まず最も重要な違いは、その役割です。
- JavaScript:Webブラウザを動かすためのプログラミング言語そのものです。(料理の「材料」や「調理器具」のイメージ)
- jQuery:JavaScriptをより便利に、簡単に書くためのライブラリです。(料理の「時短キット」や「便利な調理家電」のイメージ )
jQueryは、JavaScriptという言語で作られた「便利機能のセット」 なので、jQueryを使うには、まずベースとなるJavaScriptが必要です。
📊 JavaScriptとjQueryの比較表
それぞれの特徴を分かりやすく表にまとめました。
| 比較項目 | JavaScript(JS) | jQuery |
|---|---|---|
| 種類 | プログラミング言語 | JavaScriptのライブラリ |
| 記述量 | やりたいことによっては長くなりがち | 短く、シンプルに書ける |
| 学習難易度 | 基本を学ぶのは少し難しいことがある | 初心者でもとっつきやすい |
| ブラウザ対応 | ブラウザごとに記述を変える必要がある場合がある | ブラウザの違いを吸収してくれる(どこでも同じ動き) |
| 処理速度 | 基本的に速い | ライブラリを読み込む分、JS単体よりわずかに遅い |
| コードの目印 |
document. などから始まることが多い |
ほぼ必ず**$()**(ドルマーク)を使う |
補足:「ライブラリ」とは?
ライブラリとは、「よく使う機能」や「面倒な処理」をあらかじめ一つにまとめておいたプログラムのファイルです。
これにより、開発者はゼロから全てを記述する手間が省け、効率的に開発を進めることができます。
✍️ 記述の具体的な違い(ソースコード例)
Webページのある要素(例:id="target"のついたボタン)をクリックしたときに、文字の色を赤に変えるという処理を例に見てみましょう。
1. JavaScriptでの記述例(少し長くなりがち)
// 1. 操作したいHTML要素を取得
const targetElement = document.getElementById('target');
// 2. その要素がクリックされた時の動作を定義
targetElement.addEventListener('click', function() {
// 3. 要素の文字色を赤色に変更する
targetElement.style.color = 'red';
});
-
ポイント: 要素の取得(
getElementById)やイベントの設定(addEventListener)など、細かく記述する必要があります。
2. jQueryでの記述例(短く、シンプル)
// 1行で全て完結!
// 操作したい要素(#target)がクリックされたら、文字色を赤にする
$('#target').on('click', function() {
$(this).css('color', 'red');
});
-
ポイント:
$()という特別な記法を使うことで、要素の取得とイベントの設定、スタイルの変更を非常にシンプルに記述できています。
特にHTML要素を操作する(DOM操作と言います)ときなどに、jQueryのシンプルさは大きなメリットとなります。
👩💻 初心者向け:どちらから学ぶべき?
どちらにもメリットがありますが、あなたの目的に合わせて選ぶのがおすすめです。
-
すぐにWebサイト制作(動きをつける作業)に携わりたい
→ まずjQueryから学ぶのがおすすめです。短くシンプルなコードで、すぐに目に見える結果が出やすいのでモチベーションを保ちやすいでしょう。 -
本格的なWebアプリケーション開発や、プログラミングを深く理解したい
→ JavaScriptから基本を学ぶのがおすすめです。jQueryの土台となる言語を理解することで、より応用力が高まります。
jQueryはJavaScriptの基本機能を簡単に使えるようにしたものなので、最終的にはJavaScriptの知識があるほうが、より深く理解し、応用できるようになります。