はじめに
IBM Maximo 7.6.xシリーズの基本サポートが、2025年9月30日に終了し、後継製品であるIBM MASをご利用の方々も多いのではないでしょうか。
本記事ではMASオンプレミス版をご利用している際に必要となるバージョンアップの方法を説明していきたいと思います。
前提条件
今回はMAS9.0から9.1へアップグレードする際の手順や注意点について説明いたします。
お使いのMASバージョンやOpenShiftバージョンによってコマンドなどが変更になっていることがありますので、ご注意ください。
MASのアップグレード方法
MASにおけるアップグレードとは、稼働しているOpenShift上で新しいサブスクリプション・チャネル(※1)に切り替えることを指します。
MASをアップグレードする方法は2つあります。
1.OpenShiftコンソール上からサブスクリプション・チャネルを変更する
2.静的カタログを利用する
ここでは簡単に実行できる1.OpenShiftコンソール上からサブスクリプション・チャネルを変更する方法についてご説明いたします。
※1 サブスクリプション・チャネル
OpenShiftにおける「サブスクリプションチャネル」は、クラスター本体やその上で稼働する拡張機能(Operator)の更新バージョン(提供ストリーム)を選択・管理するための仕組みです。
サブスクリプション・チャネルの変更方法について
OpenShift上で管理しているオペレーターのサブスクリプション・チャネルの変更方法についてご説明いたします。
尚、オペレーターの更新の承認方法については、Automatic(自動承認)、Manual(手動承認)を選択することができます。Automaticを選択している場合、自動で更新されますのでご注意ください。
Operatorからインストール済みのOperatorを開きます。
IBM Maximo Application Suiteを選択し、Subcriptionのタブを開くと、現在のチャネル、更新の承認手順などが確認できます。

更新自体は更新チャネルの右側にある鉛筆アイコンを押下することで、更新先のチャネルを選択することで実行されます。
※この際に承認手順がAutomaticになっていると自動で承認処理が走り更新が実行されます。
手動になっている際は承認をしない限り更新は実行されません。

OpenShiftコンソールを利用した手順はこれだけですが、実際に実施する際の注意点を見てみたいと思います。
アップグレードの注意点
まずシステム的な制約を確認します。
MASでは、n-1ルールと呼ばれるアップグレードポリシーがあります。これは、1つ前のバージョンからしかアップグレードをサポートしていないことを指しています。
今回の例の用の様に9.0から9.1はサポート対象となりますが、9.0から9.2へアップグレードする際は、一度9.1にアップグレードしてから9.2にアップグレードすることになります。
https://www.ibm.com/docs/ja/masv-and-l/cd?topic=upgrading-maximo-application-suite-versions
次にMASが動くOpenShiftのバージョンを確認する必要があります。
対象のバージョンが動くOpenShiftのバージョンが決まっているために、アップグレードするバージョンのOpenShiftになっているか事前に確認する必要があります。
基本的にはこのOpenShiftのバージョンを合わせた後にMAS自体のアップグレードをする必要があります。
OpenShiftの更新については以下、公式ドキュメントをご参照ください。
※OpenShiftの更新もGUIから操作していただくことが可能です。
https://docs.redhat.com/ja/documentation/openshift_container_platform/4.8/html-single/updating_clusters/index
最後にデータベースのバックアップについてです。
アップグレードを実施する際には念のためデータベースのバックアップを取得するようにしてください。Manage利用時にはどのDBを利用しているか確認のうえ、データベースのバックアップを取得します。
Db2系、Oracle、SQL Serverでバックアップの取得方法が変わるため、それぞれご確認ください。
終わりに
今回はオンプレミス版をご利用の場合のMASアップグレード手順をご説明いたしました。
CLIを利用した方法もありますが、GUIを操作できる環境の場合はこちらの方が作業は簡潔だと思います。
バックアップなど事前に実施することはCLI、GUIどちらの方法でも同じなのでCLIで実施する際にもご参考にしていただけますと幸いです。