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NetApp Astra とは

Last updated at Posted at 2021-06-23

初版: 2021/6/24
2021/8/7 Astra Control Centerの情報追記
2021/10/3, 2022/2/2 新しい記事のリンクを追加

Screen Shot 2021-06-23 at 17.41.24.png

はじめに

NetAppは、Kubernetes環境のアプリケーションのデータライフサイクルを管理するサービス「NetApp Astra」の提供を始めました。
Astraを使用することで、Kubernetesアプリケーションのバックアップや別のクラスターへのデータ移行、作業中のアプリケーションクローンの作成などを簡単に行うことができます。

本投稿はこのAstraの概要について記載していきます。

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NetApp Astra のサポート環境

NetApp Astraを使用できるプラットフォームは、次のとおりです。

  • Google Kubernetes Engine(GKE) 2021年3月 提供開始済み
  • Azure Kubernetes Service(AKS) 2021年4月 提供開始済み
  • Amazon Elastic Container Service(ECS) 近日リリース予定
  • オンプレミス 2021年8月6日 提供開始済み

Astra の提供モデル

Astraの提供形態には、クラウドとオンプレで次の2つのモデルがあります。

1. Astra Control Service

AstraをAzure AKS および Google GKEなどのKubernetesマネージドサービス上で利用するためのソフトウェアで、SaaSとしてNetAppが提供

2. Astra Control Center

Astraをオンプレミス上のお客様のKubernetesクラスタ上で利用するためのソフトウェア
お客様にてインストール、管理する必要があります。

Astraに対応するストレージ

Astraは現在、以下の永続的ボリュームをバックエンドストレージとして使用できます。

NetApp Astraで永続ボリュームをKubernetesにプロビジョニングする際は、NetAppのTrident と呼ばれるコンテナストレージインタフェースが使われています。
このTridentが、NetApp ONTAPやNetApp Cloud Volumesなどのストレージプラットフォーム上に永続ボリュームを作成します。

Astraがサポートするアプリケーション

Astra Control Serviceは、お客様のKubernetesクラスター上で動作するすべてのアプリケーションをサポートします。
ただし、GKEクラスタ上にGoogleマーケットプレイスからデプロイしたアプリケーションの場合は、制限 がありますのでご注意ください。

Astraの特徴

シンプルで簡単に、オンプレでもクラウドでも、同じUIから同じ機能が利用できる

Astra ControlにKubernetesクラスタを登録すると、Astraはクラスタで実行されている全てのアプリケーションを自動的に検出します。

アプリケーションデータの格納先である永続ボリューム(Persistent Volume)だけでなく、Kubernetesリソース(Pod、Secret、ConfigMapなど)や関連するマニフェストのバックアップ、リカバリ、クローン作成、また別のKubernetesクラスタに移動するなど、UIから数回クリックするだけで簡単にデータの管理を行うことができます。

また、Astra Controlはクラウド、オンプレに関わらず共通したAPIを提供します。
これによりアプリケーションが実行される場所(インフラ)を抽象化し、アプリケーションのポータビリティを高めることができます。
Astra Control上での操作を簡単に行うためのPythonのツールキットも提供しています。

ユースケース

1. スナップショットによるデータ保護

スナップショットのコピーをローカルに定期的に保存しておくことで、誤って削除したり破損したりしたデータを復元することができます。

2. リモートバックアップによるディザスタリカバリ

同じまたは異なるReagionのKubernetesクラスタにリストアすることができます。

3. アプリケーションのポータビリティを実現

場所を問わず、異なるクラウドのマネージドKubernetesサービス間や、オンプレ上の異なるKubernetesディストリビューション間においても、アプリケーション環境のポータビリティを実現できます。

利用料金について

Astraを使用する際には、Kubernetesクラスタなどのクラウド利用料の他に以下の費用がかかります。

  • Astra Control Service の費用 (NetAppからの請求)
  • データ保護のためのボリューム、オブジェクトストレージなどクラウド利用料金 (クラウドプロバイダからの請求)

Astra Control Service の料金プラン

① 無料プラン

  • Astra Controlのアカウントを作成すると、自動的に無料プランに登録されます。
  • 10アプリケーションまでは無料でお使いいただけます。
  • Astraの無料トライアルは、こちらのページよりお試しいただけます。

10アプリケーションを超えた場合は、アカウント内のすべての管理対象のアプリケーションに対して課金を開始します。(最初の10アプリケーションに対しても課金が発生します)
1アプリケーションにつき1分ごとに$0.005の料金がかかります。

② Premium PayGo プラン

無料プランを利用中で、アプリケーション数が10を超えた場合はこのプランに自動的に変更されます。
Astra Controlのアカウントをまだお持ちでない場合は、Premium Subscriptionを購入すると、自動的にAstra Controlのアカウントが作成されます。

③ Premium サブスクリプション

年間契約の前払いプランです。利用量に応じて割引きが付与されます。

Google Cloud の費用

Astra Control ServiceでGKEクラスターを管理する場合、永続ボリュームはNetApp Cloud Volumes Serviceでバックアップされ、アプリケーションのバックアップはGoogle Cloud Storageのバケットに保存されます。

  • Cloud Volumes Serviceの価格はこちらを参照ください。
  • Google Cloud Storageの価格こちらを参照ください。

Astra Control Serviceは、Cloud Volume Serviceのすべてのサービスタイプとサービスレベルをサポートしています。
使用できるサービスタイプは、お使いの Google Cloud のリージョンによって異なります。

Microsoft Azure の費用

Astra Control ServiceでAKSクラスターを管理する場合、永続ボリュームはAzure NetApp Filesでバックアップされ、アプリケーションのバックアップはAzure Blobコンテナに保存されます。

  • Azure NetApp Filesの価格はこちらを参照ください。
  • Microsoft Azure Blobストレージの価格はこちらを参照ください。

まとめ

昨今ではKubernetes環境で動かすワークロードの種類が増えてきており、ステートフルなアプリケーションへの適用例も出てきました。

コンテナ自体やKubernetesのコンポーネントは共有レジストリ/リポジトリを使って管理できますが、ステートフルなアプリケーションを運用するためには、アプリケーションのデータを含めたシステム全体の構成管理やポータビリティの確保が必要です。
また、Kubernetesではコンテナの可用性は担保できますが、コンテナが落ちた時にアプリケーションデータの整合性を担保したり、すぐに別の環境に切り替える、といったことはできませんので、アプリケーションデータの保護を効率的に行う仕組みも検討しなくてはなりません。

NetApp Astraは、こうしたKubernetesのデータ管理の課題を解消するために開発されたソリューションです。
次回以降、このAstraが実際どのようなものなのか、詳しく解説していきたいと思います。

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