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Google Antigravityはオフショア開発を代替するのか?

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■ 実際にChrome拡張を改修して感じた“速度と可能性”

以前ChatGPTでChromeブラウザ拡張機能のストップウォッチ付きのTODOリストを作成しました。
このTODOリストで、タグ機能が欲しいなぁと思ったので、Google Antigravityを試してみました。

また、私はこれまで中国・フィリピン・ベトナムのオフショア開発拠点と協働してきた経験があります。その立場から、今回感じたのは「安さだけを求めた低品質のオフショア開発領域はAIが確実に置き換えていくだろう」という実感と、また同時に「(日本人と同等・もしくは少し高い位の)Technical Leaderと呼ばれる程度のオフショアメンバーには敵わない」という強い実感でした。

本記事では、Google Antigravity を使った感想と、オフショア開発が置き換わってしまうのかについて記載していきたいと思います。

あくまで私の仕事柄オフショアメンバーと比較しているのであって、正直日本人もオフショア先も変わらないと思っています。
ある一定以下の人はどんどんAIと置き換わっていって、一定以上の人には置き換わらないかと。


■ 最初の5分で「これは確実に変わる」と感じた

Google Antigravityに最初に依頼したのは、ごくシンプルな要件でした。

「TODO の各タスクにタグ付けできるようにしてほしい」

これを Antigravity に伝えると、数分で実装が完了しました。
しかも一発目から不具合もなく、こちらの期待通りに動作しています。

“速い”を超えて、ある種の恐怖すら覚える完成度でした。

オフショア開発先でも、驚くぐらい早く実装を完了してくれることはありますが、この速さには敵わないなと感じました。


■ UI 改善を依頼した瞬間、難しさも見えてきた

続いて、「タグで絞り込みできる UI を追加してほしい」と依頼しました。

すると、返ってきた UI は非常にプレーンで、

  • +アイコン
  • “Filter” と書かれた a タグリンク

という、最低限の表現に留まるものでした。
その後、何度か改善を依頼しましたが、大きな変化はありませんでした。

さらに問題だったのは、CSS を大幅に削除してしまい、TODO リスト全体のレイアウトが壊れてしまった点です。
コードを確認すると、明らかに削除しすぎていました。

ただ、「Style シートを削除しすぎていませんか?確認して修正してください」と伝えたところ、これは一発で修正されました。
しかも後回しにしようと思っていた細かなレイアウトの乱れまでまとめて修正されており、対応力の高さを感じました。

このような大幅な削除をオフショア開発先でされたことは、私は一度だけありました。
オフショアメンバーに話を聞いてみるとコンフリクトしたから削除しただけと言われて、なかなか理解に苦しんだ思い出があります。
なかなか安価なオフショアベンダーだったのですが、このほかにも品質問題は多発していたので、別のオフショアベンダーに切り替えました。
安価なオフショアベンダーだったから問題があるのか、その会社だけの問題なのか、もしくはそのプロジェクトにアサインされたメンバーだけの問題なのか、はたまた全くべつの問題なのかはわかりませんが、私の経験上、ソースコードを大幅に削除してくるようなベンダーは1社だけでした。


■ モックを10個作らせたら、急にデザイン品質が向上した

Styleシートの修正は完了したのですが、レイアウトは+アイコン “Filter” と書かれた a タグリンクのままで、一向に改善しませんでした。
そこで「絞り込み UI の具体案を10個、別ファイルで提案してほしい」と依頼すると、
そこでは一気に質が向上しました。

比較的センスのある UI 案が並び、その中から 1 つを選び、

「この UI(5番目)を実際の TODO に実装してください」

と伝えて実装してもらいました。

ただ、ここでも CSS や HTML の削除しすぎが再発し、こちらで都度指摘を行う必要がありました。
修正依頼には素直に応じてくれるものの、HTML 周りにはまだ不安定さが残っている印象です。


■ 不思議なことに、JavaScript だけは安定していた

HTML と CSS の削除ミスが複数回あった一方で、JavaScript に関しては非常に安定しており、一度も壊れるような修正はありませんでした。
ロジック生成や既存コードへの差分適用は、かなりの精度で行えていると感じます。


■ 速度の比較:5分〜数時間 vs 1〜2日

今回の作業時間をざっくり比較すると、以下の通りです。

項目 Google Antigravity オフショア開発
初回実装 + 最終系まで 約5分 + 数時間 1〜2日(仕様書→説明→質問→実装→修正)
UI 改修(うまくいかない場合) 数時間 (改修が明確であればうまくいかないことはあまりない)

単純な機能追加やスタイル微修正といった “小さなタスク”は、AI の方が圧倒的に速い と感じました。


■ マーケティングページを依頼したら、一発で形になった

最後に試したのが、マーケティング用の紹介ページです。

「今まで修正していた拡張機能のマーケティングページを作ってください」

と依頼すると、こちら(↓)のページを一発で生成してくれました。

https://t-okb-dev.github.io/StopwatchTODO/index.html

文章には AI っぽさが残るものの、
仕様の文脈を踏まえてページとして成立させてくる点は圧巻でした。
本職のデザイナーには及ばないものの、ゼロからここまで作るスピードは非常に高いと感じています。

設計資料や説明資料も、同じアプローチで生成できそうで、将来的な活用の幅を感じました。


■ AI はオフショア開発を置き換えるのか?

私はこれまでオフショアのメンバーに作業を依頼する立場でしたが、今回の体験を通して、

一定の領域は確実に AI が代替する

と強く感じました。

具体的には、

  • 小さな改修
  • 単純な UI 実装
  • 既存仕様に沿ったロジック追加
  • 文章からデザインを起こす軽量タスク

こういった作業は、Antigravity の方が速く、コストもほぼゼロです。

一方で、複雑な仕様の検討や、要件の抽象化・判断が必要な領域はまだ人間の力が必要です。


■ これからの開発体制はどう変わるか

私の感覚では、次のような分担に近づいていくと思います。

  • 0〜7割:AI

    • ベース作成、単純実装、軽い修正、資料生成
  • 7〜9割:ジェネラリスト(幅広く対応できるエンジニア)

    • AI が苦手な部分の補完
    • 正しい方向へ微調整する作業
  • 9〜10割:スペシャリスト

    • 高度な設計
    • 難易度の高い処理
    • アーキテクチャ判断

そして、
言われたことしかできない作業者は、今後急速に役割が縮小していく
という印象も持っています。


■ まとめ:AI とオフショアは共存するが、役割は確実に変わる

Google Antigravity を使いながら拡張機能を改修した今回の経験から、

  • 実装速度は AI が圧倒的に速い
  • “曖昧さを含む領域”はまだ改善の余地がある
  • AIが間違ったソースコードを書いてしまうような指示でも理解できる(相手の意図を汲み取ることができる)人が重宝される
  • AI とジェネラリスト、スペシャリストが連携する体制が現実的で、調整する人はまだまだ介在する

と思いました。

今回は HTML + CSS + JS という比較的シンプルな環境での検証でしたが、
今後他の技術スタックでどう進化していくのか、非常に楽しみです。

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