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[Doc] 要件定義書テンプレート・要件定義書の書き方

Last updated at Posted at 2018-12-09

2023-03-30: たくさんの方に読んでいただいているので、年1は更新するようにしました。今回は書き方に関して補足を追加しました。テンプレートのリンクは一番下に移動しました。

はじめに

要件定義とは

要件定義とは、あるシステムや製品に求められる機能や性能、制約条件などを明確に定める作業のことです。つまり、ユーザーが望む機能や要件を明確に整理し、それを基にシステム開発や製品開発を進めるための基本的な作業です。要件定義を適切に行わないと、ユーザーの期待に沿わない製品やシステムが出来上がったり、コストや期間の増加などの問題が生じることがあります。

即ち、「ユーザーの期待に沿わない製品やシステムが出来上がったり、コストや期間の増加など」をおこさないために書くものでもあります。

品質担保、成功、保証などの言葉が使われるケースが多くありますが、個人的にはシステム開発をとにかく失敗させないための必要なプロセスだと思っています。自分の学習能力を疑うほど幾度も痛い目に遭ってきたので、是非皆さんにはこれを読んで回避いただけたらと思っています。

まずは整理

誰が何をどのように求めているのか、これをまずは整理してみます。要件定義書=5W1Hを語るドキュメントです。下記をご参考までに。

5W1H なにをする 備考
Who 登場人物を整理 各登場人物と責任を明確化、判断する人いないプロジェクトは燃える。
What 何を作るのか整理 口頭は危険!顧客が本当に必要だったものを見て。
When いつまでにやるのかを整理 時間に限りがある場合は・・やれることも限られます
Where 範囲・スコープを整理 範囲決めないと、ここも後でもめます。本当に始めに決めないともめます。
Why そもそもどうして作るのかを整理 共通認識大切
How どうやって作るのかを整理 環境や、簡単なロジックやらやら

要件定義書

ドキュメントのバージョン管理

更新がある度に、何をどうして更新し、だれがその更新内容を承認したのか記載してください。

例)

バージョン 日付 変更内容 担当者
1.0.0 2021-07-12 ××の要件変更がされたため、○○部分追記ました。 鈴木

下記ドキュメントバージョンに関する注意点です。

  1. バージョン番号のルールを定める:バージョン番号は、どのようにつけるかルールを定め、チーム全員が同じ理解で使用するようにする必要があります。たとえば、変更内容によって数字がどのように増えるか(major, minor, patch)、何桁で表現するかなど、具体的に決めておくことが重要です。

  2. 変更履歴を明確にする:どのような変更があったのか、それがどのバージョンで実施されたのかを明確にすることが必要です。これにより、何らかの問題が発生した場合に、どのバージョンから問題があるのか特定することができます。

  3. ドキュメントの保存場所を一元化する:ドキュメントのバージョン管理には、ドキュメントを保存する場所を一元化することが重要です。それにより、異なるバージョンのドキュメントが、複数の場所に分散してしまい、誤ったバージョンが使用されることを防ぐことができます。

  4. 変更の承認手順を設ける:誰でもドキュメントを変更できるようにしてしまうと、誤った変更や重複した変更が発生する可能性があります。そのため、変更を承認するための手順を設け、変更の正当性を確認する必要があります。

  5. バックアップを定期的に取得する:ドキュメントは大切な情報を含んでいるため、バックアップを定期的に取得することが重要です。それにより、何らかの不具合が発生した場合にも、過去のバージョンに戻すことができます。

1. 概要

関係メンバー全員、誰が読んでもわかるように、今回開発するモノの概要をここに記載してください。

A. システム構成図

ここにシステムの構成図を、一目でシステムの構成がわかるといいです。データと業務のフローがカバーされているといいかも。

↓クラウドで構成組んでいる方には便利なリンク

AWS使っている方はこちらのアイコンを使えます。
https://aws.amazon.com/jp/architecture/icons/

Azure使っているかたはこちらのアイコン使えます
https://docs.microsoft.com/ja-jp/azure/architecture/icons/

