#はじめに
こんにちは、よろず相談担当 すぎもん です。HDC-EDI Suite の最新版 HDC-EDI Suite for Apex がリリースされたので、実際に触ってみて違いを確認してみました。
#今回やってみたこと
HDC-EDI Suite for Apex の特徴(強み)は、Apex(EDI通信)とHULFT(社内ファイル連携)をスムーズに行えると謳っています。では、そのスムーズさがどのようなものか、実際の環境を触ることができたので確かめてみました。
確認ポイントは、次の2点になります。
- 設定 ってどんな感じでできるのか?
- ログ ってどんな感じで出力される?
HDC-EDI Apex をさわってみたシリーズ
記事が長くなってしまったので全4回のシリーズに分けました。興味の回からご覧ください。
HDC-EDI Apex をさわってみた【全銀設定編】(1/4)
HDC-EDI Apex をさわってみた【HULFT設定編】(2/4)
HDC-EDI Apex をさわってみた【フロー設定編】(3/4)
HDC-EDI Apex をさわってみた【動かしてみた編】(4/4)
#動作環境
実際に動かした環境は、以下の図の3つのサーバから構成されています。
実際に触ったのは、真ん中のEDIサーバになります。EDI通信は未だに利用者が多い全銀手順(全銀TCP/IP)、社内通信はHULFTを使いました。通信の流れも、社外から全銀手順で受け取って社内サーバに単純転送するイメージです。
#設定
今回は、事前に各製品のインストールと初期設定が終わっていることを前提とし、EDIサーバに焦点あてた通信設定のポイントについて簡単にご紹介します。
- 設定1では、**取引先サーバ(APEX-EDI)-> EDIサーバ(APEX-MAIN)**へ全銀TCP/IPで送信できるようにします。
- 設定2では、**EDIサーバ(APEX-MAIN)-> 社内サーバ(APEX-HULFT)**へHULFTで送信できるようにします。
- 設定3では、設定1と設定2を連携させて 取引先サーバ -> EDIサーバ -> 社内サーバ を実現させます。
##設定1(EDI通信)
###■設定の流れ
下表の順番で設定していきます。
# | 設定項目 | 補足説明 | 【参考】ACMS B2Bで該当する設定項目 |
---|---|---|---|
1 | 通信ポートグループ | 複数の通信ポートを管理する定義。例えば全銀TCP/IP用の通信ポートグループを作成して全銀TCP/IP用通信ポートを3つ作って所属させると、全銀TCP/IP通信を同時に3つ処理できる(4つ目は待ち行列に入る)といった使い方をする。 | 回線グループ |
2 | 通信ポート | 通信処理を実行する環境。複数の通信ポートを定義すると定義数分だけ同時に通信処理が実行できる。プロトコル毎に設定が異なる。通信ポートを作成できる数(=同時接続数)によってライセンス価格が変わるので注意。 | 回線 |
3 | 通信ユーザー | 通信先のホストの定義。プロトコル毎に設定が異なる。 | ユーザー |
4 | 論理ファイル | I/Fファイルの定義。プロトコル毎に設定が異なる。 | ファイル |
5 | 着信リスナー | 文字通りリスナー(Socket通信のListner)。リスナーを実行するホストをDMZ上のサーバーに分ける(リバースプロキシ的な使い方をする)ことでインターネット通信セキュリティを高めるといった使い方をする。 | 該当なし |
###■HDC-EDI Apex設定
####1.通信ポートグループ
全銀TCP/IP通信用の通信ポートグループ portg_zgin を作成します。
メニュー一覧の マスター -> 通信 -> 通信ポートグループ を選択し、新規作成 で作れます。
(業務グループ hdc は事前に作成する必要がありますが、ここでは省略します。以降も同様です。)
####2.通信ポート
全銀TCP/IP通信用の通信ポート port_zgin を作成します。
メニュー一覧の マスター -> 通信 -> 通信ポート を選択し、新規作成 で作れます。
####3.通信ユーザー
全銀TCP/IP通信用の通信ユーザー zgin_edi を作成します。
メニュー一覧の マスター -> 通信 -> 通信ユーザー を選択し、新規作成 で作れます。
新規作成 ボタンをクリックすると、プロトコルを選択するウィンドウがポップアップされますので 全銀 を選択します。
通信ポートグループは先ほど作成した protg_zgin を選択します。
以降は、全銀手順でおなじみのセンター確認コードを設定します。(全銀手順の詳細設定内容についてはこの記事では割愛します。)
相手センター確認コード には、取引先サーバー(APEX-EDI)のセンター確認コードを設定します。
当方センター確認コード には、EDIサーバー(APEX-MAIN)のセンター確認コードを設定します。
####4.論理ファイル名
全銀TCP/IP通信用の論理ファイル zgin_edi_cr を作成します。
メニュー一覧の マスター -> 通信 -> 論理ファイル を選択し、新規作成 で作れます。
新規作成 ボタンをクリックすると、プロトコルを選択するウィンドウがポップアップされますので 全銀 を選択します。
今回の設定は、取引先サーバ(APEX-EDI)から着信&受信となりますので、
発着信 は、着信
送受信 は、受信
と設定します。
余談
全銀手順はレコード長を意識した手順なので、今回のように適当なファイルの送信をする場合は 全銀ファイル情報 -> レコードID を 不定長 にすると簡単に送信テストができます。(実際には、CSVやバイナリファイルなどのレコード長を意識しない形式のファイルの場合に不定長を設定します。)
####5.着信リスナー
全銀TCP/IP通信用の論理ファイル zgin_listener を作成します。
メニュー一覧の マスター -> 通信 -> 着信リスナー を選択し、新規作成 で作れます。
新規作成 ボタンをクリックすると、プロトコルを選択するウィンドウがポップアップされますので 全銀 を選択します。
着信リスナーはACMS B2Bでは無かった設定項目で、Apexからは通信ポート(ACMS B2Bでは回線)の設定とは別個に着信用のリスナーを明示的に設定する必要があります。主な設定項目は ノード名 と ポート番号 になります。
以上が、全銀TCP/IP手順の設定になります。
あと、忘れてはいけないのが、設定項目には状態(開始/停止/有効/無効)をもつものが多く、設定後にアクションボタンから開始状態にする必要があります。ここを忘れるとエラーになりますのでご注意ください。
次回(HULFT設定編)は、HDC-EDI ApexでHULFTをどのように設定するのかをご紹介します。全銀手順との共通点やHULFT独自の設定ポイントなどをご案内できると思います。
HDC-EDI Apex をさわってみた【全銀設定編】(1/4)
HDC-EDI Apex をさわってみた【HULFT設定編】(2/4)
HDC-EDI Apex をさわってみた【フロー設定編】(3/4)
HDC-EDI Apex をさわってみた【動かしてみた編】(4/4)