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Microsoft Azure CLI を Ubuntu にインストールする

Last updated at Posted at 2023-03-06

Microsoft Azure CLI を Ubuntu にインストールする

こんにちは、@studio_meowtoon です。今回は、WSL の Ubuntu 22.04 に Microsoft Azure CLI をインストールする手順を紹介します。
azure_on_ubuntu.png

目的

Windows 11 の Linux でクラウド開発します。

こちらから記事の一覧がご覧いただけます。

実現すること

Windows 11 の WSL Ubuntu 22.04 に Microsoft Azure CLI をインストールします。

Microsoft Azure を操作する場合、Web ブラウザ上のポータルサイト Azure Portal を使用する方法があり、そちらが一般的です。 しかし、この記事では Azure CLI を使用して Azure 環境を直接コマンドから操作することで、Azure CLI の基礎的な使い方を学習することを目的としています。ご注意ください。

技術トピック

Microsoft Azure CLI とは?

こちらを展開してご覧いただけます。

Microsoft Azure CLI

Microsoft Azure CLI は、Microsoft Azure のクラウドプラットフォームを操作するためのコマンドラインインターフェースです。

Azure CLI を使うことで、仮想マシンの管理やストレージの操作、デプロイの自動化などをコマンドで行うことができます。Python で実装されており、Windows、macOS、Linux などのプラットフォームで動作します。また、Azure CLI は、Azure PowerShell や Azure Portal と並んで、Azure を操作するための主要なツールの一つです。

開発環境

  • Windows 11 Home 22H2 を使用しています。

WSL の Ubuntu を操作していきますので macOS の方も参考にして頂けます。

WSL (Microsoft Store アプリ版) ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます

> wsl --version
WSL バージョン: 1.0.3.0
カーネル バージョン: 5.15.79.1
WSLg バージョン: 1.0.47

Ubuntu ※ こちらの関連記事からインストール方法をご確認いただけます

$ lsb_release -a
No LSB modules are available.
Distributor ID: Ubuntu
Description:    Ubuntu 22.04.1 LTS
Release:        22.04

この記事では基本的に Ubuntu のターミナルで操作を行います。

Azure CLI インストール

Microsoft Azure CLI のリポジトリを登録します。

$ echo "deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/azure-cli/ $(lsb_release -cs) main" | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/azure-cli.list
説明を開きます。

このコマンドは、Linux 上で Azure CLI を使用できるように、Azure CLI のパッケージが含まれている Microsoft のリポジトリUbuntu に登録するためのものです。

コマンド 内容
echo 指定された文字列を表示します。"deb [arch=amd64] https://packages.microsoft.com/repos/azure-cli/ $(lsb_release -cs) main" 追加するリポジトリのURLを示します。
| 左側のコマンドの出力を右側のコマンドの入力に渡します。
sudo スーパーユーザー権限でコマンドを実行するためのものです。
tee 標準入力から受け取ったデータを、標準出力に表示すると同時に、ファイルに書き込むことができます。 /etc/apt/sources.list.d/azure-cli.list 書き込むファイルのパスを示します。

具体的には、echo コマンドを使ってリポジトリの情報を表示し、tee コマンドを使ってその情報を /etc/apt/sources.list.d/azure-cli.list というファイルに書き込んでいます。$(lsb_release -cs) は、現在の Ubuntu のバージョンを表すコードで、この部分は実行環境に応じて自動的に置き換えられます。そして最後に、sudo を使ってスーパーユーザー権限で実行しています。

パッケージ署名キーをインポート

$ curl -L https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | sudo apt-key add -
説明を開きます。