構成図作成手順

こちらシステム構成図作成時の一般的な手順です。

  1. 概要を描く:まず、システム全体の概要を描きます。それには、システム全体の構造や機能、ユーザーとの接点などを含めます。

  2. モジュールを定義する:次に、システム内にあるモジュール(機能の単位)を定義します。モジュールを決めることで、システム内の各機能の役割や関係性が明確になります。

  3. モジュールの関係を描く:モジュール同士の関係を描きます。それによって、モジュールの役割や情報の流れが明確になります。

  4. ハードウェアを描く:システム内で使用されるハードウェア(サーバーやネットワーク機器)を描きます。それによって、システムの物理的な構造が明確になります。

  5. インタフェースを描く:システム内で使用されるインタフェース(APIやデータベース)を描きます。それによって、システム同士のやりとりやデータの流れが明確になります。

  6. テキストで説明する:最後に、システム構成図をテキストで説明します。説明文には、システム全体の構造や機能、各モジュールの役割や関係性、ハードウェアやインタフェースの詳細などを記述します。

B. 背景

なぜ開発することになったのかここに記載。お客さんも要求する事がミッション達成に寄与しない場合もありますので、ただ受けるよりもここで背景をちゃんと理解して正しアドバイスをしてあげられるのがプロ仕事だと思います。

背景の書き方

  1. 背景についての共通理解を持つ:要件定義書を作成する前に、プロジェクトのステークホルダーや関係者と共通理解を持つことが重要です。システムの必要性や問題点について、関係者と議論し、共通認識を得ることが大切です。

  2. 背景を明確にする:背景については、なるべく明確に記述するようにしましょう。具体的な事実や数値、実際の事例などを引用することで、背景をより具体的に伝えることができます。

  3. ビジネス目標を示す:システムの背景には、プロジェクトのビジネス目標を示すことも重要です。そのシステムを導入することで、どのようなビジネス効果が期待できるのか、具体的な数字や目標を明確にすることで、プロジェクトの優先順位や進捗管理がしやすくなります。

  4. 背景と要件の関係を明確にする:背景と要件定義との関連性を明確にすることも大切です。具体的には、どのような問題を解決するために、どのような要件が必要なのか、などを明確に記述することで、要件定義書の全体像がより明確になります。

C. 定義

これから使う専門用語はここで簡単に説明しておきましょう。

2. 業務要件

業務要件とは、ある業務を遂行するために必要な機能や制約、仕様など、業務に関する要件のことを指します。具体的には、業務のプロセスや手順、データの入力や出力の仕様、システムの性能や安全性に関する要件などが含まれます。

業務要件は、その業務を遂行する上で必要不可欠な要素であり、業務プロセスやシステム開発の指針となるものです。業務要件は、業務プロセスを最適化することや、システムの開発・導入・運用において問題を回避することにつながります。

業務要件は、業務プロセスやシステムの開発・導入・運用の段階で定義されます。業務要件定義のプロセスでは、業務を行う上で必要な要件を明確にし、それらをシステムに反映させるための仕様を決定することが重要です。業務要件定義のプロセスを十分に行い、正確かつ明確な業務要件を定義することで、システム開発の効率性を高め、システムの品質を確保することができます。

A. 業務フロー

ここに業務フローを1Pでまとめてみます。フロー(流れ)が一目でわかるといい。業務を行う人たちをグループ化して、フローが描かれているものが業務フロー図です。

業務フローの書き方

  1. 業務の範囲を定義する: 業務フロー図を作成する前に、業務の範囲を明確に定義する必要があります。どの業務プロセスに焦点を当てるのか、業務の主なステップは何かを確認してください。

  2. ステップを列挙する: 次に、業務プロセスに関連するステップを列挙し、それらの順序を決定します。ステップは、図に表示される順番通りに実行されます。

  3. シンボルを選択する: 業務フロー図に使用するシンボルを選択します。たとえば、開始や終了を示す矢印、各ステップを示す矩形、決定を示す菱形などがあります。

  4. ステップを配置する: 選択したシンボルを使って、業務プロセスの各ステップを図に配置します。ステップを表す矩形を描き、矢印を使ってステップ間のつながりを示します。

