🎁 SQL Server 2025リリース
2025年11月18日、SQL Server 2025がリリースされました。
プリザンターユーザマニュアルでも触れられているExpress Editionに関しては、以下のような変更点がアナウンスされています。
- リレーショナル データベースの最大サイズ 50 GB。
- Advanced Services (SQLEXPRADV) を使用した Express Edition は廃止されました。
- Express Edition には、以前に Advanced Services を利用できるすべての機能が含まれるようになりました。
ただ対応するユーザマニュアルの公開には、もう少し時間がかかりそうです。
そこで、本稿では一足先にSQL Server 2025 Express Editionをプリザンター用にセットアップする手順を紹介します。なお、ただセットアップするだけでは、ユーザマニュアルと大差ないため、構成ファイルを使ったセットアップを試します。
🎄構成ファイルとは
構成ファイルは、セットアッププログラムを無人実行するための情報が書き込まれたテキストファイルです。構成ファイルを使用すると
- 同じ構成のSQL Serverを組織全体に配置
- 組織全体でインストール手順を標準化
することができます。
2016以降のSQL Serverのセットアッププログラムには、この構成ファイルを書き出す機能が備わっています。本稿では、この機能を使うことで、以下の流れで、構成ファイルを作成・利用します。
- セットアッププログラムのダウンロード
- セットアッププログラムによる構成ファイルの書き出し
- 構成ファイルの編集とコマンドラインオプション指定方法の検討
- 構成ファイルを使ったセットアップの実行
1. セットアッププログラムのダウンロード
🎄ブートストラップの入手と実行
最初にセットアッププログラムをダウンロードするためのブートストラップをダウンロード、インストールします。以下にアクセスし、「SQL Server 2025 Express」の「今すぐダウンロード」リンクをクリックしてください。
ダウンロードされたSQL2025-SSEI0Expr.exeがブートストラップです。ダブルクリックして起動してください。
「ユーザー アカウント制御」が表示されたら、「はい」をクリックしてください。
ブートストラップは、本稿執筆時点(2025年12月)で英語表示でした。
「Download Media」をクリックしてください。
「SELECT LANGUAGE」で「Japanese」を選択してください。
「Express Core」をクリックして有効化してください。
「Browse」ボタンをクリックし、ダウンロード先のフォルダーを指定してください。
「Download」ボタンをクリックしてください。
SQL Server 2022 Express Edition以前は、ここで「Express Advanced」を選択する必要がありました。SQL Server 2025ではAdvanced Services相当の機能がExpress Coreに統合されたため、「Express Core」を選択します。
進捗状況が表示されるので、しばらく待ちます。
セットアッププログラムのダウンロードが完了したら、「Close」ボタンをクリックしてください。
「Yes」ボタンをクリックしてください。
ブートストラップが終了します。
2. セットアッププログラムによる構成ファイルの書き出し
セットアッププログラムSQLEXPR_x64_JPN.exeから構成ファイルを書き出すには、セットアッププログラムをコマンドを使って実行する必要があります。
コマンドプロンプトを開いてください。
ダウンロードしたフォルダー(本稿ではC:\Users\HAYATO\Downloads)に移動してください。
> cd C:\Users\HAYATO\Downloads
以下のコマンドを実行し、セットアッププログラムを起動してください。
> .\SQLEXPR_x64_JPN.exe /UIMODE=Normal /ACTION=INSTALL
「ユーザーアカウント制御」が表示されたら「はい」をクリックしてください。
「展開されたファイルのディレクトリの選択」は変更する必要ありません。「OK」をクリックしてください。
しばらく待ちます。
インストールするSQL Server 2025のエディションを選択します。手順通りに進めている場合は、「無償のエディションを指定する」が選択されているはずです。「次へ」をクリックしてください。
「ライセンス条項と次に同意します」をクリックして有効化し、「次へ」をクリックしてください。
「Microsoft Update を使用して更新プログラムを確認する (推奨)」をクリックして有効化し、「次へ」をクリックしてください。
SQL Server 2025はリリースされたばかりのため、更新プログラムはまだリリースされていません。「次へ」をクリックしてください。
警告が1件出ていますが、「次へ」をクリックしてください。
「データベースエンジンサービス」と「検索のためのフルテキスト抽出とセマンティック抽出」の2つを有効化してください。「次へ」をクリックしてください。
「既定のインスタンス」をクリックして有効化し、「次へ」をクリックしてください。
「次へ」をクリックしてください。
「混合モード (SQL Server 認証と Windows 認証)」をクリックして、有効化してください。また、「SQL Serverのシステム管理者 (sa) アカウントのパスワードを指定します。」の「パスワードの入力」と「パスワードの確認入力」に適切なパスワードを設定してください。
