この記事は インフォマティカ Advent Calender 2025 Day 9 の記事として書かれています。
はじめに
Informatica の Master Data Management (MDM) SaaS でジョブを実行する方法は下記があります。
- Business 360 Console から手動で実行する
- ジョブスケジュールを作成し、スケジュール実行を行う
- REST API で実行する
Business 360 Console を使用せずに外部からジョブを実行する方法として、Job instance API が提供されています。しかし、Job instance API は「受信(Ingress)」、「送信(Egress)」等のジョブを実行することは可能ですが、「マージタスクの生成(Generate Merge Tasks)」には対応していません。
Business 360 REST API Reference の「Running MDM SaaS jobs through managed APIs」では、管理対象 API を作成して MDM SaaS のジョブを実行可能であると記載されています(ドキュメントの参照には Informatica Community へのログインが必要です)。
この記事では、CAI の管理対象 API を使用することで「マージタスクの生成」ジョブを外部から実行するための設定手順を紹介します。
前提
Business 360 Console で「マージタスクの生成」ジョブが作成されていること。
今回は下記のジョブが作成されていることとします。

設定
- Intelligent Data Management Cloud (IDMC) へログインし、「APIセンター」画面を開きます。
- 「新規」-「REST API」を選択します。
- 「API名」、「プロジェクト」を指定し、「インポート」を押下します。
- 「ソース」で「IDMCサービス」、「プロバイダ」で「アプリケーション統合」を選択し、次へ進みます。
- 「サービス名」で「MDMGenerateMergeTasks」を選択し、次へ進みます。
- 「インポート」を押下します。
- 「ポリシー」-「セキュリティ」を選択し、認証方法を設定します。
- API を保存し、パブリッシュします。
- 画面左側のメニューから「APIコンソール」を選択し、「パブリッシュ済みAPI」タブを選択した画面で、上記APIのミートボールメニューから「管理対象APIの作成」を選択します。
- 「管理対象API名」と「URLコンテキスト」を指定して保存します。
- 「APIコンソール」画面で「管理対象API」タブを選択し、上記管理対象APIのミートボールメニューから「管理対象APIのアクティブ化」を選択します。
実行
上記で作成した API でジョブを実行してみましょう。
API コンソールで「管理対象API名」の表示を拡張し、「操作名」のレコードに表示されているAPIエンドポイントURLをコピーします(赤枠のアイコンをクリックしてコピー可能です)。

コピーした URL を使用してジョブを実行します。
Header では IDS-SESSION-ID でセッション ID を指定します。
Body では jobDefinisionId でジョブの ID を、runtimeParameters で MODEL_VERSION を指定します。
MODEL_VERSION については Business 360 REST API Reference の「Request header」を参照してください(ドキュメントの参照には Informatica Community へのログインが必要です)。

Business 360 Console の「マイジョブ」から、上記レスポンスで確認できるジョブインスタンスID でジョブが実行されていることが確認できます。

Job instance API でジョブインスタンス ID を指定し、ジョブの情報を取得することも可能です。

終わりに
上記手順で「一致とマージのジョブは REST API で実行出来るのに、その結果として実行したいマージタスクの生成はできないのか」というもやもやが解消されます。外部からマージタスクの生成ジョブを実行することを検討されている場合にはぜひお試しください。