  5. ステップの詳細を記入する: 各ステップについて、詳細を追加します。たとえば、ステップで実行されるタスクの説明、必要な情報のリスト、次のステップに進むための条件などを示します。

  6. ステップのループや分岐を追加する: 一部のステップは、特定の条件下で何度も実行される場合があります。このような場合、ステップのループを示すために矢印を使用するか、ステップの分岐を示すために菱形を使用することができます。

B. 規模

業務の規模をここに定義、どれぐらいの規模の業務を想定していますか? それに耐えうる設計が必要なため、ここで定義する必要があります。逆に、オーバースペックな設計を防ぐこともできます。

業務プロセスの規模に関する情報を業務フロー図やワークフロー図などで示し、その図中に規模に関する情報を追加できます。例えば、業務プロセスの中で処理されるデータ件数や利用者数、取り扱う商品数や取引回数などを示すことができます。なので、別ドキュメントまたはセクションでなくても大丈夫です。

C. 時期・時間

業務フローに関しての時期と時間をここに定義。時間軸大切、これを定義してください。

時期・時間の書き方

  1. 業務フロー図中に時間や期間を示す: 業務フロー図中に、業務の各段階における期間や時間を示すことができます。たとえば、業務プロセスの各ステップに関連する日数、時間、またはその他の期間情報をアイコンやシンボルなどで示すことができます。

  2. テキストで時間や期間を記述する: 業務フロー図外に、各段階における期間や時間について、詳細に説明するテキストを記述することもできます。たとえば、業務の各ステップに関連する期間を記載し、それがどのように計算されたのか、あるいはその期間がどのように定められたのかを説明することができます。

  3. スケジュール表を作成する: 業務フローの各ステップに関連する期間をまとめたスケジュール表を作成することもできます。スケジュール表には、業務プロセス全体の期間だけでなく、各ステップの期間、ステップ間の待ち時間などを含めることができます。

D. 指標

業務フローでの指標を定義。

指標に含まれるもの

  1. 業務フローの指標は、業務プロセスの効率性や改善のためのベンチマークとなる数値や定量的なデータのことです。具体的には、以下のような指標があります。

  2. サイクルタイム:業務プロセスの開始から終了までにかかる時間のことで、ステップごとに計測することができます。

  3. 処理能力:業務プロセスが単位時間あたりに処理できる業務量を示す指標で、例えば、1時間あたりに処理できる申請書の数などを計測します。

  4. エラー率:業務プロセスで発生するエラーの数を、処理された業務数の割合で表したものです。

  5. 待ち時間:業務プロセスで発生する待ち時間の長さを表します。待ち時間が長い場合は、業務プロセス全体の効率性が低下する可能性があります。

リードタイム:業務プロセスが開始されてから完了するまでの期間を示す指標で、サイクルタイムとは異なり、業務プロセス中に発生する待ち時間を含みます。

E. 範囲

システムに関連する範囲をここで定義。システムに関係ないことは・・関係ないので。

何が含まれるて、含まれないのか

システム範囲とは、システム開発や情報システム運用において、対象とするシステムの範囲や境界を明確にすることを指します。システムの範囲を定義することで、どのような機能を含め、どのような外部システムやユーザーとのインターフェースが必要かを明確にすることができます。

システムの範囲は、主にシステム開発や情報システム運用におけるプロジェクトの計画・設計フェーズで定義されます。システムの範囲を定義するためには、システムの目的や要件、利用者、外部システムとのインターフェース、利用環境などを分析・把握し、範囲を決定します。また、システムの範囲は、プロジェクトの範囲にも影響を与えることがあります。

システムの範囲を明確に定義することで、システム開発や情報システム運用において、システムの仕様や機能、外部システムとのインターフェースを明確にすることができます。これにより、システム開発や運用においての課題や問題点を明確にし、システムの品質や利便性を向上させることができます。

