こんにちは。Voicyでパーソナリティサクセス・カスタマーサポートを担当している田原(まあや)です。
この記事は、Voicy Advent Calendar 2025 11日目の投稿です。
10日目の記事・ほっちゃんの「片耳で聴いたブルーハーツが良い音だなんて」は以下から読めるのでこちらもぜひ!
https://qiita.com/kazuki_hotta/items/e348a951aebfe6067069
今日は、「Voicy「中の人」の負荷を半減させた生成AIの活用事例」というテーマでお話ししたいと思います。
💡 はじめに:心を使う仕事と煩雑な事務作業の板挟み
多くの企業で、カスタマーサポート(CS)はサービスの「顔」であり、対応品質の維持と業務負荷のバランスが常に課題となっています。
Voicyは「人」と「コンテンツ」が核となるサービスです。そのため、ユーザー窓口として細やかな配慮が求められる一方で、膨大な事務作業や属人化しやすい業務も多く発生していました。
特に私自身、入社して1年10ヶ月が経ち、業務に慣れてきたとはいえ、対応の品質を担保しつつ業務効率を上げることに限界を感じていました。
そんな状況を劇的に変えたのが、生成AI(Gemini)の活用です。
私たちは、AIを「自動化ツール」としてではなく、「人がやるべき創造的な仕事」に集中するための強力な相棒として迎え入れました。
📈 【事例1】ストレスフリーなメール作成:トンマナ自動切り替え
私の担当業務の一つに、パーソナリティ様やリスナー様への問い合わせ対応があります。
以前の課題
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パーソナリティ様向け:親しみを込めた温かみのある文章
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リスナー様向け:丁寧かつ簡潔にまとまった文章
のように、相手によって文章のトーン&マナー(トンマナ)を毎回、自分で頭を切り替えて検討しなければならず、小さなストレスとなっていました。
AIによる解決
現在は、Geminiに返信テンプレートと各トンマナの定義をプロンプトで設定しています。対応が必要な際、私が要点を箇条書きで入力するだけで、自動で指定のトンマナに合った正式な文章が完成します。
その結果、思考負荷が軽減し、対応スピードが向上。品質の安定化も実現しました。
📅 【事例2】トークテーマ会議からの解放:年間テーマの自動生成
Voicyでは、パーソナリティの皆様が「ネタ切れ」で放送をやめてしまうことを防ぐため、365日分の「トークテーマ」を提供し、サポートしています。
以前の課題
このトークテーマのアイデア出しと検討のため、以前は月に1回、1時間半もの時間を費やす「トークテーマ会議」を設けなければなりませんでした。
AIによる解決
現在は、この会議を廃止し、自動化しています。
サービス内のトレンドや季節の話題、パーソナリティの専門性などを踏まえるようプロンプトで指示することで、Geminiが多様で質の高いトークテーマ案を瞬時に生成・提案してくれます。これにより、毎月の約90分間が完全に創出され、パーソナリティへの提案業務により時間を使うことができました。
📊 【事例3】苦手な分析業務の完全自動化:提案の質向上
パーソナリティサクセスの観点から、放送の伸びを後押しするための提案は欠かせません。そのためには、聴取傾向やエンゲージメントなどの定量的なデータ分析が必要です。
以前の課題
実を言うと、私は分析業務がもともと得意ではありませんでした。そのため、定量的なデータの取りまとめと分析に多くの時間がかかり、提案への心理的ハードルも高くなっていました。
AIによる解決
今は、データ分析のすべてをGeminiにお任せしています。生データを渡し、分析の目的(例:〇〇という傾向のパーソナリティ様への提案データ)を指定するだけで、集計はもちろん、分かりやすい傾向分析や提案文の骨子まで自動で作成されます。
分析が苦手な担当者でも、質の高いデータに基づいた提案が迅速に行えるようになり、業務の「属人化」防止にも大きく貢献しています。
✨ まとめ:AIは「相棒」として心に寄り添う時間を生み出す
生成AIは、単に業務を高速化するツールではありません。私たちが日々向き合っている「メール作成のトンマナ切り替え」「定期的な会議」「苦手なデータ分析」といった**「思考負荷の高いルーティン作業」を完璧に引き受けてくれる「優秀な相棒」**です。
AIにこれらの業務を任せることで、私たちは本当に注力すべきパーソナリティ様やリスナー様との心を通わせるコミュニケーションに、より多くの時間を割けるようになりました。
貴社の業務でも、まずは「時間がかかっているルーティン業務」や「苦手意識のある業務」から生成AIの活用を始めてみませんか。
