何これ?
iVimも自分好みの色エディタに変更できたぞー! やったー!!!
何の記事?
この記事は鎮宮'sアドベントカレンダー2025の2日目の記事です。
iPadでvimが扱えるアプリ、iVim。
そのiVimのカラースキームを変えた手順について書きます。
誰向け? どんな役にたつ?
- iVimでカラースキームを変えたいが、Vimの設定については詳しくない人
- そもそもカラースキームを変える手順すらあやふやな人
- PC版のVimではカラースキームを変更できたのに、iVimではうまくいかなかった人
- カラースキームを変更するにはVimに詳しくないとできないと諦めている人
そもそもカラースキームってナニ?
Vimのカラースキームとは、Vimの画面の色設定のことです。
背景色から、フォント色やカーソルの色から始まり、
ソースコードの関数名や引数名、コメントのフォントなどを何色にするか、細かく決められた設定ファイルです。
Vimをインストールしてから特に何も変更しなければ、defaultの設定になっています。
でも、画面の暗さに対して目がチカチカするとか、そもそも黒い背景ではなく白背景がいいとか、人には人それぞれの好みがあるかと思います。
なので、変えたい気分になったら変えてしまいましょう。
どうやって変更するのか
一時的な変更自体はとても簡単です。
Vimを開いてコマンドモードの状態で、
:colorschemeと入力して、Tabキーを押すと、Vimに元からインストールされていて、変更できるカラースキームが変換候補に出てきます。
Enterを押してコマンドを確定すると、すぐにその配色に切り替わります。
ただこれは一時的なものなので、一度Vimを終了し、また開いた時にはdefaultの配色に戻ってしまいます。
ずっと使いたい、気に入った配色が見つかった時は、.vimrcに記載すると、Vimを立ち上げた時にいつもそのカラースキームを使うことができます。
Vimをインストールした直後から使える標準のカラースキームはいくつかあるので、試しに変更してみるとよいでしょう。
変更すると何がいいのか
コーディングに対するテンションが違います。
やはり、自分に合わせてエディタをメンテナンスすると、それはとても自分の手足に馴染み、気持ちよくエディタに向かえるようになります。
また、コメント行がデフォルトだと見づらい……などのマイナス要因がある場合、それが取り除けるだけでもやはり違うものです。
自分専用のエディタ感も出て、大切に使おうという気になったりもします。
作業の流れ
大まかな流れとしては、
- 導入したいカラースキーマを探す
- ファイルアプリではなく、iVimアプリのメニューからのみ開ける.vimフォルダにカラースキームのファイルを格納する
- vimrcに書いて、保存。再度vimを起動する
……です。
置き場所さえわかって、書き方を間違えなければ、iVimでも自分の好きな色にできるよ!……というものになります。
注意点
iPadOSでは、ファイルアプリから先頭がドットのフォルダが選択できない──.vimフォルダが見えないという特性があります。
そのため、フォルダ移動や作成、ファイル作成をiVimの機能内でやります。
実際の手順
1. 導入したいカラースキーマを探す
今回は私のメイン使いになったicebergを例にします。
Vim カラースキームで検索すると、GitHubに上げてくれている人が多いので、それを探します。
2. カラースキーマのファイル名をコピーしておく
GitHubでカラースキームが見つかったら、大体はcolorsフォルダ内にカラースキーム名.vimのファイルがあるので、そのファイル名をコピーします。
3. iVimを開く
iVimアプリを立ち上げます。
4. iVimでドキュメントを開く
画面右上の...メニューをタップして、その後Show me the Documentsをタップします。

5. .vimディレクトリ内にcolorsフォルダを作成する
iVimのホームディレクトリ(ファイルを素で作成すると保存される場所)が開くので、.vimフォルダをタップします。
上記のようにcolorsフォルダがある場合はn番の工程に飛んでください。
カラースキームを初めて入れようとする場合、ないことがほとんどなので、右上の...メニューをタップします。

Add new itemをタップします。
ファイル名としてcolorsを入力し、Create new folderをタップします。
これで、colorsフォルダができました。
6. colorsの中に新規ファイルを作成をタップ
colorsフォルダができたところで、colorsフォルダをタップして中に進みます。
上記のようにカラースキームのファイルをここに並べたいです。
なので、また右上のメニューをタップします。