3. 機能要件

A. 機能

ここに機能を大区分、中区分、小区分みたいにブレイクダウンしてください。開発案件によってここはだいぶボリュームあるかも。ここでは機能の区分がメインとなります。

機能を分類することで、システムが提供すべき機能を明確にすることができます。たとえば、顧客管理機能や在庫管理機能など、それぞれの機能を分類することができます。

機能要件の書き方

  1. 階層的なブレイクダウンを決める: 機能を大区分、中区分、小区分というように階層的に分類し、それぞれの機能がどのように連携するかを示します。この階層構造を通じて、全体の構造を簡単に理解できるようにしましょう。
  2. 機能の説明を書く:各機能に簡潔ながら明確な説明を加えます。何をする機能なのか、なぜ必要なのかを記載します。
  3. 利用シナリオを書く:機能が実際にどのように使われるかの例やシナリオを挙げることで、その機能の目的や重要性を強調します。

B. 画面

細かいことは外部設計書に記載、もしくはここは外部設計書。

画面要件の書き方

  1. 画面の一覧を書く:システム内で利用される画面の一覧を作成します。可能であれば、画面IDや画面名で一覧化し、画面間の関連を示します。
  2. 画面の役割を書く:各画面がどのような目的で使われるか、どのような機能を提供するかを記述します。
  3. 画面遷移図を書く:画面間の遷移を視覚的に示した図を用いて、ユーザーの操作フローを明確にします。外部設計書の付録として遷移図を入れることも一つの方法です。

C. 情報・データ・ログ

データ項目、処理方法などを記載。どんなデータを保存するの?

情報・データログの書き方

  1. データモデルを書く:保存されるデータの構造を示したデータモデルやER図を提供します。これには、各データ項目の名前、型、制約などが含まれます。
  2. データフローを書く:システム内でデータがどのように流れ、処理されるかを示します。どの機能がどのデータを使用し、どのように変更するかを記載します。
  3. ログの管理に関して書く:システムにおけるログの取り扱い方について記述します。どのような情報がログとして保存されるか、ログの保持期間、アクセス方法などを定義します。

D. 外部インタフェース

外部インターフェイスを定義して記載。入力される項目なども。

外部インターフェイスの書き方

  1. インタフェースの一覧を書く:システムが連携する外部システムやAPIの一覧を示します。
  2. 連携の詳細を書く:各インタフェースでのデータ交換の仕様を具体的に記載します。交換されるデータの形式、プロトコル、認証方法などを明確にします。
  3. エラーハンドリングを書く:外部システムとの連携中に発生する可能性のあるエラーと、その対応方法について述べます。

4. 非機能要件

非機能要件はシステム開発で欠かせない部分で、性能、安定性、使いやすさなど、機能以上の品質を定めます。これらは「システムがどうあるべきか」を示し、製品の成功を支えます(失敗を防ぎます)。開発の早い段階でこれらを明確にすることは、品質を保証し、期間とコストを見積もり、リスクを管理する上でとても重要です。

ただし、現代の開発プロセスでは、初期の非機能要件は暫定的です。実際にシステムが運用され始めると、これらの要件を定期的に見直し、ステークホルダーと協議しながら更新することをお勧めします。これにより、変化する環境やニーズに柔軟に対応し、システムの長期的な成功(システムの安定運用)の可能性を高めます。

A. ユーザビリティ及びアクセシビリティ

誰がどう使えればいいのか、ここに定義して記載。なんとなく・・つかいずらいみたいなクレームを回避。

非機能要件・ユーザービリティ及びアクセシビリティの書き方

  1. 目標と基準を設定する:ユーザが直感的に理解しやすいインターフェースの設計、操作の容易さなど、具体的な目標とその達成基準を設定します。例えば、"3クリック以内に決済完了ページにたどり着ける"など。
  2. 対象ユーザを決める:利用するユーザ層の特性(年齢層、障害の有無など)を定義し、それに基づいたアクセシビリティの要件を設定します。
  3. テスト計画を書く:ユーザビリティの評価方法や、アクセシビリティ基準の遵守を確認するためのテスト計画を記述します。

