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AWS初心者がCloudWatch Logs Insightsを使ってみた

Last updated at Posted at 2020-10-08

AWS初心者ですが、最近担当した業務で、APIが出力しているログを
さくっと分析・調査したい場面があったのでCloudWatch Logs Insightsを使ってみました。
実際に調査で使ったクエリの例なども含めて、備忘録も兼ねてまとめます。

これからCloudWatch Logs Insightsを使う方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

CloudWatch Logs Insightsとは?

CloudWatch Logsのログデータに対し、独自の構文を使って
クエリのようにデータを検索したり分析したりすることができる機能です。
従量課金制で、スキャンしたデータに応じて料金がかかります。

スキャンしたデータ 1 GB あたり 0.0076USD

使い方

準備

AWSマネジメントコンソール>CloudWatchを開き、サイドバーから「インサイト」を開きます。
スクリーンショット 2020-10-05 12.45.02.png

基本的な操作

スクリーンショット 2020-10-05 12.50.40.png

1.検索対象のロググループの選択
 「ロググループを選択」から検索対象のロググループを選択します。
 複数のロググループを一度に選択することも可能です。

2.検索対象期間の設定(任意)
 検索対象期間が決まっている場合は指定しておきます。
 (1時間以内、特定の日時など)

3.データを抽出する 
 テキストエリアにクエリを入力して、「クエリの実行」を押下するとクエリが実行されて結果が表示されます。
 詳しいクエリの書き方や意味については「クエリ構文について」の章で解説します。

 デフォルトで以下のクエリが入力されているので、
 とりあえずどんな感じで抽出できるか見たい場合は、そのまま実行すれば抽出可能です。

fields @timestamp, @message
| sort @timestamp desc
| limit 20

4.必要に応じて結果をエクスポート(任意)
 「結果をエクスポート」から以下の形式で抽出結果をエクスポートすることができます。

  • クリップボードにコピー(マークダウン)
  • クリップボードにコピー(csv)
  • ダウンロード(csv)

クエリ構文について

独自のクエリコマンドが用意されていて、それらをパイプ(|)でつなげて使用することができます。
基本的なものと個人的に使ったコマンドについて解説します。

fields

取得するフィールドを指定するコマンドです。
SQLでいうとselect column1, column2のイメージです。

fields @timestamp, @message

デフォルトで、以下のフィールドを指定できるようです。
@log
@logstream
@timestamp
@message

JSON形式のログだと、JSONのキーがそのままフィールドとして指定できます。

集計対象のログで使えるフィールドを知りたい場合は、
ロググループを指定して、画面右側のサイドメニュー「フィールド」を開くと
使用できるフィールドの一覧が表示されます。

スクリーンショット 2020-10-05 12.48.38.png

filter

抽出条件を指定するコマンドです。

部分文字列一致で検索するには、likeを使用します。
SQLでいうと where column1 like '%error%' のイメージです。

filter @message like /error/

inを使用するとSQLと同じようにリストで比較することもできます。

filter status in[400, 500]

sort

ソート順を指定するコマンドです。
SQLでいうとorder byのイメージです。

sort @timestamp asc

asc/descが指定できます。

display

表示するフィールドを指定するコマンドです。
fieldsと似ていますが、displayは結果に表示するフィールドを指定する場合のみ使用します。

limit

取得するレコード数を指定するコマンドです。
SQLでいうとlimitのイメージです。

limit 20

stats

集計を行うためのコマンド。avg()、sum()、count()、min()、max()などが使用できます。

ここでは自分が使ったものをいくつか紹介してますが、
その他集計関数については、公式ドキュメントに詳しい解説があります。

コマンド 内容
count() ログイベント件数をカウントします。
earliest(fieldName: LogField) クエリを実行した結果のうち、最も早いタイムスタンプがあるものから、fieldNameの値を返します。
latest(fieldName: LogField) クエリを実行した結果のうち、最も遅いタイムスタンプがあるものから、fieldNameの値を返します。

parse

ログから、globや正規表現を用いて、
一時フィールドとしてデータを抜き出すことができます。

例えば、以下のように、リクエストIDが括弧で括られ、ログ内容がその後ろに出ているログで、
リクエストIDとログ内容を分けて処理したい場合。

ログ例
(request-id-1) start.
(request-id-1) success.
(request-id-2) start.
PARSE @message "(*) *" as requestID, message

とすることで、以下のようにデータを抽出することが可能です。

requestID message
request-id-1 start.
request-id-1 success.
request-id-2 start.

使い方例

個人的に調査で使用したクエリを、一例ですが紹介します。

@messageに文字列「error」が含まれるログを、タイムスタンプの順に20件取得する

fields @timestamp, @message
| filter @message like /error/
| sort @timestamp
| limit 20

statusごとの件数を集計する

ログがJSON形式で出力されていて、「status」というキーにレスポンスのステータスを出力している前提で、
statusフィールドの値ごとに件数を集計します。

JSON形式ログの例
{
    "requestId": "request-id-1",
    "ip": "XXX.XXX.XX.XX",
    "requestTime": "08/Apr/2020:04:00:59 +0000",
    "httpMethod": "GET",
    "resourcePath": "/api/hoge/",
    "status": "200"
}
fields @timestamp, @message
| stats count(*) by status

リクエストIDごとに、処理にかかった時間を集計する

以下のような前提のログで、リクエストIDごとに処理時間を求めます。

  • リクエストごとの処理時間をログ側で出力していない(出力していれば楽なのですが)
  • リクエスト開始時と終了時にそれぞれログを出力している
  • 以下のログ例のようにリクエストIDとログ内容を出力している
ログ例
(request-id-1) start.
(request-id-1) success.
(request-id-2) start.
fields @timestamp, @message
| PARSE @message "(*) *" as requestID, message
| filter requestID in ["request-id-1", "request-id-2", "request-id-3"]
| stats earliest(@timestamp) as startTime, latest(@timestamp) as endTime by requestID
| display requestID, abs(endTime - startTime)

やっていることとしては以下の通りです。

1.parseで@messageからリクエストIDを抜き出す
2.リクエストIDごとに、最も早いログイベントのタイムスタンプ (=startTime)、最も遅いログイベントのタイムスタンプ(=endTime)を集計する
3.リクエストIDと、処理時間(endTime-startTime)を表示する

まとめ

簡単に使い始められて、便利な機能だと思いました。
クエリの結果をダッシュボードに追加したり、クエリを保存したりもできるようなので、
今後の調査や運用に活用していきたいです。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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