Add & item new openをタップします。
7. 新規ファイル名の名前に、先ほどコピーしたカラースキームのファイル名をペースト
入力欄に、カラースキームのファイル名を入力し、Create new fileをタップします。
8. 作成ファイルが開けたら一度githubへ戻る
画面左側に新規作成したカラースキームのファイルが開きました。
右側のファイルメニューはもう使わないので、Doneをタップして閉じます。
その後、再度GitHubに戻ります。
9. 今度はカラースキームのコードをコピー
GitHubでcolorsフォルダの中にあるカラースキームのページまでいき、ソースコードをコピーします。
10. iVimに戻って、コードをペースト
iVimで開いているカラースキーム用のファイルに、コピーしたコードをそのままペーストします。

11. 保存してiVimを一度閉じる
保存してから、一度:q!でiVimを終了します。
12. iVimを再び開けて、vimrcを開く
再度iVimを立ち上げて、コマンドモードの状態で:e $MYVIMRCと入力し、.vimrcを開きます。
13. vimrc内でcolorschemeや背景色を設定
vimrc内に下記のように記載してiVimを再起動すると、カラースキームが変わります。
colorscheme = iceberg ".vimの部分は不要なので注意
14. vimrcを保存して、iVimを一度閉じ、再度開くと設定適用済
vimrcを保存して、iVimを一旦閉じます。
再度iVimを立ち上げると、カラースキームが適用されているはずです。
結果
自分の好きな色エディタに変更できただけでとてもテンションが上がりました。
また、コードリーディングをするのにも、好みの配色になっていると読む気が湧きます。
ただ今回、カラースキーマの変更という結果は得られているのですが、コードをコピーして設定を持ってくるなど、少々スマートでない部分が残ります。
もう少しスマートなやり方が見つかったら、その方法で書き直せたらなぁ……と思いながらの執筆でした。
今回入れてみたカラースキーマ
Iceberg
iVimメインの座を勝ち取ったのはIcebergです。
落ち着きがあるのに加えて、ちゃんとコードを読みやすくハイライトしてくれる、とても優しいカラースキーマです。
会社PCのVimもこのカラースキーマを設定してメインで使っています。
最近は自宅でのコーディング練習をiVimでやっているので、このカラースキーマに助けられています。
個人的に、眩しい画面を見たくない夜の時間帯のプログラミングでも、目に優しい配色だと感じています。
monochromenote
個人的には、Vimで文章書きをする人は落ち着いてタイピングができる配色だな、と感じました。
白いメモ帳に淡々と書き綴っていく……といった印象です。
エディタの色が入力を妨げない、雑念が混じりようがない……という印象。
iVimとMagic Keyboardでのかな入力が喧嘩しなければ、このカラースキーマで執筆するのですが……。(いつからか、かな入力を確定するまでiVim上に表示されない縛りがついてしまった)
私はVimで日本語入力したい時はObsidianに退避することにしました。
spring-night
こちらも黒背景で優しい明るさの配色です。
icebergだと全体的に暗めで分かり辛い時がたまにあるので、気分でこちらに変更してみるのもいいなと思っています。
失敗記録
Gitから直接ダウンロードはうまくいかなかった
色々ググると、git系のコマンドがiVimは使えない模様?
そのためGitHubから直接ダウンロードして適用!……する方法が見つけられませんでした。
そこで「結局カラースキーマなんて、該当ファイルを正しい場所に置けばいいだけだよね?」……と色々な場所に配置して、答えを得たわけなのですが。
生成AIに聞いたママやろうとしても上手くいかなかった
カラースキームファイルの置き場所は、主にChatGPTに相談して行いました。
しかし、生成AIが言う答えはGoogle検索と同じで、正しいことを教えてくれるとは限りません。
尚且つ、生成AIが答えるものは集合知。Vimならばいざ知らず、iVimというiPad特化のVimアプリの設定について語っている情報は少ないせいか、全く正解に辿り着きませんでした。

こんな感じで、Documentフォルダを作れと言われたり。
最終的に、.vimフォルダを作ってカラースキームを置けば良さそう→iOSのフォルダアプリだと無理そう→iVimからフォルダ確認するとある!!……となったので、設定までいけました。
参考にさせてもらった記事