B. システム方式

構成をここに定義。

非機能要件・システム方式の書き方

  1. アーキテクチャを決める:システムの全体構造、使用する技術スタック、データストレージの選択など、システムの基本設計を明記します。
  2. 冗長性と耐障害性を定義する:システムの可用性を保証するための設計、例えばデータセンターの冗長配置などの戦略を記載します。

C. 規模

想定規模をここに記載。

非機能要件・規模の書き方

  1. ユーザ数、トランザクション量を想定する(一旦決める):システムがサポートする予定の同時ユーザ数、1日あたりのトランザクション数など、システムの規模を定量的に記述します。

D. 性能

性能に関する事項+閾値をここに記載。

非機能要件・性能の書き方

  1. 応答時間、処理速度を決める:ユーザの操作に対する応答時間、バッチ処理の処理速度など、性能目標を定量的に設定します。
  2. 閾値を決める:システムの性能が許容する最大値や最小値を明示します。

E. 信頼性

信頼性に関する事項をここに記載。

非機能要件・信頼性の書き方

  1. 稼働率を決める:システムの稼働率(例:99.9%)の目標を設定します。
  2. バックアップと復旧に関する方策を決める:データのバックアップ間隔、復旧時間の目標など、信頼性を保証するための方策を記述します。

F. 拡張性

拡張性に関する事項をここに記載。

非機能要件・拡張性の書き方

  1. 将来の成長値を決め、それに対応できる設計を決める:システムのデータ量やトランザクションの増加に対応するための設計方針を明記します。例えば、マイクロサービスアーキテクチャの採用など。

G. 上位互換性

バージョン対応などなどをここに記載。前のバージョンにどうやって対応するのか。

非機能要件・上位互換性の書き方

  1. バージョンアップ対応の方策を決める:新旧バージョン間でのデータの互換性、APIの変更点など、上位バージョンへの移行を支援するための方策を記載します。

H. 継続性

冗長性などなどここに記載。

非機能要件・継続性の書き方

  1. 冗長性設計に関する方策を決める:システムやコンポーネントの障害時における冗長性設計、データセンターの地理的分散など、サービスの継続性を確保するための方策を述べます。

5. セキュリティー要件

A. 情報セキュリティ

必要とされるセキュリティーレベルをここに記載。

セキュリティー要件・情報セキュリティー要件の書き方

  1. セキュリティーレベルを定義する:システムやデータを保護するために必要なセキュリティーレベルを明確に記述します。
  2. アクセス制御を定義する:誰が、どのシステムリソースに、どのような条件下でアクセスできるかを定義する方法を記述します。
  3. 認証方法を定義する:ユーザーの身元を確認するために使用される認証メカニズム(パスワード、二要素認証など)を詳細に記載します。
  4. データの暗号化に関して定義する:保存または転送中のデータを保護するために使用される暗号化技術に関する情報を提供します。
  5. ウィルス対策と修正ソフトウェアに関して定義する:ウィルスやマルウェアからシステムを守るための対策と、セキュリティパッチやアップデートの管理方法を説明します。
  6. 侵入・攻撃対策の方策を決める:DDoS攻撃やフィッシング試みなどに対する防御戦略を記述します。
  7. 不正接続対策と外部媒体の利用制限を定義する:不正アクセスを防ぐための対策と、外部からのデータ持ち込みや持ち出しに関するポリシーを明確にします。

B. 稼働環境

環境に関してここに記載。対応しているブラザなど。要されるセキュリティーを見てから最適な環境を決めましょう。

セキュリティー要件・稼働環境の書き方

  1. 対応ブラウザやOSを決める:システムが正常に動作するブラウザやオペレーティングシステムのバージョンをリストアップします。
  2. 環境依存のセキュリティ要件を決める:特定の環境で求められるセキュリティ要件を考慮し、最適な環境選択の基準を設定します。

