はじめに
AZ-104 に合格したので、感想や気を付けたことを残します。
もしも機会があればどなたかの役に立てばと思い、勉強方法について共有してみようと思います。
※誤りありましたら、ご指摘いただけますと幸いです。
経歴
2024年4月よりアプリケーションエンジニアをしています。
バックエンド・フロントエンドのアプリケーションレイヤーでの開発が中心でしたが、新たな案件で Azure を触ることになり、インフラ構成の素養も求められることになったことから、受験を決めました。
これまでの取得資格は下記です。インフラ系資格は初挑戦でした。
- 基本情報技術者試験(2023年11月)
- Java Silver 17(2024年8月)
- Oracle DBA Silver(2024年12月)
AZ-104 とは
AZ-104は正式名称を Azure Administrator Associate といい、Microsoft Azure に関する認定資格になります。
区分としては下記のようになっており、AZ-104 は ASSOCIATE 資格で、レベルは中級程度となっています。
試験概要は下記になります。
| 制限時間 | 100~120分? |
| 問題数 | 50問程度 |
| 合格正答率 | 70% |
私の受験した問題の比率ですが、
- 通常問題:39問
- 2択問題(はい、いいえで回答):6問 ※見直し不可
- ケーススタディ:4問
の計49問でした。
3のケーススタディ問題に進むと、1の通常問題の見直しが不可になりますので注意してください。
出題範囲は下記です。
- Azure アイデンティティおよびガバナンスの管理 (15-20%)
- ストレージの作成と管理 (15-20%)
- Azure 計算資源の展開と管理 (20-25%)
- 仮想ネットワークの構成と管理 (25-30%)
- Azure 資源の監視とバックアップ (10-15%)
他の受験者の方の記事には試験時間が 120分 という情報が多かったのですが、本番は 100分 でした。
問題数は49問であったため、問題数によって変わるのかもしれませんが、そこまで時間に追われるような試験でもないのでここでの深堀りはしません。
なんで AZ-104 なの?
似たレベルの Microsoft 認定資格として、AZ-204(Developing Solutions for Microsoft Azure) がありますが、こちらはアプリケーション開発者向けの資格になっています。
一方で AZ-104 は管理者向け資格になっており、インフラ実装・運用・監視寄りの資格になっています。
現在の担当業務を考えたときに、アクセス管理やインフラ設計に関する部分が求められることから、今回は AZ-104 を選択しました。
また、インフラレイヤーに関しては座学での勉強がメインで、インフラ実装経験がほぼ無いことから、AZ-900 からの受験も考えましたが、基礎資格程度の知識はあるだろうと判断し、中級資格から受験を決めました。
使用教材
まず、使用した教材は下記です。
参考書
(模擬問題付き)徹底攻略 Microsoft Azure Administrator教科書[AZ-104]対応 第2版
流しで1周、じっくり読み込みにもう1周の計2周をしました。
非常に分かりやすくまとめられており、試験範囲の各項目でどのようなことが問われるのか、全体像の理解に使用しましたが、正直参考書のみでの合格は難しいかと思います。
Udemy
受講生30万講師のAZ-104: Microsoft Azure Administrator模擬試験問題集(400問)
こちらは本番同様の模擬試験を受験できるとのことで、参考書を読んだ後の実践の学習に使用しました。
他の合格者の方からも非常に評価が高く、実際に本番でも似た問題が2~3割ほど出題されました。
かなりオススメです。
MS Learn
Microsoft Learn(Ms Learn)
Microsoft が公式に提供している無料の学習プラットフォームです。
試験本番では、MS Learnの参照が可能なので、これを使用しながらの学習に慣れた方がいいです。
また、MS Learnの AZ-104 ページに存在する知識を評価するというリンクからも、模擬試験のようなものが受験できます。
ここからも数問似た問題が出題されたので、解いておいた方がいいです。
勉強
受験までの期間は約1カ月半程度でした。
平日1~2時間、休日に2~3時間程度の学習を進め、最後の追い込み期間1週間は毎日3~4時間学習していたと思います。
順番としては参考書→模擬試験という流れですが、体感7割ぐらいは模擬試験解いていました。
参考書ですが、500ページ以上あり分厚いので、スマホから学習できるように、Notion に要点をすべてまとめました。
続いて模擬試験について、使用教材で記載した Udemy の模擬試験ですが、計80問 × 5回あり、全て2周しました。
参考書を2周した後の1周目ですが、下記のように散々な結果でした。
| 第1回 | 53% |
