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Dapr CLI を Ubuntu にインストールする

Last updated at Posted at 2023-07-24

Dapr CLI を Ubuntu にインストールする

こんにちは、@studio_meowtoon です。今回は、WSL Ubuntu 22.04 に Dapr CLI とランタイムをインストールする方法を紹介します。
dapr_on_ubuntu.png

目的

分散アプリケーションの為のランタイム Dapr の理解を深めます。

実現すること

ローカル環境 (Ubuntu) に Dapr を操作する為のコマンドラインツール Dapr CLI をインストールして Dapr ランタイムの動作を確認します。

技術トピック

Dapr とは?

こちらを展開してご覧いただけます。

Dapr (ダーパー)

Dapr(Distributed Application Runtime)は、マイクロサービスアプリケーションをより簡単に構築するためのオープンソースのランタイムです。

キーワード 内容
ポータビリティ Dapr はプログラム言語やクラウドプロバイダに依存しない、ユニバーサルなランタイムです。
プラグ&プレイ 既存のアプリケーションに Dapr を追加する際、既存のコードを変更することなくシームレスに統合できます。
サービス間通信 Dapr はメッセージングとイベント駆動のパターンをサポートし、サービス間の連携を簡単に実現します。
シークレット管理 アプリケーションの構成情報や認証情報などのシークレットを安全に管理できます。
開発の迅速化 Dapr のプラグ&プレイ機能により、コードの再利用が容易になり、アプリケーションの開発時間が短縮されます。
フレキシブルなアーキテクチャ Dapr はアプリケーションのコンポーネント間の緩やかな結合を促進し、アーキテクチャの柔軟性を高めます。
拡張性 Dapr は多くの言語とクラウドプロバイダに対応しており、拡張機能を追加することでカスタマイズが可能です。
可用性と信頼性 Dapr は分散システムにおける共通の問題に対処し、アプリケーションの可用性と信頼性を向上させます。

開発環境

  • Windows 11 Home 22H2 を使用しています。
  • WSL の Ubuntu を操作していきますので macOS の方も参考にして頂けます。

WSL (Microsoft Store アプリ版) ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます

> wsl --version
WSL バージョン: 1.0.3.0
カーネル バージョン: 5.15.79.1
WSLg バージョン: 1.0.47

Ubuntu ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます

$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description:    Ubuntu 22.04.1 LTS
Release:        22.04

Docker ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます

$ docker --version
Docker version 23.0.1, build a5ee5b1

Dapr CLI インストール

インストールします。

$ wget -q https://raw.githubusercontent.com/dapr/cli/master/install/install.sh -O - | /bin/bash

バーションを確認します。

$ dapr --version
CLI version: 1.11.0
Runtime version: n/a

ここまでの手順では、Dapr ランタイムはまだ初期化されていません。

Dapr ランタイムの初期化

Dapr ランタイムを初期化する方法が2種類あります。

No 方法 概要
1 ローカル環境に初期化 Dapr の起動には Redis が必要なので Redis の環境を個別に用意する必要があります。
2 Docker 環境に初期化 Dapr の起動に必要である Redis コンテナもセットで環境が初期化されます。
※ 公式での推奨

ローカル環境に初期化

この記事ではこちらの方法は試みません。

初期化

$ dapr init --slim

※ Dapr ランタイムをアンインストールする場合

$ dapr uninstall

Docker 環境に初期化

この記事ではこちらの方法を実施します。

Docker 環境の起動を確認します。

$ docker --version
Docker version 24.0.4, build 3713ee1

初期化します。

$ dapr init

出力

⌛  Making the jump to hyperspace...
ℹ️  Container images will be pulled from Docker Hub
ℹ️  Installing runtime version 1.11.2
→  Downloading binaries and setting up components...
Dapr runtime installed to /home/hiroxpepe/.dapr/bin, you may run the following to add it to your path if you want to run daprd directly:
    export PATH=$PATH:/home/$USER/.dapr/bin
✅  Downloading binaries and setting up components...
✅  Downloaded binaries and completed components set up.
ℹ️  daprd binary has been installed to /home/$USER/.dapr/bin.
ℹ️  dapr_placement container is running.
ℹ️  dapr_redis container is running.
ℹ️  dapr_zipkin container is running.
ℹ️  Use `docker ps` to check running containers.
✅  Success! Dapr is up and running. To get started, go here: https://aka.ms/dapr-getting-started

