はじめに
Autonomous Databaseでは、クローン機能を使って検証用の環境を作成可能です。
3種類のクローン機能が提供されており、それぞれの違いについては以下のSpeakerDeckにまとまっているので、併せてご覧ください。
例えば19cから23aiへのアップグレードを検討する際、フル・クローンを作成することで、現在のデータベースの23aiの検証が可能です。
今回はそのシナリオを想定し、現行でAutonomous Database Serverlessの19cを使用している環境のフル・クローンを23aiで作成します。(※以下チュートリアル内容をADWに置き換え)
前提
以下は構成済みの状態で実施します。
・Autonomous Data Warehouse(以降ADW)19cのインスタンス作成 <DB名:adw01>
・ADWへのデータのロード <SALES_CHANNELS表作成済み>
今回作成するのはフル・クローンです。
フル・クローンについて
ソースとなるデータベースのデータとメタデータを含むデータベース全体のクローンです。フル・クローンを作成すると、ソースと同じデータおよびメタデータが含まれるデータベースが別でもう1個作られるイメージです。
※データベース名および接続文字列はソースと異なります。
以下のSpeakerDeckに記載のある例と全く同じで、19cインスタンスのフル・クローン作成による23aiへのアップグレードを実施します。
クローン作成
1. ソースのADWの詳細ページを開く
まずはコンソールのメニューより、「Oracle Database」→「Autonomous Database」へ進み、ソースとなるADWを選択して詳細ページを開きます。
2. クローンの作成画面へ進む
詳細ページ右上メニューの「その他のアクション」より、「クローンの作成」を選択します。
作成画面に進んだら、上の項目から順に設定を確認します。
3. クローン・タイプの設定
それぞれの項目で、以下を選択します。
・クローン・タイプ:「フル・クローン」を選択
・ソースのクローニング:「データベース・インスタンスからのクローニング」を選択
4. Autonomous Databaseクローンの基本情報の設定
下に進むと、作成先のリージョンやコンパートメント、表示名およびデータベース名、ワークロード・タイプなどの項目があります。今回はリージョンとコンパートメントはそのまま(ソースと同一)で、表示名およびデータベース名を入力の上、ワークロード・タイプを選択します。
・ワークロード・タイプ:「データ・ウェアハウス」を選択
5. データベース構成の設定
次のデータベース構成の項目で、バージョンやECPU数およびストレージ・サイズを指定します。
・データベース・バージョン:「23ai」を選択
・ECPU数:デフォルトで入力されている値(ソースと同じサイズ)
・ストレージ:デフォルトで入力されている値(ソースと同じサイズ)
今回は自動バックアップの保持期間は変更せずにそのまま進みます。
6. そのほかの設定
そのほかの必須項目としては、管理者資格証明の作成とネットワーク・アクセスがあります。それぞれ以下の設定で進みます。
・管理者資格証明の作成:ユーザー名 : ADMIN(変更不可)、パスワード : Welcome12345#
・ネットワーク・アクセス:「すべての場所からのセキュア・アクセス」を選択
すべての設定が終えたら、最後に右下の「クローン」ボタンをクリックします。
7. クローンの確認
作成が開始されると、コンソールのAutonomous Databaseのメニューへ遷移され、ソース元のadw01の他に今回作成したClone-of-adw01が「プロビジョニング中」として表示されていることがわかります。
Clone-of-adw01の状態が「プロビジョニング中」から「使用可能」に切り替わったら、表示名をクリックします。(この環境では、作成は約15分ほどで完了しました。)
8. クローン環境のデータの確認
クローンのADWの詳細画面に進んだら、データベース・アクションのメニューを開きます。
「すべてのデータベース・アクションの表示」を選択します。(今回使用するのはSQLワークシートだけなので、直接「SQL」から飛ぶことも可能です。)
※データベース・アクションの内容について知りたい方は、以下をご確認ください。
Database Actionsの画面に切り替わったら、「開発」→「SQL」→「開く」を選択します。

SQLの画面に切り替わったら、左側にテーブルの一覧が表示されている状態なので、今回はSALES_CHANNELS表を選択してデータが正常にクローンされているかを確認します。
挿入のタイプについて聞かれるので、選択(SELECTのことを指しています)をクリックし、「適用」で次に進みます。
SQLが自動で入力されるため、そのまま緑色の実行ボタンをクリックして実行します。
データが正常に検索されたことが確認できました。
まとめ
今回は、既存の19cのADWのフル・クローンを23aiで作成しました。
手軽に試せる機能なので、参考になれば幸いです。
参考
OCIドキュメント
・Oracle Database 23aiへのAutonomous Databaseインスタンスのアップグレード
Speaker Deck
・Autonomous Database Serverless 技術詳細
・Autonomous Database サービス・アップデート FY25
OCIチュートリアル
・211: クローン機能を活用しよう
ブログ
・Autonomous Database クローン機能を検証してみました(データベースひとりでできるもん Presented by. 株式会社システムサポート)
