このコマンドは、Microsoft が提供するリポジトリからパッケージをインストールするために必要な公開鍵を取得し、システムに追加しています。

コマンド 内容
curl URL https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc からデータをダウンロードします。-L オプションを使用することで、リダイレクトがあった場合にも自動的にたどります。
| ダウンロードしたデータを sudo apt-key add - コマンドに渡します。このコマンドは、ダッシュ - を引数として渡しています。ダッシュを引数として渡すことで、標準入力からデータを受け取るように指定しています。つまり、先ほど curl コマンドでダウンロードしたデータを apt-key add コマンドに渡しています。
sudo apt-key add コマンドを root 権限で実行しています。このコマンドは、/etc/apt/trusted.gpg.d/ ディレクトリに Microsoft の公開鍵を追加するために使用されます。これにより、後続の apt コマンドが Microsoft のパッケージを信頼できるものとして扱うことができます。

Azure CLI インストール

$ sudo apt update
$ sudo apt install azure-cli

sudo apt install コマンドを使用して、Azure CLI のパッケージをインストールします。

Azure CLI のバージョンを確認します。

$ az --version
azure-cli                         2.45.0
core                              2.45.0
telemetry                          1.0.8
Dependencies:
msal                              1.20.0
azure-mgmt-resource             21.1.0b1

Microsoft Azure のアカウントを取得

Azure を利用するには、アカウントの作成とクレジットカードの登録が必要です。登録すると、最初の1か月間は無料で利用できるクレジットが提供されます。初心者の方でも安心して始められるので、ぜひアカウントを作成してみてください。

Azure にサインイン

Azure アカウントにサインインします。

$ az login

WEBブラウザが立ち上がりますのでそちらでログインします。
azure_1ed.png
ログインが成功した場合、以下のようにターミナルに出力されます。

A web browser has been opened at https://login.microsoftonline.com/organizations/oauth2/v2.0/authorize. Please continue the login in the web browser. If no web browser is available or if the web browser fails to open, use device code flow with `az login --use-device-code`.
The following tenants don't contain accessible subscriptions. Use 'az login --allow-no-subscriptions' to have tenant level access.
xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx 'AWESOME'
[
  {
    "cloudName": "AzureCloud",
    "homeTenantId": "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "id": "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "isDefault": true,
    "managedByTenants": [],
    "name": "AWESOME",
    "state": "Enabled",
    "tenantId": "xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx",
    "user": {
      "name": "awesome@company.com",
      "type": "user"
    }
  }
]

※ Azure CLI を最新バージョンに更新する場合は、以下のコマンドを入力します。

$ az upgrade

Azure 環境の操作

Azure CLI を使って、簡単な Azure 環境の操作方法をご紹介します。

リソースグループの操作

Azure リソースの命名規則と制限について、Microsoft は公式ドキュメントで公開しています。学習者の方々が現時点で気にする必要はありませんが、最初から規則に従ってリソースを作成することで、将来の業務でも混乱を避けることができます。

リソースグループを作成してみます。

Microsoft.Resources/resourceGroups
$ az group create \
    --name rg-hello \
    --location japaneast

成功した時のレスポンスは以下のようになります。

{
  "id": "/subscriptions/xxxxxxxx-xxxx-xxxx-xxxx-xxxxxxxxxxxx/resourceGroups/rg-hello",
  "location": "japaneast",
  "managedBy": null,
  "name": "rg-hello",
  "properties": {
    "provisioningState": "Succeeded"
  },
  "tags": null,
  "type": "Microsoft.Resources/resourceGroups"
}

リソースグループを表示してみます。

$ az group show \
    --name rg-hello

リソースグループを作成した時と同じレスポンスが返ります。

※ リソースグループを削除する場合は以下のコマンドです。

$ az group delete -n <group>

これで Ubuntu に Azure CLI をインストールして初歩的な操作をしてみることができました。この記事では Azure CLI のインストールが目的ですので、今後の記事でより詳細な操作方法を紹介していきます。

Microsoft 公式リファレンスはこちらです。

まとめ

  • Window 11 の WSL Ubuntu 22.04 LTS に、Azure CLI をインストールして初歩的な Azure 環境の操作をすることができました。

どうでしたか? WSL Ubuntu に、Azure CLI を手軽にインストールすることができます。ぜひお試しください。今後も、開発に必要な環境構築手順などを紹介していきますので、お楽しみに。それでは失礼します。

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