C. テスト

テストに関してここに記載。システム開発の予算で見逃しガチなのがテストに関するコスト。ここでしっかり定義して予算内で品質保証されているものを作りましょう。テストに関連するアウトプットには、プロジェクトのライフサイクルを通じてさまざまなドキュメントや成果物が含まれます。これらは、テスト計画の段階からテストの実施、結果の分析、改善までをカバーし、品質保証とプロジェクトのトラブルを防ぎます。要件定義書内のテストに関するドキュメント以外にも、テスト戦略書(要件定義書に含めた方がいい)、テスト計画書(要件定義では暫定的とし、別途作成した方がいい=別の予算を確保した方がいい)、テスト設計書、テストケース、テストデータ、テスト実行報告書・テスト終了報告書、不具合報告書などが後ほど登場します。

セキュリティー要件・テストの書き方

  1. テストタイプを決める:実施するテストの種類(機能テスト、セキュリティテスト等)と、それぞれの目的を記述します。
  2. テスト範囲を決める:テストがカバーする範囲と、それによって担保される機能やセキュリティレベルを定義します。
  3. テスト環境と実施者を決める:テストを実施する環境と、テストを担当する人物やチームについて記載します。
  4. 評価基準を決める:テストの合格・不合格を決定する基準を明確に定義します。
  5. 使用ツールを決める:テストに使用するツールやソフトウェアをリストアップし、その選定理由を説明します。
  6. テストデータを定義する:使用するテストデータの種類と、その準備方法について記述します。

6. 移行要件

A. 移行

移行のプロセス、タイミングなどをここに記載。

移行要件・移行の書き方

  1. 目的と範囲を決める:移行計画の目的と、移行されるデータやシステムの範囲を明確にします。

  2. 移行戦略を決める:一括移行、段階的移行など、採用する移行戦略を説明します。それぞれの戦略の利点と選択理由を記述します。

  3. スケジュールとタイミングを決める:移行活動を実行するタイミングやスケジュールを定義します。システムのダウンタイムが最小限になるように計画します。

  4. リスク管理方法を決める:移行プロセス中に予想されるリスクとそれに対する軽減策を記載します。

  5. バックアップ計画を立てる:移行前に実施するデータバックアップの手順を説明します。万が一のための復旧計画も含めます。

  6. 詳細な手順を書く:移行を実施する具体的な手順をステップバイステップで記述します。

  7. 責任者と役割を書く:各移行ステップの責任者とその役割を明確にします。

  8. 検証プロセスを書く:移行後のデータの整合性やシステムの機能を検証するプロセスを記載します。

B. 引継ぎ

引継ぎ業務などをここに記載。

移行要件・引き継ぎの書き方

  1. 引継ぎの範囲を決める:引き継がれる知識やドキュメント、システムに関する情報の範囲を定義します。

  2. 対象者を決める:引継ぎを受ける人員や部署を特定します。

  3. 方法とツールを決める:引継ぎに使用する方法(ミーティング、ドキュメント共有、トレーニングセッションなど)とツールを記載します。

  4. スケジュールを決める:引継ぎ活動のタイムラインや重要なマイルストーンを計画します。

  5. トレーニング計画を決める:新しいシステムやプロセスに関するトレーニングの内容、形式、スケジュールを記述します。

  6. サポート体制を決める:引継ぎ後のサポート体制や、質問や問題に対する連絡先を明記します。

7. 運用要件

A. 教育

運用・利用・活用方法の教育など。

教育の書き方

  1. 目的を定義する:教育の目的を明確にし、何を達成しようとしているのかを記述します。例えば、新しいシステムの利用方法を理解させる、特定の機能の活用を促進するなど。
  2. 対象者を定義する:教育の対象となるユーザー群を特定します。運用スタッフ、一般ユーザー、管理者など、異なる役割やレベルのユーザーに応じた内容の構築が必要です。
  3. 教育内容を決める:提供する教育の具体的な内容をリストアップします。システムの基本操作、高度な機能の使い方、セキュリティポリシーの理解など、必要な知識やスキルを明確にします。
  4. 方法とツールを決める:教育を行う方法(オンライントレーニング、対面セミナー、マニュアル配布など)と使用するツールや資料を記載します。
  5. スケジュールと場所を決める:教育プログラムの実施スケジュールと場所(またはオンラインでのアクセス方法)を計画します。

