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Power Appsで複数ページのリスト(Gallery)を印刷する方法【前編】

Last updated at Posted at 2025-12-16

はじめに

Power Appsで複数ページにわたるリスト(Gallery)を印刷したいという要件はよく出てきます。
しかし、通常の方法では複数ページのリストの印刷を実現できません。本記事では、その解決策について解説します。

本記事は2部構成です:

  • 【前編】(この記事): Print関数とPDFコントロールの制限について解説
  • 【後編】: PDFコントロールを活用した印刷の実現方法

前編では、なぜ通常の方法では複数ページのリストの印刷ができないのかを解説します。

Print()関数の制限

Power AppsのPrint()関数は、最もシンプルな印刷方法です。

Print()

しかし、3つの制限があります:

制限 内容 複数ページのリストの場合
表示範囲のみ 画面の表示部分のみ印刷 7〜8アイテムのみ
スクロール非対応 スクロール領域は印刷されない 残りのアイテムは印刷されない
複数ページ非対応 1ページに収まらない内容は切り取られる レイアウトが崩れる

具体例

Gallery1.Items = MyCollection  // 複数アイテム
Gallery1.Height = 600  // 画面の高さ600px
Gallery1.TemplateSize = 80  // 各アイテム80px

この設定では、画面に表示されるのは約7〜8アイテムのみです。Print()関数では、この7〜8アイテムしか印刷されず、複数ページのリスト(Gallery)全体を印刷することはできません。

PDFビューアーコントロールの制限

「PDFで出力すればいいのでは?」と思うかもしれません。

Power AppsのPDFビューアーコントロールには、こんな特徴があります:

機能 対応状況
PDF表示 ✅ 可能
ページめくり ✅ 可能
印刷機能 不可

PDF()関数で生成→表示してみる

  • (1) あらかじめ、設定>試験段階の PDF関数 をオンにします。

setting_pdf.png

  • (2) 「PDF生成」ボタンを押下すると、PDFを生成するようにします。

create_pdf.png

// 「PDF生成」ボタンを押下すると、PDFを生成。

Set(GeneratedPDF, PDF(Gallery1, {
    ExpandContainers: true,  // 全アイテムを展開
    Size: "A4"
}))
  • (3) PDFビューアーコントロールに、生成したPDFを設定します。
// PDFビューアーコントロールに、生成したPDFを設定。

PDFViewer1のDocument プロパティに GeneratedPDF を設定します。

これで複数ページのPDFを表示できますが、印刷ボタンがありません

  • 1ページ目を表示

show_pdf1.png

  • 2ページ目を表示

show_pdf2.png

補足:

  • PDFコントロール自体に印刷ボタンはない
  • ブラウザの印刷機能(Ctrl+P)も使えない
  • 表示されたPDFを直接印刷できない

つまり、PDFビューアーコントロールでは、PDFは表示できるのですが、印刷できません。

課題まとめと解決策のヒント

課題

Print()関数
→ 7〜8アイテムのみ印刷 ❌

PDFビューアーコントロール
→ 複数ページのリストを表示できるが、印刷できない ❌

解決策のヒント

解決策は、Power Automateを使用して実現できます。具体的な手順は以下の通りです:

  1. Power AppsのPDF()関数でPDFを生成
  2. 生成したPDFをブラウザで開く
  3. ブラウザの印刷機能で印刷

詳細な実装方法は後編で解説します。

次回予告

後編では、Power Automateを活用した実装方法を解説します。

参考

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