設定後、「次へ」をクリックしてください。
「インストールの準備完了」画面を見ると、画面の下に「構成ファイルのパス」が表示されています。これをコピーします。コピーが済んだら、「キャンセル」をクリックしてください。セットアッププログラムを終了できます。
構成ファイルを使わずに、通常のインストールを続行する場合は、ここで「インストール」をクリックしてください。
コピーした構成ファイルのパスを、エクスプローラーのアドレス欄へ貼り付けて移動します。歯車のファイルが構成ファイルです。
このファイルをコピーして、C:\Users\HAYATO\Downloads\SQLEXPR_x64_JPNフォルダー内へ貼り付けます。
以降では、この貼り付けたConfigulationFile.iniを編集します。
3. 構成ファイルの編集とコマンドラインオプション指定方法の検討
🎄構成ファイルのファイル形式
構成ファイルは、以下の形式のテキストファイルです。「メモ帳」で開き、編集・保存できます。
| 文字符号化形式 | バイトオーダー | BOM | 行末 | 拡張子 |
|---|---|---|---|---|
| UTF-16 | LE | あり | CR+LF | .ini |
🎄書き出された構成ファイル
セットアッププログラムが書き出した構成ファイルは、以下の通りです。
セットアッププログラムが書き出した構成ファイルでは、各行にコメントが添えられていますが、長くなるため省略しました。また、デバイス名は「それらしい仮称」に置き換えています。
[OPTIONS]
ACTION="Install"
ENU="False"
ROLE="AllFeatures_WithDefaults"
PRODUCTCOVEREDBYSA="False"
SUPPRESSPRIVACYSTATEMENTNOTICE="False"
QUIET="False"
QUIETSIMPLE="False"
UIMODE="Normal"
UpdateEnabled="True"
USEMICROSOFTUPDATE="True"
SUPPRESSPAIDEDITIONNOTICE="False"
UpdateSource="MU"
FEATURES=SQLENGINE,FULLTEXT
HELP="False"
INDICATEPROGRESS="False"
INSTANCENAME="MSSQLSERVER"
INSTALLSHAREDDIR="C:\Program Files\Microsoft SQL Server"
INSTALLSHAREDWOWDIR="C:\Program Files (x86)\Microsoft SQL Server"
INSTANCEID="MSSQLSERVER"
SQLTELSVCSTARTUPTYPE="Automatic"
SQLTELSVCACCT="NT Service\SQLTELEMETRY"
INSTANCEDIR="C:\Program Files\Microsoft SQL Server"
AGTSVCACCOUNT="NT AUTHORITY\NETWORK SERVICE"
AGTSVCSTARTUPTYPE="Disabled"
SQLSVCSTARTUPTYPE="Automatic"
FILESTREAMLEVEL="0"
SQLMAXDOP="0"
ENABLERANU="True"
SQLCOLLATION="Japanese_CI_AS"
SQLSVCACCOUNT="NT Service\MSSQLSERVER"
SQLSVCINSTANTFILEINIT="False"
SQLSYSADMINACCOUNTS="WIN-D5000000000\HAYATO"
SECURITYMODE="SQL"
SQLTEMPDBFILECOUNT="1"
SQLTEMPDBFILESIZE="8"
SQLTEMPDBFILEGROWTH="64"
SQLTEMPDBLOGFILESIZE="8"
SQLTEMPDBLOGFILEGROWTH="64"
ADDCURRENTUSERASSQLADMIN="True"
TCPENABLED="0"
NPENABLED="0"
BROWSERSVCSTARTUPTYPE="Disabled"
FTSVCACCOUNT="NT Service\MSSQLFDLauncher"
SQLMAXMEMORY="2147483647"
SQLMINMEMORY="0"
以下の情報は構成ファイルには書き出されません。
- ライセンスを承諾した旨の情報
- パスワードのような機密情報
🎄構成ファイルの構文
構成ファイルの構文は単純です。
| 記法 | 意味 |
|---|---|
[セクション] |
複数のパラメーターを束ねます。 SQL Serverの構成ファイルでは [OPTIONS]セクションにすべてのパラメーターを記述します。 |
;コメント |
セミコロン(;)で始まる行はコメントです。 |
パラメーター=値 |
パラメーター=値のかたちで設定します。真偽値の値 "True"、"Flase"は二重引用符で括ります。 |
🎄構成ファイルのパラメーターとコマンドラインオプション
構成ファイルは、様々なパラメーターに値を設定することで、セットアッププログラムの振る舞いを決定しますが、コマンドラインオプションでも設定が可能です。
一般的に、構成ファイルでの設定よりも、コマンドラインオプションでの指定が優先されるため、
- 環境固有のパラメーターはコマンドラインオプションで設定する
- 様々な環境で共通するパラメーターは構成ファイルで設定する
方針とします。
🎄コマンドラインオプションで指定するパラメーター
