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@tagawa0525(h tgw)

fcitx5 5.1.15にアップグレードするとMozcが使えなくなる

Last updated at Posted at 2025-10-26

注意

Claude Codeが書いた記事を軽くレビューしただけです。
現状、paruのアップデート時にignoreしている旨が出てくるので、方法１で止めています。

fcitx5 5.1.15のD-Bus通信エラーと解決方法

はじめに

Arch Linuxでfcitx5を使用している環境で、バージョン5.1.15にアップグレードすると日本語入力が完全に動作しなくなる問題が発生しました。同じ問題に遭遇している方のために、原因と解決方法をまとめます。

環境情報:

  • OS: Arch Linux (Kernel 6.17.5-arch1-1)
  • ウィンドウマネージャ: Hyprland
  • ディスプレイサーバー: Wayland
  • 日付: 2025-10-26

問題の症状

fcitx5を5.1.15にアップグレードした後、以下の症状が発生しました：

1. fcitx5-remoteが完全に応答しない

$ fcitx5-remote
Failed to get reply.

$ fcitx5-remote -n
Failed to get reply.

2. プロセスは起動しているが通信できない

$ ps aux | grep fcitx5
tagawa    912  0.0  0.0 358336 33116 ?  Ssl  14:54  0:00 /usr/bin/fcitx5

$ busctl --user list | grep fcitx
org.fcitx.Fcitx5                             912 fcitx5  tagawa :1.16  user@60035.service -  -

fcitx5プロセスは実行中で、D-Busサービスも登録されていますが、実際の通信が機能していません。

3. どのアプリでも日本語入力不可

  • Ctrl+Spaceを押してもIMEが切り替わらない
  • fcitx5-configtoolは起動するが、メイン機能との通信ができない
  • 全てのアプリケーション（GTK、Qt、XWayland）で日本語入力が不可能

試したこと（すべて効果なし）

systemdサービスとして再起動

systemctl --user stop fcitx5
pkill -9 fcitx5
systemctl --user start fcitx5

結果: D-Bus通信エラーは解消されず

環境変数の再確認

$ echo $DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS
unix:path=/run/user/60035/bus

$ cat /proc/912/environ | tr '\0' '\n' | grep DBUS
DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS=unix:path=/run/user/60035/bus

結果: D-Busアドレスは一致しており、環境変数の問題ではない

fcitx5-diagnoseの実行

診断ツールは全ての設定が正常であることを報告：

  • GTK/Qt IMモジュール: 正常
  • 全アドオン（DBusアドオン含む）: 正常にロード
  • 設定ファイル: 問題なし

しかし、D-Bus通信だけが失敗し続けます。

原因の特定

Arch Linux Forumで同様の報告を発見：

結論: fcitx5 5.1.15にバグがあり、D-Busインターフェースが正しく機能しない。

解決方法

方法1: ダウングレード（即座の対処）

最も確実で即効性のある方法は、fcitx5を5.1.14にダウングレードすることです。

手順

# downgradeツールを使用（未インストールの場合）
paru -S downgrade

# fcitx5をダウングレード
sudo downgrade fcitx5

リストから 5.1.14-1 を選択します。

downgradeツールは自動的に/etc/pacman.confに以下を追加するか確認します：

IgnorePkg = fcitx5

「Yes」を選択すると、自動アップグレードがブロックされます。

確認

$ fcitx5-remote
2

$ pacman -Q fcitx5
fcitx5 5.1.14-1

D-Bus通信が正常に動作し、日本語入力が復活します。

注意点

この方法では全バージョンのアップグレードがブロックされるため、5.1.16が出ても手動で設定を解除する必要があります。

方法2: pacman hookで5.1.15のみをブロック（推奨）

設定を忘れがちな方や、5.1.16が出たら自動的にアップグレードしたい方向けの方法です。

メリット:

  • 5.1.15のみをブロック、5.1.16以上は自動的に許可
  • pacman、paru、yay全てで動作
  • 設定を忘れても問題なし

1. hookファイルを作成

sudo mkdir -p /etc/pacman.d/hooks
sudo vim /etc/pacman.d/hooks/block-fcitx5-5.1.15.hook

