやすく解説します。
Datadog – Azure Native ISV Service とは?
一言で言うと、
Azureポータルから“ネイティブ感覚”でDatadogを利用できる公式統合サービス
です。
DatadogはSaaS型のオブザーバビリティプラットフォームですが、Azure Native ISV Serviceを利用することで、
- Azure PortalからDatadogリソースを作成
- Azure AD(Entra ID)との自動連携
- Datadog利用料をAzureの請求に統合
といった AzureのリソースとしてのDatadog運用 が可能になります。
Azure Marketplace からの Datadog サービス
何ができるの?
1. AzureポータルからDatadogを直接管理できる
DatadogをAzureの「1つのリソース」として扱えます。
- Azureサブスクリプションとの紐づけ
- Entra ID(Azure AD)による認証・権限管理
- タグやリソースグループでの管理
Datadog専用のIAM設計や請求設定を個別に意識しなくてよい点が大きなメリットです。
2. Azureリソースの自動検出・監視
Datadogを有効化すると、以下のようなAzureサービスが自動的に可視化されます。
- Virtual Machines / VM Scale Sets
- App Service / Azure Functions
- AKS
- Azure SQL / Cosmos DB
- Load Balancer / Application Gateway
- Storage Account など
Azure上のメトリクスやログをDatadog上で横断的に確認できるようになります。
Datadog上でのAzureリソース可視化
3. Datadogの利用料金をAzure請求に統合
エンタープライズ利用では特に重要なポイントかと思います。
- Datadogの利用料がAzureの請求書に一本化
- EA / MCA / CSP 経由で支払い可能
- 社内の購買・経理フローを変更せずに導入可能
「技術的には良いが、契約や請求が面倒」という理由で導入を躊躇してしまうケースを避けられます。
AzureのサブスクリプションをDatadogの組織にリンク
4. AzureとDatadogのUIが相互リンク
- Azure Portal → 対象リソースのDatadog画面へ遷移
- Datadog → AzureのResource IDやリソース画面へ遷移
障害対応時や調査時に、どの画面を見ればよいか迷わなくなるのは運用面で大きなメリットです。
5. Datadogの全機能がそのまま使える
Azure Native ISV Serviceだからといって、Datadogの機能が制限されることはありません。
- Infrastructure Monitoring
- APM / Distributed Tracing
- Log Management
- RUM
- Security(CSPM / CWS)
- Network Monitoring
- LLM Observability
- Cloud Cost Management
- Cloudcraft(構成図)
Azure Monitorの拡張ではなく、フルスペックのDatadogがAzureに統合されるイメージです。
Azure Monitorとの違いは?
| 観点 | Azure Monitor | Datadog(Azure Native) |
|---|---|---|
| 対応クラウド | Azureのみ | Azure / AWS / GCP |
| 横断分析 | 限定的 | 強力 |
| APM / Tracing | 基本機能 | 高度 |
| 異常検知 | ルール中心 | AIベース |
| LLM / Agent | 弱い | 強い |
当然と言えば当然ですが、Azureだけを監視するならAzure Monitor、システム全体を横断的に見るならDatadog、という棲み分けになります。
Azure と Datadog のインテグレーション概要
どんなチームに向いているか?
特に相性が良いのは、次のようなチームです。
- Azureがメインだけど、将来マルチクラウドを見据えている
- AKS / App Service / Functions が混在している
- SRE / Platform / DevOps チーム
- 監視を「運用」ではなく「プロダクト品質」として捉えている
- AI / LLM / Agent を本番投入している、または予定がある
まとめ
Datadog – Azure Native ISV Service は、
Azureに深く統合された、マルチクラウド対応の本格オブザーバビリティ基盤
です。
Azureの操作性・認証・請求体系を活かしつつ、Azure Monitorだけでは実現しづらい横断的・相関的・AI駆動の可観測性 を提供します。
AzureユーザーがDatadogを検討する際、まず知っておくべき選択肢の一つと言えるかもしれませんね。ではでは!