以下はセットアップの都度、コマンドラインオプションで指定します。
| 指定するもの | 指定理由 | 構成ファイルの編集 |
|---|---|---|
| 構成ファイルの在処 | セットアッププログラムに構成ファイルの在処を知らせる必要があります。 | 不要 |
| セットアッププログラムの実行モード | 無人化のためにUI表示を可能な限り抑制する必要があります。 | 必要 |
| ライセンスへの同意 | 契約書への同意はインストールの都度必要です。 | 不要 |
| SQL Serverのシステム管理者となるWindowsアカウント | 環境によりアカウントは変わる可能性があります。 | 必要 |
| saアカウントのパスワード | 構成ファイルは他人の手に渡る可能性があります。平文で記載するのは危険です。 | 必要 |
コマンドラインオプションは以下のとおりです。コマンドラインオプションについての詳細はMicrosoft Learnを確認してください。
C:\Users\HAYATO\Downloads\SQLEXPR_x64_JPN>setup.exe ^
/CONFIGURATIONFILE=".\ConfigurationFile.ini" ^
/Q ^
/IACCEPTSQLSERVERLICENSETERMS ^
/SQLSYSADMINACCOUNTS="デバイス名\ユーザ名" ^
/SAPWD="saアカウントのパスワード" ^
/SUPPRESSPAIDEDITIONNOTICE="True"
各オプションの意味は以下のとおりです。
| オプション | 意味 |
|---|---|
/CONFIGURATIONFILE |
構成ファイルの在処を指定します。 |
/Q |
GUI非表示でセットアッププログラムを実行します。 セットアップの完了を把握しづらい場合は、進捗状況をGUI表示する /QSオプションを指定してください。 |
/IACCEPTSQLSERVERLICENSETERMS |
ライセンスに同意します。 |
/SQLSYSADMINACCOUNTS |
SQL Serverのシステム管理者となるWindowsアカウント(saアカウント)を指定します。 |
/SAPWD |
saアカウントのパスワードを指定します。 |
デバイス名、アカウント名、saアカウントのパスワードは適宜読み替えてください。
たとえば、コマンドプロンプトではデバイス名とログオン中のアカウント名は以下のように確認できます。
> echo %COMPUTERNAME%
WIN-D5000000000
> echo %USERNAME%
HAYATO
構成ファイルの編集
構成ファイルの詳細はMicrosoft Learnを確認してください。
プライバシーに関する声明の表示を抑制します。 以下のとおり編集します。
- SUPPRESSPRIVACYSTATEMENTNOTICE="False"
+ SUPPRESSPRIVACYSTATEMENTNOTICE="True"
UI表示の抑制はコマンドラインオプションに委ねます。以下をコメントアウトします。
; QUIET="False"
; QUIETSIMPLE="False"
; UIMODE="Normal"
本稿はSQL Server 2025のリリース直後に執筆おり、執筆時点において更新プログラムはリリースされていません。更新プログラムに関する処理をコメントアウトして省略します。
; UpdateEnabled="True"
; USEMICROSOFTUPDATE="True"
更新プログラムの有無はMicrosoft Learnで確認できます。
コマンドラインから実行するため、有料エディションの通知を抑制します。
- SUPPRESSPAIDEDITIONNOTICE="False"
+ SUPPRESSPAIDEDITIONNOTICE="True"
このオプションの説明は、Microsoft Learnには書かれていませんでした。セットアッププログラムから書き出した構成ファイルのコメントを参考にしています。
SQL Serverのシステム管理者となるWindowsアカウントは、コマンドラインオプションで指定するため、コメントアウトします。
; SQLSYSADMINACCOUNTS="WIN-D5000000000\HAYATO"
以上で、構成ファイルの編集は完了です。
4. 構成ファイルを使ったセットアップの実行
編集した構成ファイルを、以下のように実行します。
c:\Users\HAYATO\Downloads\SQLEXPR_x64_JPN>setup.exe ^
/CONFIGURATIONFILE=".\ConfigurationFile.ini" ^
/Q ^
/IACCEPTSQLSERVERLICENSETERMS ^
/SQLSYSADMINACCOUNTS="WIN-D5000000000\HAYATO" ^
/SAPWD="saアカウントのパスワード"
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データ処理とプライバシー管理に関する詳細は プライバシーに関する声明 をご覧くださ
い。
以上で、SQL Server 2025 Express Editionをプリザンター用にセットアップできました。
🎁 参考文献
🎄プリザンターユーザマニュアル
- インストーラでプリザンターをWindowsにインストールする
- SQL Server 2022 Expressのインストール及び設定
- FAQ:SQL Server Expressの制約について教えてください。