内容：

[Trigger]
Operation = Install
Operation = Upgrade
Type = Package
Target = fcitx5

[Action]
Description = fcitx5 5.1.15へのアップグレードをブロック
When = PreTransaction
Exec = /usr/local/bin/block-fcitx5-5.1.15.sh
AbortOnFail

2. ブロックスクリプトを作成

sudo vim /usr/local/bin/block-fcitx5-5.1.15.sh

内容：

#!/bin/bash
# fcitx5 5.1.15へのアップグレードをブロックし、5.1.16以上は許可

NEW_VERSION=$(pacman -Sp --print-format '%v' fcitx5 2>/dev/null | cut -d'-' -f1)

if [[ "$NEW_VERSION" == "5.1.15" ]]; then
    echo ""
    echo "========================================="
    echo "⚠️  fcitx5 5.1.15はD-Bus問題があります"
    echo "========================================="
    echo "アップグレードをブロックしました。"
    echo ""
    echo "5.1.16以上が利用可能になったら、このhookは自動的に"
    echo "アップグレードを許可します。"
    echo ""
    echo "このhookを無効化するには:"
    echo "  sudo rm /etc/pacman.d/hooks/block-fcitx5-5.1.15.hook"
    echo "========================================="
    echo ""
    exit 1  # アップグレードを中断
else
    echo "fcitx5 $NEW_VERSION へのアップグレードを許可"
    exit 0  # アップグレードを続行
fi

3. スクリプトを実行可能にする

sudo chmod +x /usr/local/bin/block-fcitx5-5.1.15.sh

4. 既存のIgnorePkgを削除（hook使用の場合）

/etc/pacman.confを編集：

sudo vim /etc/pacman.conf

以下の行を削除またはコメントアウト：

# IgnorePkg = fcitx5

5. 動作確認

# システムアップグレード
paru -Syu

もし5.1.15がリポジトリにある場合、以下のメッセージが表示されます：

=========================================
⚠️  fcitx5 5.1.15はD-Bus問題があります
=========================================
アップグレードをブロックしました。

5.1.16以上が利用可能になったら、このhookは自動的に
アップグレードを許可します。
=========================================

5.1.16以上の場合は自動的にアップグレードが許可されます。

2つの方法の比較

設定方法 IgnorePkg（方法1） pacman hook（方法2）
設定の簡単さ ★★★ とても簡単 ★★☆ やや複雑
特定バージョンのみブロック ✗ 不可能（全バージョン） ✓ 可能（5.1.15のみ）
5.1.16が出たら 手動で解除が必要 自動的に許可
設定を忘れるリスク 高い 低い（自動処理）
paruでも動作 ✓ ✓
yayでも動作 ✓ ✓

推奨:

  • 今すぐ解決したい → 方法1
  • 長期的に管理したい → 方法2

pacman hookの仕組み

pacman hookはpacmanのトランザクション処理に介入するため、pacmanを使用する全てのツールで動作します：

paru -Syu
  ↓
内部でpacmanを呼び出し
  ↓
sudo pacman -S ... (実際の処理)
  ↓
pacman hook実行 ← ここでバージョンチェック
  ↓
5.1.15の場合: exit 1 でブロック
5.1.16以上: exit 0 で続行

このため、paru、yay、pacman全てで同じようにブロックされます。

まとめ

fcitx5 5.1.15にはD-Bus通信の重大なバグがあり、日本語入力が完全に機能しなくなります。

即座の解決策:

paru -S downgrade
sudo downgrade fcitx5
# 5.1.14-1 を選択

長期的な解決策:

  • pacman hookを設定して5.1.15のみをブロック
  • 5.1.16以上は自動的にアップグレードを許可
  • 設定を忘れても問題なし

現在5.1.14で安定動作しており、5.1.16のリリースを待っている状態です。

参考リンク

作成日: 2025-10-26
最終更新: 2025-10-26

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