B. 運用

運用体制、運用業務をここに記載。

運用の書き方

  1. 運用体制を決める:システムを日常的に運用するための組織構造やチーム構成を定義します。運用チームの役割と責任を明確にし、必要なスキルセットや人員を特定します。
  2. 運用業務を定義する:日常的に行う運用業務のリストを作成します。これには、データバックアップ、システム監視、性能チューニング、セキュリティ更新、障害対応などが含まれます。
  3. 運用ポリシーを決める:システム運用に関するポリシーとガイドラインを記述します。これには、データ管理ポリシー、アクセス制御ポリシー、障害対応手順などが含まれます。
  4. 運用スケジュールを決める:定期的なメンテナンスや監視活動のスケジュールを計画します。システムのダウンタイムを最小限に抑えるためのスケジューリングも考慮します。
  5. サポート体制を決める:エンドユーザーや運用スタッフが問題や疑問を報告できるサポート体制を構築します。問い合わせ窓口、対応時間、エスカレーション手順などを定めます。

C. 保守

保守に関して記載。誰がどうやるのかを記載します。

保守に関するSLAはSLAの書き方を参照してください。

保守・保守の書き方

  1. 保守活動の目的と範囲を明確にする: 保守活動は、システムの長期的な健全性とセキュリティを確保し、ユーザーの継続的な満足を実現することを目的としています。この範囲には、ソフトウェアの定期的な更新、ハードウェアの監視、セキュリティ対策の強化などが含まれ、システム全体の性能と安全性を維持することが求められれます。
  2. 保守計画の主要エリアを定義する:主要な保守エリアには、ソフトウェアアップデート、ハードウェアメンテナンス、セキュリティ監視、ユーザーサポート、バックアップと災害復旧が含まれます。これらのエリアを定義することで、具体的な保守作業の方向性と焦点を設定し、システムの安定稼働をサポートします。
  3. 責任と役割を割り当てる: 保守チーム内で具体的な責任と役割を明確に分配します。これには、システム管理者、ネットワークエンジニア、データベース管理者、セキュリティ専門家など、各専門領域の担当者が含まれます。各メンバーには、特定の保守タスクとその実行に関する責任が割り当てられ、全員が役割に応じた活動を行います。
  4. 必要なツールとリソースを特定する: 効率的な保守活動を行うためには、適切なツールとリソースが必要です。これには、監視ソフトウェア、バックアップツール、セキュリティスキャンツール、ハードウェア診断ツールなどが含まれます。また、十分なトレーニングを受けたスタッフや、必要に応じてアクセス可能なサポートリソースも確保する必要があります。
  5. モニタリングと報告の方法を計画する: システムの状態を継続的に監視し、問題が発生した際に迅速に対応できるように、モニタリングと報告のプロセスを確立します。定期的なパフォーマンスレポート、セキュリティアラート、システムログの分析などを通じて、システムの健全性を保つための情報を収集し、関連するステークホルダーに報告します。
  6. ステークホルダーとのコミュニケーションプランを確立する:システム保守に関わる全てのステークホルダーと効果的にコミュニケーションを取るための計画を策定します。これには、保守スケジュールの共有、変更管理プロセスの説明、緊急時の連絡手順などが含まれます。明確なコミュニケーションによって、期待の齟齬を避け、保守作業の透明性と効率性を高めることができます。

テンプレート

ここにワード版のテンプレートが置いてありますので自由にお使いください。 このテンプレートに沿って埋めていけば、要件定義は完成です。

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