| 第2回 | 65% |
| 第3回 | 70% |
| 第4回 | 62% |
| 第5回 | 48% |
模擬試験の肝はやはり振り返りですから、毎回受験後に振り返りしてもなお、合格点に到達できたのは1度のみでした。(しかもギリギリ)
本番と比較すると確かに若干難しい印象であったのと、参考書で学んでいないサービス(Azure Import/Export、Azure Migrate等)がバンバン出題されるので、これは仕方なしと切り替えて、下記のようにNotion にひたすらポイントをまとめました。

※最終的に完成した Notion ですが、単語数が 15,219文字 となり、スマホから開くと度々重くなりスクロールできなくなる超大作となりました、、、
膨大な情報量となった Myチートシート(Notion) を読み込み、模擬試験2周目に臨みました。結果は下記です。
| 第1回 | 90% |
| 第2回 | 91% |
| 第3回 | 93% |
| 第4回 | 93% |
| 第5回 | 91% |
全て9割越えになりました。
最後の5回目を解いたのが受験前日でしたが、他の方の合格体験記を見る限りだと8割ぐらい解ければ OK と書かれていたので、いけるかな?と手応えを感じておりました。
実際の本番ですが、スコアは 83% 程でした。
危なげなく合格できました。
受験本番
近くのテストセンターで受験しました。
受付では顔写真の撮影や試験の説明等を受け、受験が始まります。
受験会場では1枚のメモ用紙が配られるので、メモしながら回答することも可能です。私は使用しませんでした。
会場によるかもしれませんが、私の受験会場には環境音対策に各席にヘッドフォンがあり、希望すれば耳栓なんかももらえるみたいです。
合格結果は受験後すぐにPCに表示されます。
試験終了後は受付で受験サインをし、スコアレポートを受け取って終了です。
気を付けること
受験した上で感じた気を付けた方がいいことを下記にまとめます。
あくまで個人の感想にはなるので、その上で参考にしていただければ幸いです。
範囲が広いので体系的にまとめる
AZ-104 ですが、受験された方々からは、中級試験ではあるものの難易度は高め、という意見が散見されました。
その要因が、この試験範囲の広さにあると思います。
ただでさえ Azure のサービスは多岐にわたりますが、その中で、権限周り、ストレージ、仮想マシン、ネットワーク、監視等々、これらの分野と各サービスを紐づける必要があります。
なので、Azure 内での各サービスの立ち位置を明確にすることが非常に重要だと感じました。
例えば負荷分散サービスとして、Load Balancer、Application Gateway、Traffic Manager等々、様々あるわけですが、これらは負荷分散を行うものだとラベリングし、このようなラベルをどんどん増やしていきます。
また、私は1か所に情報がまとまっている虎の巻的なものが欲しかったので Notion にまとめましたが、必要に応じてそういったものを作成するのもアリかと思います。
模擬試験は暗記すればいいわけではない
これも非常に大事ですね。
確かに模擬試験の問題と答えを暗記するだけでも十分効果はあるかと思うんですが、アレンジされた場合に手詰まりになるので、
この問題に対する選択肢はこれ、なぜならこうだから
というように理由までセットで述べられるように学習しました。
実際に本番には、全く同様の問題が出るわけではないので、丸暗記は若干リスキーかと思います。
(反省)Ms Learnに頼っていい
これは反省なのですが、私はあまりMs Learnを使用しませんでした。
問題を見て、意外とスラスラ解けたので、蓄えた知識のみで解こうとしてしまったのですが、試験概要にて記載した通り、二者択一問題は見直しができません。
この二者択一問題では、6問全てRBAC、Entra ID ロールの組み込みロールに関する問題が出題されたのですが、あろうことか初見の組み込みロールを勘で解いてしまいました。
組み込みロールは Ms Learn にすべてまとめられているわけですから、正しく MS Learn を参照すべきなんですが、見直しはできません。
4問目から気付き、調べながら解きましたが、たぶん3問全て間違ってる気がしたので、もしもこのミスで不合格だったら悔やむに悔やみきれません。
皆さんはどうか、MsLearn に頼るところは頼って、悔いなく受験してください。。。
まとめ
AZ-104ですが、Azure の各サービスを網羅的に学べたので非常に良い勉強になりました。
ですが、じゃあ一から設計・構築できるかというと、そうではないので、やっぱ実務での経験は非常に重要です。
しかし、AZ-104 で得た知識があると、その実務に際しての吸収力はだいぶ変わると思います。
私と似たような境遇の方はぜひおすすめできる資格かと思いました。
少しでも興味があれば受験してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
