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エンジニア認定基礎試験に向けて 基礎から学びなおすPython3 Day1

Last updated at Posted at 2025-08-26

Qiita技術ブログ (9).png

はじめに

今回は、Pythonの基礎力を証明するPythonエンジニア認定基礎試験について、概要から具体的な学習方法までを整理したいと思います。実務でPythonを使っている方も、これから学習を始める方も、基礎を固めることの重要性、そしてどうすれば効率的に合格できるのかをAIに聞きながらまとめていきます。

Pythonエンジニア認定基礎試験について

Pythonエンジニア認定基礎試験は、Pythonの基本的な文法概念標準ライブラリに関する知識を問う資格試験です。一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が主催しており、Pythonの初心者から中級者までを対象としています。

なぜ今、基礎試験に挑戦するのか
「実務で使っているから、わざわざ資格を取る必要はないのでは」 と思う方もいるかもしれません。しかし、基礎試験に挑戦することには、以下のような大きなメリットがあります。

  • 知識の棚卸しと体系化: 普段、断片的に使っている知識を、試験勉強を通じて体系的に整理できます。これにより、より深い理解が得られ、応用力が身につきます。
  • 基礎力の証明: 資格は、あなたのPythonに関する基礎知識を客観的に証明するものです。転職やキャリアアップの際に、大きなアピールポイントとなります。
  • 学習のモチベーション: 目標があることで、学習に対するモチベーションを維持しやすくなります。

本記事が対象とする読者と学習の進め方
本記事は、以下のような方を対象としています。

これからPythonを学習しようと考えている方

Pythonを独学で学んできたが、知識に抜けがないか確認したい方

Pythonエンジニア認定基礎試験の受験を検討している方(自分)

この記事を参考にしていただき、無理なく、そして効率的に学習を進めていきましょう。

試験の概要と出題範囲

試験形式と合格基準
試験形式: 全国各地のテストセンターで受験するCBT(Computer Based Testing)方式です。

受験料金:1万2千円(税別) 学割6千円(税別)
問題数:40問(すべて選択問題)
合格ライン:正答率70%(700点)
試験時間:75分

https://www.pythonic-exam.com/exam/jissen


上記から一問を約1.8分で解く必要があることがわかります。

問題は四択形式が中心で、プログラミング言語の試験としては比較的取り組みやすい形式です。

公式テキスト「Pythonチュートリアル」の活用法
この試験は、Pythonの公式ドキュメントである 「Pythonチュートリアル」 のバージョン3系を主な出題範囲としています。

  • 公式サイトでの閲覧: オンラインで無料で閲覧できます。
  • 書籍での学習: オライリー・ジャパンから公式テキストが出版されており、体系的な学習に役立ちます。

試験対策としては、Pythonチュートリアルのセクション1からセクション9までを重点的に読み込むことが推奨されます。

重点的に学習すべきトピック

Pythonチュートリアル全体が出題範囲ですが、特に以下のトピックは頻出です。

  • 演算子: +, -, *, /といった基本的な演算子に加え、//(切り捨て除算)、%(剰余)、**(べき乗)など。
  • データ型: 数値型、文字列型、リスト、タプル、辞書、セットといった主要な組み込みデータ型の特性。特に、ミュータブル(変更可能)とイミュータブル(変更不可能)の違いは重要です。
  • 制御構文: if文、for文、while文、continue、break、else節の挙動。

自分を含め、エンジニア歴の長い方でも意外と除算や剰余、べき乗を使ってこなかったケースも多いと思いますので、そのあたりも漏れなく学習する必要がありそうです。(いい機会です!)

Pythonの基礎文法

変数、データ型、演算子

Pythonは動的型付け言語です。変数の宣言時に型を指定する必要がなく、代入される値によって型が決定されます。

Python

x = 10         # 整数型 (int)
y = 3.14       # 浮動小数点型 (float)
name = "Taro"  # 文字列型 (str)
is_active = True # 論理値型 (bool)

演算子も試験では頻出です。特に、is演算子と==演算子の違いはよく問われます。

  • ==: 値が等しいかを比較する。
  • is: オブジェクトが同じメモリを指しているかを比較する。

制御フロー(if文、for文、while文)

制御構文は、プログラムの処理の流れを制御するものです。

  • if文: 条件分岐を行います。elifやelseと組み合わせて使います。
  • for文: シーケンスの要素を一つずつ取り出し、繰り返し処理を行います。range()関数と組み合わせて使うことが多いです。
  • while文: 指定した条件が真である限り、繰り返し処理を行います。

Pythonでは、これらの制御構文の後にelse節を付けることができます。for文のelse節は、ループがbreakで中断されずに完了した場合に実行されます。

Python

for i in range(5):
    if i == 5:
        break
else:
    print("ループは正常に完了しました")

