沙耶を産み落としたのは私です。
今でこそ時空戦士としてチヤホヤされる沙耶ですが、その誕生は難産を極めました。
KUSANAGI開発チームに私がアサインされたのは、まだ寒さの残る20・・年4月のある夜のこと。
託されたのは、KUSANAGIのロゴ開発およびマスコットキャラクターの企画・制作。重責です。
WEBデザイナーでありつつ、グラフィックデザインも手がける私に白羽の矢が立った形でした。
私はこの栄誉ある任務に対して最善を尽くそうと心に誓いました。
(休み)
開発の最初期段階では、沙耶のプロフィールはもちろん「沙耶」という名前さえまだありませんでした。
分かっていたのは、
1.KUSANAGIのマスコットを製作すること
2.それはKUSANAGIを擬人化したような、サービスにふさわしいキャラクターであること
3.納期はあまり長くない
というようなことぐらいでした。
頭に最初に浮かんだのは、このキャラクターをサイボーグの設定にしようということでした。
また性別も特定せず、ユニセックスな感じであればよいなと思いました。
(後者のアイデアは早々に立ち消えました)
しかしアイデアばかりが先行し、イメージを具現化する工程にひどく苦労しました。
(休み)
ある日、私はとある美術展に足を運びました。そしてそこで、私はとうとう沙耶に出会いました。
美術館では、次に催される展示の告知用のポスターが貼り出されていました。
そのポスターを見た途端、私の中で衝撃が走りました。
それは現代日本のアニメ界を展望するという興味深い内容でした。
ポスターには目を閉じて横たわる一人の少女が描かれていたのですが、そこに私は沙耶のイメージを見たのです。
とはいえその少女をコピーしたわけではぜんぜんありません。
インスピレーションが湧いたというだけのことです。念のため。
(休み)
マスコットを産む作業にやっと弾みがつきました。
すぐにアイデアをまとめて具現化し、清書は社外のイラストレーターに依頼しました。
名前については社内で公募があり「沙耶」というネーミングに決定しました。
これ以上は無いピッタリの名前です。たいそう喜びました。
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いかがでしたか?
長い間封印されていたヒロインの過去。
運命のいたずらに、思わず身震いした方もおられるのでないでしょうか。