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1. はじめに

GoogleログインのようなOAuth2.0サービスを利用すると、ログインやユーザー登録が簡単になります。その一方で、外部サービスに依存してしまうために、統合テストやE2Eテストの自動化が難しくなってしまいます。

そこで、モックサーバーを作って、テストを簡略化することを試みました。今回は作成したモックサーバーの紹介をしたいと思います。

モックサーバーのコード

ここに置いてあります。
言語: Rust
フレームワーク: Axum

Googleログインはモックできました。その他のサービスは検証していません。

2. OAuth2.0の仕組み

はじめに、OAuth2.0の仕組みについてまとめます。OAuth2.0とは、あるサービスが保有するユーザー情報を外部サービスに提供するための方法です。以下では、ユーザー情報を保有するサービスを「リソースサービス」、外部サービスを「クライアントサービス」と呼ぶことにします。リソースサービスから提供されたユーザー情報を使って、クライアントサービスはログインなどの処理を行います。

全体の流れを図示すると、以下の図のようになります。

スクリーンショット 2023-12-18 230836.png

登場人物の具体例を挙げると、

  • ユーザー=あなた
  • リソースサービス = Google
  • クライアントサービス = Qiita

となります。


次に、図の各ステップで何をしているかを説明します。

① ユーザーはOAuth2.0を使ったログインをしたいと、クライアントサービスに要求します

② クライアントサービスは、ユーザーに情報の提供を承認してもらう必要があります。そこで、リソースサービスの承認用URLを送ってリダイレクトしてもらいます。この時、後々クライアントサービスに戻ってくるために、コールバックURLも用意しておきます。

③ ユーザーはリソースサービスにログインして、承認をします。

④ リソースサービスは承認を受け付けると、認可コードをユーザーに送り返します。

⑤ さらに、ユーザーは認可コードをクライアントサービスに送ります。

⑥ クライアントサービスは、認可コードとあらかじめ保有していた認証情報をリソースサービスに送って、ユーザー情報取得APIを利用するためのアクセストークンを要求します。

⑦ リソースサービスはアクセストークンを返却します。

⑧ クライアントサービスはアクセストークンを使ってユーザー情報取得APIを叩きます。

⑨ リソースサービスはユーザー情報を返却します。

3. モックサーバーの概要

以下の図のようなログインページを用意して、入力された名前とメールアドレスをユーザー情報としてそのまま返すモックサーバーを作成しました。
login-page.png

作成したエンドポイントは次の4つです。

  • GET /login
    ログインページを返します。クエリパラメータとしてリダイレクトURLも受け取って、セッションに保存しておきます。(③ ・④ に対応)
  • POST /login
    ログインボタンを押すと、このエンドポイントにリクエストを飛ばします。リクエストを受け取ると、ランダムな認可コードを発行し、認可コードをKEYとしてユーザー名とメールをハッシュに挿入します。(③ ・④ に対応)
  • POST /token
    認可コードを受け取って、アクセストークンを返します。このモックでは、認可コードをアクセストークンとしてそのまま返します。(⑥・⑦ に対応)
  • GET /info
    アクセストークンを受け取って、ハッシュから対応するユーザー名とメールを検索して返します。(⑧・⑨ に対応)

4. 最後に

自動テストツールでGoogleログインを実行しようとすると、ブロックされてしまいます。この問題に対処するために、今回のモックサーバーを作成しました。同じような問題に苦しんでいる人の参考になれば幸いです。

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