わたくし、QA職について10年近く経つ者です。
たくさんの若者とお仕事をしてきましたが、QAとしてのキャリアの伸ばし方がわからず、戸惑っている人をそれなりに見てきました。
QAとしての成長ルート(「年収の上げ方」と言っても良いかも)は、ある程度、筋道があると思ってまして、キャリアに迷う若者の参考になればと思い、アドベントカレンダーに投稿するのでした。
5つのスキル
QAスキルを伸ばすなら、下記のスキルを習得する必要があると思います。下記1~5、順不同で習得しても良いですが、1から順番に習得していくと、無理なくステップアップできる気がします。
1.ドメイン知識
2.ソフトウェアテスト
3.開発知識
4.リーダシップ
5.マネジメント
ドメイン知識
ざっくりいえば、「 サービスに対する知識」です。
ソフトウェアテストという仕事は、ユーザと同じだけのサービス知識(=ドメイン知識)さえあれば、そこそこ仕事ができます(QAという仕事の間口の広さの理由でもあります)。QA未経験の方は、まずはドメイン知識を覚えると良いでしょう。
サービスそのものに詳しくなったり、類似サービスや業界のことに詳しくなると、業務の質や速度で、他の人と差をつけることができると思います。
- 伸ばし方
- サービスを隅々まで触る
- 類似のサービスを触る
- ゲームであれば攻略サイトなどを見る
- バグチケットを読み漁る
ソフトウェアテスト
「QAの先人が積み上げてきたノウハウ」と言い換えても良いでしょう。 より効率よく、より柔軟に、より高度に業務を行うためには、ソフトウェアテストの知識が必要です。
- 伸ばし方
- インプットを行う(本を読む、セミナーに参加する、勉強会に参加する)
- アウトプットを行う(ドクベに書く、ブログに書く、セミナーで登壇する、など)
- 資格勉強をする(JSTQBとか)
開発知識
ゲームなりWebサービスなりが、どのように作られているかを知ることです。エンジニア、プランナー、ディレクター、デザイナーが、どんな技術やツールを使って、どんなフローで、どのような成果物を作っているのかを知ることは、上流からのQAを行う上で必要な知識となるでしょう。
ざっくり知っておくだけで良くて、できる必要はありません。
- 伸ばし方
- 他セクションのスタッフの話を聞く
- 他セクションの社内ドキュメントを読んでみる
- 本とか動画でインプットする(開発知識ならドットインストールとか)
- 趣味でプログラムやデザインをやってみる
リーダシップ
ここで言うリーダシップとは、「良いと思ったことは、臆せず実行に移せる資質」のことです(※「強引さ」や「わがまま」とは違います)。要は受け身じゃないってことですね。
QAは必ず集団の中で作業をします(QA一人でコンテンツを生み出すことは不可能)。集団の中の一員として、良い結果を出すためには、リーダシップは不可欠です。
マネジメント
QAリードの立場になると、複数人のQAスタッフを率いて、チームで成果を出さねばなりません。
しかし、人をなんとなく一箇所に集めても、力は発揮されないのが常なので、「集団」を「チーム」にする取り組みが必要となるでしょう。
仮にリードの立場じゃなくても、リードの目線を知っておくと、良い動きが出来ると思います。
おめでとうございます!
1~5を習得したあなたは、晴れてQAエンジニアの スタートライン に立ちました。
ゴールだと思いきや、ここがスタートラインです。1~5はあくまでQAエンジニアとしての基礎知識です。医者で言えば、医師免許を取ったばかりの状況で、専門的な強みが無い状況。ここから、得意分野を選んで伸ばし、強みを発揮しましょう!
それでは!