Dapr ランタイムをアンインストールする場合には以下のコマンドを実行します。

$ dapr uninstall --all

コンテナの起動状況を確認します。

$ docker ps | grep dapr
35cd134c3331   openzipkin/zipkin    "start-zipkin"            4 minutes ago   Up 4 minutes (healthy)   9410/tcp, 0.0.0.0:9411->9411/tcp, :::9411->9411/tcp   dapr_zipkin
95b45d0675e7   daprio/dapr:1.11.2   "./placement"             4 minutes ago   Up 4 minutes             0.0.0.0:50005->50005/tcp, :::50005->50005/tcp         dapr_placement
0bd11951aa9d   redis:6              "docker-entrypoint.s…"   5 minutes ago   Up 5 minutes             0.0.0.0:6379->6379/tcp, :::6379->6379/tcp             dapr_redis

初期化後

以下のディレクトリに Dapr ランタイムがインストールされています。

 /home/$USER/.dapr/bin  

再度バーションを確認します。

$ dapr --version
CLI version: 1.11.0
Runtime version: 1.11.2

ここまでの手順で、Ubuntu に Dapr ランタイムをインストールすることができました。

Dapr API を使用してみる

Dapr ランタイムの起動

Dapr サイドカーを実行します。

この例では、空のアプリケーションをポート 3500 でリッスンする Dapr サイドカーが起動されます。

$ dapr run --app-id hello-dapr --dapr-http-port 3500

出力の一部

ℹ️  Checking if Dapr sidecar is listening on GRPC port 45501
ℹ️  Dapr sidecar is up and running.
✅  You're up and running! Dapr logs will appear here.

停止したい場合、別ターミナルで以下のコマンドを実行します。なお、エラーで起動出来ていない場合は停止できないようです。

$ dapr stop --app-id hello-dapr

別ターミナルから、Dapr Dashboard で確認します。

$ dapr dashboard -p 9999
Dapr Dashboard running on http://localhost:9999

image.png

API で操作してみる

別ターミナルから Dapr API で値を登録します。

$ curl -X POST -H "Content-Type: application/json" -d '[{ "key": "name", "value": "Michael Jackson"}]' http://localhost:3500/v1.0/state/statestore

続けて Dapr API で値を取得してみます。

$ curl http://localhost:3500/v1.0/state/statestore/name

出力

"Michael Jackson"

Dapr の Redis コンテナを調べて状態を確認します。

Redis CLI を使用します。

$ docker exec -it dapr_redis redis-cli

Redis CLI
※ exit で操作を抜けます。

> keys *
1) "hello-dapr||name"
> hgetall "hello-dapr||name"
1) "data"
2) "\"Michael Jackson\""
3) "version"
4) "1"

このように、Dapr API で操作した値が、Redis コンテナに保存されています。

Dapr API で値を削除します。

$ curl -v -X DELETE -H "Content-Type: application/json" http://localhost:3500/v1.0/state/statestore/name

Redis コンテナを確認すると値が削除されています。

> keys *
(empty array)

まとめ

  • Dapr CLI をインストールして Dapr ランタイムを構築し、 Ubuntu の Docker 環境にて Dapr API の動作を確認することが出来ました。

どうでしたか? WSL Ubuntu に Dapr CLI をインストールして Dapr ランタイムを構築できます。ぜひお試しください。今後も Ubuntu の開発環境などを紹介していきますので、ぜひお楽しみにしてください。

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参考資料

Dapar Getting started

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