この記事は ゆっくりテックウォッチ Advent Calendar 2025 の 11 日目の記事です。
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TL;DR
- Microsoftが開発した5万スター超えのAIエージェントフレームワーク - マルチエージェント機能が標準搭載で、複雑なAI連携が簡単に実装できる
- 複数AIエージェントの協調動作をシンプルなコードで実現 - 会社の会議のように、複数の専門AIが役割分担して問題を解決
- AutoGen Studioでコーディング不要のGUI開発が可能 - ドラッグ&ドロップでエージェントを構築できて、初心者でも始められる
このリポジトリについて
microsoft/autogen は、複数のAIエージェントが協調して動作するアプリケーションを簡単に構築できるフレームワークです。
マルチエージェントAIアプリを簡単に構築できるフレームワークで、複数のAIエージェントが協調して動作するアプリケーションを簡単に構築できます。コーディング不要のGUIツール AutoGen Studio も提供。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リポジトリ | microsoft/autogen |
| スター数 | ⭐ 52,405 |
| 言語 | Python |
| ライセンス | Creative Commons Attribution 4.0 International |
| 作成日 | 2023-08-18 |
なぜ今注目されているのか
複数のAIエージェントを連携させるコードは複雑で、実装に何週間もかかるのが従来の課題でした。
AutoGenなら数行のコードで複数AIエージェントの協調動作を実現できます。
技術が進化して「AIが複数いたらもっと効率的じゃん」という発想が現実的になってきたからこそ、こういったフレームワークが注目を集めているんです。
スター推移
AutoGen は 2023年9月下旬にかけて、急激に注目を集めました。リリース直後から爆発的に成長し、その後も安定して人気を集め続けています。全期間で平均して、1日あたり約800スターを獲得している、まさに爆発的な成長を見せたプロジェクトです。
これだけ多くの開発者に支持されているのは、それだけこのフレームワークが画期的で、多くのニーズに応えている証拠です。
主な機能・特徴
1. Microsoftが開発したマルチエージェントAIフレームワーク
これは、AI開発の分野で、Microsoftという巨大企業が本気で取り組んでいる証拠です。信頼性が高いというのが最大のメリット。
エンタープライズでの活用を視野に入れるなら、Microsoftのサポート体制は非常に心強いですね。
2. AutoGen Studioでコーディング不要のGUI開発が可能
プログラミングの知識がなくても、GUI操作でAIエージェントを構築できます。
- Team Builder: エージェント、AIモデル、ツール、終了条件をドラッグ&ドロップで組み合わせ
- ビジュアルキャンバス: 構築したエージェントの関係を視覚的に確認
- Playground: 構築したチームの動作テストと、トークン使用量やターン数の確認
このおかげで、AI開発のハードルがぐっと下がるんです。
3. MCPサーバー対応で外部ツール連携が簡単
Playwright MCP など外部のツールやサービスとの連携が非常に簡単になります。
既存の業務システムにAI機能を組み込みたい時に、この機能が重宝します。 ブラウザ操作やファイル操作などの「手足」を AI エージェントに持たせることができます。
4. Python/.NET両対応のクロスプラットフォーム設計
Pythonだけでなく、.NETにも対応しているから、さまざまな開発環境で利用できます。
開発者にとって大きなメリットです。Python の利用者も多いし、.NET エコシステムの企業でも採用しやすいということですね。
技術スタック
Python/.NETベースのLLMエージェントフレームワーク
| 分類 | 技術 |
|---|---|
| 主要技術 | Python、.NET |
| フレームワーク/ライブラリ | OpenAI API、Azure OpenAI、Playwright MCP |
| インフラ | gRPC、分散ランタイム |
| 対応AIモデル | GPT-4o、GPT-4.1、Azure OpenAI |
ユースケース
実例1: スタートアップのAIエンジニア(Bさん)
背景: 顧客対応を自動化するAIチャットボットを開発中
課題: 問い合わせ内容によって複数の専門AIを呼び分ける仕組みが複雑で、実装に時間がかかっていた
解決策: AutoGenのマルチエージェント機能で専門家AIチームを構築