関数とスコープ

関数は、一連の処理をまとめたものです。defキーワードで定義し、returnで値を返します。

Python

def add(x, y):
    return x + y

スコープは、変数が有効な範囲を指します。Pythonのスコープは以下の4つがあります。

L (Local): 関数内で定義された変数。
E (Enclosing): 入れ子になった関数で、外側の関数の変数。
G (Global): ファイル内で定義された変数。
B (Built-in): Pythonに組み込まれた関数や変数。

主要な組み込みデータ型

リスト、タプル、辞書、セット

  • リスト (list): 順序のある、ミュータブル(変更可能)なシーケンスです。[]で定義します。
  • タプル (tuple): 順序のある、イミュータブル(変更不可能)なシーケンスです。()で定義します。
  • 辞書 (dict): 順序なし(Python3.7以降は順序が保証される)、キーと値のペアからなるミュータブルなコレクションです。{}で定義します。
  • セット (set): 順序なし、重複なしのミュータブルなコレクションです。set()関数や{}で定義します。

各データ型の特徴と使い分け

  • リスト: 要素の追加・削除・変更が頻繁に発生する場合に適しています。
  • タプル: データを保護したい場合、または関数の戻り値のように要素を変更しない場合に適しています。
  • 辞書: 特定のキーから値を素早く検索したい場合に最適です。
  • セット: 重複を排除したい場合や、集合演算(和集合、積集合など)を行いたい場合に役立ちます。

データ構造を効率的に操作するテクニック

  • スライシング: my_list[start:end:step] という形式で、リストやタプルの特定の部分を取り出すことができます。

  • リスト内包表記: 簡潔にリストを生成できます。

Python

squares = [x**2 for x in range(10)]
  • タプルアンパッキング: タプルの要素を変数に一度に代入できます。
Python

x, y, z = (1, 2, 3)

モジュールとパッケージ

モジュールとパッケージの概念

  • モジュール: *.pyという拡張子を持つ、Pythonコードの単一のファイルです。
  • パッケージ: モジュールやサブパッケージを階層的に管理するためのディレクトリです。

import文の基本と応用

import文を使って、他のモジュールやパッケージの機能を利用できます。

  • 基本: import math
  • 別名: import math as m
  • 特定機能のインポート: from math import pi, sqrt

標準ライブラリの活用

Pythonは豊富な標準ライブラリを提供しています。これらはPythonチュートリアルのセクション9で解説されています。

  • os: オペレーティングシステムとのやり取り(ファイル操作、ディレクトリ操作など)。
  • sys: Pythonインタプリタやシステムに関する情報へのアクセス。
  • math: 数学関数。
  • random: 乱数生成。
  • datetime: 日付と時刻の操作。

試験対策と模擬問題

学習の効率を高めるための勉強法

公式テキストを熟読: まずは「Pythonチュートリアル」のセクション1〜9を丁寧に読み込み、基本的な知識を定着させます。

  • 写経と実践: 読みっぱなしにせず、サンプルコードを実際に自分で打ち込み、動作を確認します。
  • 問題演習: 公式サイトや学習サイトで提供されている模擬問題を繰り返し解き、出題形式に慣れます。

模擬問題の活用と解説

模擬問題は、本番の試験形式に慣れるだけでなく、自分の弱点を見つけるためにも非常に有効です。

問題例: 以下のコードの出力結果を答えなさい。

Python

x = [1, 2, 3]
y = x
x[0] = 99
print(y)

解説: 正解は[99, 2, 3]です。これは、リストがミュータブルなデータ型であり、y = xという代入は、yがxと同じリストオブジェクトを指すことになります。xの要素を変更すると、yからもその変更が見えるためです。

よくある間違いと注意点

  • ミュータブル vs イミュータブル: リストや辞書(ミュータブル)と、タプルや文字列(イミュータブル)の違いをしっかり理解しておく必要があります。
  • スコープ: グローバル変数とローカル変数の挙動の違いを把握しましょう。

まとめと次のステップ

試験合格後の学習ロードマップ
試験に合格したら、次は以下のステップに進むことが考えられます。

  • Pythonエンジニア認定データ分析試験: データ分析に特化した試験で、PandasやNumPyなどのライブラリ知識が問われます。
  • Web開発: DjangoやFlaskなどのフレームワークを学習し、Webアプリケーションを開発してみる。
  • 機械学習: TensorFlowやPyTorchなどのライブラリを使い、AI開発に挑戦してみる。

Pythonエンジニアとしてのキャリアパス

Pythonは、Web開発、データサイエンス、機械学習、自動化スクリプト、バックエンド開発など、幅広い分野で使われています。基礎試験で得た知識を土台に、興味のある分野に特化してスキルを磨いていくことで、あなたのキャリアパスは大きく広がります。

コミュニティへの参加と情報収集の重要性

QiitaやTwitter、そしてPythonの公式コミュニティは、新しい知識やトレンドを学ぶ上で非常に貴重な情報源です。積極的にコミュニティに参加し、他のエンジニアと交流することで、あなたの技術力はさらに向上するでしょう。

この記事が、皆さんのPythonエンジニア認定基礎試験合格、そしてその後のキャリア形成の一助となれば幸いです。

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