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Entraの管理者グループをGWSに同期する

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複数のSaaSを利用していると、管理者権限の管理が煩雑になりますよね。
これは、今まで皆さん様々直面してきていて、色々対応してきていると思います。

最近まで、Microsoft 365Google Workspace を同時利用していると、それぞれで管理者権限の設定をユーザー毎に行わなければなりませんでした。
それは以下の制約があったためです。

  • Entra では、管理者ロールは静的グループにしか付与できない
  • 管理者ロールを付与した Microsoft 365 グループにはエイリアスが設定できないため、***@***.onmicrosoft.com のメールアドレスしか付与できない
  • GWSでは、管理者ロールをグループに付与できなかった

平たく言えば、これまでは「Entraの管理者グループをGWSには同期できなかった」のですね。
これが、2023年にリリースされた以下の機能を利用することで、相変わらず直接の同期はできませんが、回避策ができました。

図解するとこうなります。

スクリーンショット 2024-02-20 222620.png

ここからは、実際に上図のとおりグループ同期を構成していきます。

本件は以下の環境を前提とした手順になっています。

  • Entra を IdP とし、Google Workspace を利用していること
  • Entra ID Premium のライセンスがあること

また、Entra のプレビュー機能を利用しているため、今後利用できなくなったり、正式リリース時は手順が一部変更になる可能性があります。

目次

  1. 静的セキュリティグループの作成
  2. 動的M365グループの作成
  3. M365グループの同期設定
  4. Googleグループへの権限設定

1. 静的セキュリティグループの作成

管理者のメンバーを直接登録するグループを作成します。
このグループのメンバーが『Entraの管理者』になります。

(1) セキュリティグループを作成する

Entra ロールの割り当て許可を忘れないようにしましょう。
(あとから変更できません)

yn10_2024-2-20_19.58 (1).png

別に M365グループ にしても問題はないですが、このグループはGWSに同期しませんので、メールアドレスは競合しないようにしましょう。
(どのみち onmicrosoft.com のアドレスしか付与できないのですが←)

(2) 作成したグループにメンバーと役割を設定する

必要に応じ設定しましょう。

(3) 作成したグループのIDを取得する

『オブジェクトID group.objectId』を取得しましょう。
※次項 2.(2) で利用します

yn10_2024-2-20_19.59.png

2. 動的M365グループの作成

1.で作成したセキュリティグループをGWSに同期するためのM365グループを作成します。
このグループのメンバーが、『GWSの管理者』になります。

(1) 動的ユーザーの Microsoft 365 グループを作成する

yn10_2024-2-20_20.00.png

(2) 動的クエリを追加し、保存する

[規則の構文] の [編集] をクリックし、[ルール構文の編集] 画面でクエリを入力し、[OK] → [保存] で追加する。
※記事執筆時点ではプレビュー機能のため、ルールビルダーは属性に対応していないため利用できません

yn10_2024-2-20_20.01.png

手順1.(3)で取得した『オブジェクトID group.objectId』を元に、以下の文字列を作成して入力する。
※『********-****-****-****-************』に『オブジェクトID』が入る

Dynamic users membership rule
user.memberof -any (group.objectId -in ['********-****-****-****-************'])

ちなみに、or句でクエリ条件を追加し、複数のセキュリティグループを指定することも可能です(が、memberof 以外の条件指定は効きません)

yn10_2024-2-20_20.02.png
yn10_2024-2-20_20.02 (1).png

忘れずに [作成] ボタンを押して、グループを作成する。

(3) 作成したグループのプライマリメールアドレスを確認する

onmicrosoft.com ではなく、GWSに同期するドメインとなっていることを確認する。

3. M365グループの同期設定

2.で作成したM365グループをGWSに同期します。

(1) M365グループを同期対象に追加する

エンタープライズアプリケーションでGWSの設定を開き、ユーザーとグループ > [ユーザーまたはグループの追加] から、2.で作成したM365グループを追加する。

(2) 手動同期を行う

プロビジョニング > オンデマンドでプロビジョニング を開き、(1)で設定したグループを選択し、ユーザーをチェックしてから [プロビジョニング] ボタンを押す。
※ユーザーが居ない場合は、セキュリティグループからのメンバー取得が完了していないので、しばらく待ってリトライする

スクリーンショット 2024-02-20 233043.png
スクリーンショット 2024-02-20 233332.png

4. Googleグループへの権限設定

3.で同期されたGoogleグループに管理者ロールを付与します。

(1) 『セキュリティ』ラベルの付与

管理者ロールは『セキュリティグループ』にしか付与できませんので、同期されたグループに『セキュリティ』ラベルを付与します。

yn10_2024-2-20_20.04 (3) - コピー.png
yn10_2024-2-20_20.04 (2) - コピー.png
yn10_2024-2-20_20.04 (3) - コピー - コピー.png

(2) 管理者ロールの付与

セキュリティグループになったことで、管理者ロールを付与できるようにっているので、付与する。
※ただし、特権管理者はユーザーに対してしか付与できないので注意

yn10_2024-2-20_20.06 (1) - コピー.png

 

以上で本手順は完了です。
 

以後は、1.で作成した Entra のセキュリティグループのメンバーを改廃すると、GWS側の管理者ロールも自動付与されるようになります。

やったぜ!!

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