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【2025年最新】OpenAPI仕様書からAIが自動生成!Apidogで実現するAPIテストの効率化

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はじめに

API開発において、テストケースの作成は品質保証に欠かせない工程ですが、手動での作成には多大な時間と労力がかかります。そこで本記事では、インターン生の私が、OpenAPI仕様書を活用してテストケースを自動生成できる「Apidog」について、その機能や使い方を詳しく解説します。

Apidogとは

Apidogは、API開発におけるライフサイクル全体をサポートする統合開発プラットフォームです。API設計、モック作成、ドキュメント生成、自動テストなど、多様な機能を一つのツールで提供します。

一般的な機能

  • API設計とドキュメント管理: OpenAPI/Swagger仕様に準拠したAPI設計が可能
  • APIテスト実行: RESTful APIやGraphQL APIのテストをGUIベースで簡単に実行
  • モックサーバー: 実際のバックエンドがなくてもAPIの動作を検証可能
  • チーム連携: プロジェクトの共有や共同編集に対応

本記事で注目する機能: OpenAPI仕様書を用いたテストケース自動生成

本記事では、特にApidogのLLM(大規模言語モデル)を活用したテストケース自動生成機能に焦点を当てます。OpenAPI仕様書をインポートすることで、正常系・異常系・境界値などのテストケースをAIが自動的に生成し、テスト工数を大幅に削減できます。

Apidogを使用するメリット

  • テストケース作成の効率化: OpenAPI仕様書から自動的に多様なテストケースを生成
  • 網羅的なテスト: 正常系だけでなく、異常系や境界値テストも自動生成
  • AI機能の活用: LLM(OpenAI、Anthropic、Google AI Studioなど)を利用した柔軟なテストケース生成
  • 統合開発環境: 設計からテスト実行まで一つのツールで完結
  • チームでの共有が容易: プロジェクト単位での管理と共有機能

Apidogを使用するデメリット

  • LLM API keyが必要: テストケース自動生成機能を使うには、外部LLMのAPIキーを設定する必要がある
  • 生成ケース数の不確実性: 「約10件」などの指定をしても、実際には8〜12件など幅がある
  • 日本語対応の制限: 一部機能やドキュメントは英語のみの場合がある
  • 学習コスト: 多機能であるため、初めて使う場合は慣れるまで時間がかかる可能性がある

料金プラン

Apidogは用途や規模に応じて4つのプランを提供しています。

Free(無料プラン)

料金: ¥0 / ユーザー / 月

対象: API連携とテストを始める個人・小規模チーム(最大4ユーザー)

主な機能:

  • コア機能全般(4ユーザーまで利用可能)
  • フルAPIクライアント対応
  • Mock/テスト基本機能一式
  • 無制限テスト(コレクション)実行
  • ドキュメント基本機能(閲覧数無制限)
  • リアルタイム共同編集
  • プロジェクト毎スプリントプランチ本1本/バージョン1種
  • SQLデータベース操作
  • 3時間間隔の定期インポート

Basic

料金: ¥1,350 / ユーザー / 月

対象: 高度な共同作業とチーム管理が必要なスタートアップ/小規模チーム

主な機能:
Freeプランの全機能に加えて:

  • チームメンバー無制限(従量制課金)
  • 90日間API変更履歴保持
  • スプリントブランチ5本
  • プロジェクト毎バージョン5種
  • NoSQLデータベース操作(ClickHouse/MongoDB/Redis)
  • 30分間隔の定期インポート
  • 最大20チームプロジェクト
  • チームアクティビティフィード

14日間の無料トライアル利用可能

Professional

料金: ¥2,700 / ユーザー / 月

対象: 高度な共同作業・詳細管理・優先サポートが必要な成長企業

主な機能:
Basicプランの全機能に加えて:

  • APIコメントに制限なし
  • スプリントブランチ/バージョン無制限
  • ドキュメントIPホワイトリスト
  • 180日間API変更履歴保持
  • チーム共有変数管理
  • 10分間隔の定期インポート
  • セルフホスト型プロキシ経由API呼び出し
  • ランナー経由定期インポート
  • 優先メール対応&トレーニングセッション