- 商品紹介、技術サポート、販売促進の3つの専門エージェントを定義
- メインエージェントから効率的に呼び分けるシステムを構築
結果:
- 開発期間を2週間から3日に短縮(5倍高速化)
- 顧客満足度も向上
- 大きな達成感を得られた
実例2: 企業のIT担当者(Cさん)
背景: 社内の定型業務を自動化したいが、プログラミングが苦手
課題: コーディングスキルが限られているがAI活用したい
解決策: AutoGen Studioのノーコード機能で業務自動化エージェントを構築
- GUIでエージェントを設定
- 日報作成の自動化を実現
結果:
- プログラミングなしで業務自動化に成功
- 月20時間の工数削減
- AI活用の可能性を実感し、自信がついた
実例3: AI研究者(大学院生Dさん)
背景: マルチエージェントシステムを研究したい
課題: 毎回ゼロからエージェント間通信を実装するのが面倒
解決策: AutoGenのCore APIを使って柔軟にエージェント構成を変更
結果:
- 実験サイクルが5倍に向上
- 論文のデータ収集が加速
競合との比較
LangChain との違い
| 観点 | AutoGen | LangChain |
|---|---|---|
| マルチエージェント専門性 | 専門的なマルチエージェント機能 | 汎用的なLLMフレームワーク |
| 学習曲線 | 中程度 | やや急 |
| エコシステム成熟度 | 成長中 | 成熟 |
AutoGenを選ぶべき場合: 複数AIの協調動作が主目的の場合
CrewAI との違い
| 観点 | AutoGen | CrewAI |
|---|---|---|
| 開発元 | Microsoft(大企業) | スタートアップ |
| コミュニティサイズ | 5万スター | 2万スター程度 |
| 設計 | 機能豊富だがやや複雑 | シンプル |
AutoGenのアドバンテージ:
- Microsoftのサポート
- AutoGen Studioの存在
AutoGenを選ぶべき場合: 本番環境での信頼性が重要な場合
実践的な活用例
1. カスタマーサポートの自動振り分けボット
問い合わせ内容
↓ 自動判定
技術サポート / 請求関連 / 一般問い合わせ
↓ 専門エージェントが自動対応
回答生成
結果: 対応時間が30分から5分に短縮
2. コードレビューと修正提案の自動化
セキュリティ、パフォーマンス、コードスタイルの観点から複数の専門AIが自動でレビュー
→ レビュー待ち時間が1日から10分に短縮。人的レビューは最終確認のみ
3. 市場調査レポートの自動生成
自然言語の指示で複雑な調査を実行:
- リサーチエージェント: Web検索
- 分析エージェント: データ整理
- ライターエージェント: Markdownレポート生成
→ 3日かかっていた調査が2時間で完了
始め方
インストール
AutoGen には Python 3.10 以上が必要です。
pip install -U "autogen-agentchat" "autogen-ext[openai]"
AutoGen Studio(ノーコードGUI)を使う場合:
pip install -U "autogenstudio"
# GUIを起動
autogenstudio ui --port 8080
最小限の例
import asyncio
from autogen_agentchat.agents import AssistantAgent
from autogen_ext.models.openai import OpenAIChatCompletionClient
async def main() -> None:
model_client = OpenAIChatCompletionClient(model="gpt-4")
agent = AssistantAgent("assistant", model_client=model_client)
print(await agent.run(task="Say 'Hello World!'"))
asyncio.run(main())
詳細は公式ドキュメントを参照してください。
まとめ
AutoGen は以下の点で革新的です:
- Microsoftが開発した信頼性の高いフレームワーク - エンタープライズでも安心
- マルチエージェントAIを簡単に構築できる - 複雑な連携がシンプルなコードで実現
- AutoGen Studioでノーコード開発も可能 - 誰でも始められる低いハードル
LLMを活用した業務効率化や、AIアシスタント開発に興味があるなら、ぜひ AutoGen を試してみてください!
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