私は事業会社のデータ分析屋を数年間やっています。そこで、大切にしていることをブレストして整理してみました。
はじめに結論
データ分析屋は、正しさとユーザ目線が成果と信頼に繋がる仕事だと思った。
背景
私は事業会社のデータ分析屋を数年やっていますが、そこで自分が意識的に・無意識に大切にしているコンセプチュアルな事項を整理してみました。(もちろん、つねに100%全てを実践できているわけではないですが・・・)
データサイエンティスト駆け出しの人や、同業者などが対象読者です。「共感した」や「自分はこう」みたいなコメントがあれば、残していただけると幸いです。
ブレストにClaude Codeを使いました。ありがとう。
事業会社のデータ分析屋について
事業会社のデータ分析屋は、本業をデータで助ける仕事です。本業の企画・開発・サポートなどの部署が困っていたら、データを分析して解決につなげます。
インハウスだと、コンサルなどの分析専門家と違い、現場に近いという特徴があります。
そのため、スピード感が求められ、短納期・比較的低難易度の案件が多い印象です。その分、仕事の成果が目に見えやすいかなと思います。
一方、本業に関する幅広い知識(ドメイン知識)が必要です。また、本業を行っている部署に異動の可能性もあります。
大切にしてること
1. 正しさを重視する
当たり前ですが、何より重要なのは「正しさ」です。
正しいデータと解釈で事業を正しい方向に導くのが、データ分析屋の仕事です。嘘をつかないことはもちろん、ちょっとした前処理のミスや解釈誤りが、本業の失敗や信頼低下につながります。
データの正しさをチェックするのに重要なのがドメイン知識です。本業に関する深い知識があれば、データの違和感にいち早く気づくことができますし、もし「本業に都合の悪い分析結果」だと気付いたときにも、早めに情報提供・軌道修正できます。
都合の悪いことに気付かなかったり隠したりすると、軌道修正が遅れて問題が拡大します。
データの正しさを保証する方法として、締切の2日前に分析を完了させるというコツがあります。
「人間はプロセスに近い立場にいると、モノゴトを正しく評価できない」という特性があります(これはリーダーシップの本で出てきました)。データ分析の仕事も、アウトプットは一晩寝かせて次の日に確認することで、客観的に眺めることができます。
さらに、正しさにこだわるためには、データの分析力に加えて、バイアスや認知的不協和に関する知識が必要かも・・・と最近思ってきました・・・
2. ユーザ目線
事業会社という本業に近い立場では、ユーザ目線も必要です。ここでユーザとは、社内の分析結果を受け取る人と、エンドユーザの両方です。ユーザ目線では、次の3つのことを意識しています。
スピードと質(社内向け)
事業会社のデータ分析は、複雑で高度な結果より、単純で分かりやすく早い結果が求められることが多いです。
「良い感じにやってほしい」と言われた場合は、アジャイル的に質を向上させていくイメージで、なるべく早く「たたき台」のようにアウトプットを出すと良いです。
もちろん、その最初のたたき台の質が高いほど、最終的な成果の質も高くなります。(最初に質の高いアウトプットを出せ、は矛盾していることですが、、仕事はスピードという制約の中で質をできるだけ高めるスポーツと認識しています)
ドメイン知識(社内向け)
本業へのデータでの貢献を考えたときに、ドメイン知識はあればあるほど良いです。
各種勉強会などには、なるべく全て参加して、「本業」の視点を身につけるようにしています。
本業の視点があれば、オチを見通してデータ分析に取り掛かることができるため、仕事の見通しを立てやすいです。
また、分析結果について追加の軽い分析を行い示唆を出したり、不都合なデータ分析結果が出たときも代替案を提示するなど、付加価値を付けることができるようになります。
行動につなげる(社内向け)
データ分析の依頼には「背景」があり、アウトプットには「行動」が続いているはずです。そこで私は、必ず、行動に繋げやすい、分かりやすいアウトプットをするようにしています。
Excelのデフォルトの見にくいグラフ(色が分かりにくい/目盛りが細かすぎる)では、結果を解釈するのに時間がかかります。なるべく見やすく表現することで、受け取る側の理解の時間を短縮し、意思決定につなげやすくします。
ただ「データの表現」はいくらでも恣意的にできるため、技術が必要な部分かなと思います。私は「伝わるデザインの基本」の内容を実践するようにしています。
また、相手が使っている管理簿の形式にアウトプットを合わせるなど、受け取る側の違和感を徹底的に排除することで「行動につながりやすいアウトプット」になります。
さらに、「背景は本当に正しいか?」や「他にどんな行動が取りうるか?」といった内容も視野に入れながら行動すると良いでしょう。
ただ、これは本業の人の方が詳しく、ハルシネーションの激しいAIのように的外れになることもありえるため、よく考えてから発信しましょう。
エンドユーザへの影響
(これは技術系あるあるかもですが・・・)データ分析屋は基本的に社内の人としか話す機会がないです。しかし、事業会社はエンドユーザ(お客さま)にサービスを提供し対価を受け取るすることで売上を挙げています。
机上のデータを駆使して、「現在、エンドユーザはどういう状態か?」「この分析結果がどういう施策につながり、どういう影響をエンドユーザにもたらすか?」を想像することが重要です。
最後に
綺麗事を唱えるのは簡単ですが、実践するには気力が必要です。
大切だと思うことにこだわって、がんばっていきましょう。