14日間の無料トライアル利用可能

Enterprise

料金: ¥4,050 / ユーザー / 月

対象: 企業向けセキュリティ・カスタマイズ・プレミアムサポートが必要な大規模組織

主な機能:
Professionalプランの全機能に加えて:

  • 365日間API変更/テスト変更履歴保持
  • 複数ドキュメントサイト/サブサイト公開
  • APIケース/シナリオカバレッジ統計
  • プロジェクトロール権限カスタマイズ
  • Vault secrets
  • SSO対応(SAML)
  • 専用Slack/Teamsチャンネル
  • 24時間365日優先サポート
  • 高度セキュリティ審査
  • カスタム利用規約

14日間の無料トライアル利用可能

個人やスモールチームであればFreeプランでも十分な機能を利用できます。一方、企業での本格的な利用を検討する場合は、チーム規模や必要な機能に応じてBasic以上のプランを選択することをおすすめします。


事前準備: LLMのAPI key設定

ApidogでAIによるテストケース自動生成を利用するには、事前にLLMのAPI keyを設定しておく必要があります。以下の手順で設定を行います。

1. チーム設定画面を開く

画面中央上部のメニューから「チーム設定」を選択します。

image.png

2. AI機能の設定

「AI機能」の項目にある「プロバイダーを追加」ボタンを押下します。

image.png

3. プロバイダーを選択

利用可能なLLMプロバイダーの一覧が表示されます。以下のプロバイダーから選択できます。

  • OpenAI
  • Anthropic
  • Google AI Studio
  • Google Vertex
  • OpenRouter
  • カスタムAPI設定(OpenAI API仕様に準拠したすべてのモデルプロバイダーをサポート)

4. API keyを入力して保存

選択したプロバイダーのAPI keyを入力し、「保存」ボタンを押下します。(今回はGoogle AI Studioを選択しています。)

image.png

保存が完了すると、以下のように設定済みプロバイダーとして表示されます。モデル一覧から使用するモデルを選択することも可能です(例: Gemini 2.5 Pro、Gemini 2.5 Flashなど)。

image.png


テストケース自動生成までの手順

ここからは、実際にOpenAPI仕様書をインポートし、テストケースを自動生成する手順を解説します。

1. 新規プロジェクトの作成

Apidogを初めて使用する場合、以下の画面から開始されます。「空のプロジェクトを作成」または「新規プロジェクト」ボタンを押下します。

image.png

2. プロジェクト名を入力

プロジェクト名を入力して「作成」ボタンを押下します。

image.png

3. インポート機能を開く

OpenAPI仕様書を読み込んでテストケースを自動生成するため、「その他の機能」ボタンを押下します。

image.png

4. インポートを選択

ドロップダウンメニューから「インポート」を選択します。

image.png

5. OpenAPI/Swaggerを選択

データインポート画面で「OpenAPI/Swagger」を選択します。

image.png

6. 仕様書ファイルをアップロード

「ファイルをアップロードする」タブを選択し、OpenAPI仕様書(JSON形式またはYAML形式)をアップロードします。

対応フォーマット: OpenAPI 3.0/3.1、Swagger 2.0

image.png

7. インポート設定を確認

確認画面の右側で以下の設定を行い、「確認」ボタンを押下します。

  • インポート先: 既存モジュールまたは新規モジュール
  • 各種APIにAPIデータを自動追加: 有効/無効
  • Security Schemeのインポート: 対応するSecurity Schemeを選択するか、無視する
  • API/Summaryフィールド: 使用するか、operationIdを使用するか

image.png

8. インポート完了

インポートに成功すると、以下のような画面が表示されます。

image.png

「APIを表示」ボタンを押下すると、インポートされたAPIの一覧を確認できます。


テストケースの自動生成

OpenAPI仕様書のインポートが完了したら、実際にテストケースを自動生成してみましょう。

9. APIを選択

画面左側のAPIタブから、テストケースを生成したいAPIを選択します。今回は例として「account」配下のAPIを選択します。

image.png

10. 任意のAPIエンドポイントを選択

ディレクトリ内から、テストケースを生成したいAPIエンドポイント(例: PUT Agree Terms)を選択します。

image.png

11. テストケースタブを開く

画面上部のタブから「テストケース」を選択し、「AIで生成」ボタンを押下します。

注意: 自身で手動でテストケースを設定したい場合は「ケース追加」ボタンから作成可能です。

image.png

重要: 事前準備でLLMのAPI key設定を行っていない場合、この機能は使用できません。

12. テストケースカテゴリを選択

「AI生成テストケース」ダイアログが表示されるので、実施したいテストケースのカテゴリを選択します。

選択可能なテストケースカテゴリ

正常系

  • 必須フィールドのみ
  • セマンティック有効
  • 列挙型組み合わせカバレッジ
  • その他正常系

異常系

  • 無効値
  • 必須フィールド不足
  • フォーマットエラー
  • 型エラー
  • セマンティックエラー
  • その他異常系

境界値

  • 最大値/最小値
  • 最大/最小境界値超過
  • Null/ゼロ/空値
  • 文字列長すぎ/短すぎ

セキュリティ

  • 認証制御
  • SQLインジェクション
  • あいまい入力
  • XSSインジェクション
  • コマンドインジェクション
  • JSONインジェクション
  • NoSQLインジェクション

image.png

認証情報の設定

必要に応じて、認証情報(例: Authorization Token)を入力します。デフォルトでは{{bearerToken}}のような変数形式が設定されています。

生成ケース数の設定

画面左下の「生成ケース数」では、以下のオプションから選択できます。

  • 自動
  • 約10件
  • 約20件
  • 約40件
  • 約80件

注意: 正確に指定した数が生成されるわけではありません。例えば「約10件」を選択しても、実際には8〜12件程度になる場合があります。

image.png

設定が完了したら「生成」ボタンを押下します。数秒で「保留中」タブにテストケースが自動生成されます。

image.png

13. テストケースの採用

生成されたテストケースが「保留」タブに表示されます。この中から今後実行したいテストケースを選択し、「採用」ボタンを押下します。

採用すると、「採用済み」タブに移動します。

image.png


テストの実行

テストケースを採用したら、実際にテストを実行してみましょう。

14. 環境を選択

画面右上の「環境を選択」ボタンから、テストを実行する際の環境を設定します。

image.png

今回は例として「ローカル環境」を選択します。

15. すべて実行

「すべて実行」ボタンを押下すると、採用済みのテストケースが順次実行されます。

実行が完了すると、以下のようにリクエストに対して返ってきたステータスコードと結果(合格/不合格)が表示されます。

image.png


所感:テストケース自動生成がもたらす開発効率の革新

従来のAPI開発では、テスト項目書を綿密に検討し、その上で開発者自身がテストコードを一から作成する必要がありました。この作業は非常に時間がかかるだけでなく、人的ミスによるテストケースの漏れが発生するリスクも常に伴っていました。

Apidogのテストケース自動生成機能は、こうした課題を根本的に解決します。OpenAPI仕様書をインポートするだけで、正常系・異常系・境界値・セキュリティテストといった多様なテストケースが網羅的に生成されるため、テスト設計の工数削減品質の均質化を同時に実現できます。

特に印象的だったのは、LLMを活用したテストケース生成の柔軟性です。従来の静的なテンプレートベースの自動生成とは異なり、API仕様の文脈を理解した上で適切なテストケースを提案してくれるため、実用性が非常に高いと感じました。

今後、API開発においてこのような次世代ツールは標準的な存在になっていくと予想されます。開発チームの生産性向上とソフトウェア品質の向上を両立させるために、Apidogのような先進的なツールへの理解を深め、実践的に活用できるスキルを磨いていくことが重要だと考えます。


まとめ

本記事では、ApidogのLLMを活用したテストケース自動生成機能について、事前準備から実行までの一連の流れを解説しました。

Apidogを使うことで実現できること

  • OpenAPI仕様書から正常系・異常系・境界値・セキュリティテストケースを自動生成
  • テストケース作成工数の大幅な削減
  • 網羅的なテストによる品質向上

今後の展望

Apidogは継続的にアップデートされており、AIによるテスト生成精度の向上や、より多様なLLMプロバイダーへの対応が期待されます。API開発の効率化を図りたい方は、ぜひ一度試してみてください。


参考リンク

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