はじめに
こんにちは、2025 Japan AWS Jr. Championsのsrkwrです!
この記事は、「身の回りの困りごとを楽しく解決! by Works Human Intelligence Advent Calendar 2025」20日目の記事です。
私が2025 Japan AWS Jr. Championsへ応募した際、次の目標を掲げました。
若手社内エンジニアが、社外エンジニアと楽しくつながれる場を生み出したい
本記事では、AWSをきっかけに、この目標を形にするまでの体験をまとめます。
本記事は技術Tipsではなく、技術を起点に「場づくり」に取り組んだ体験談です。
社外とのつながりが成長の転機になった
私はAWS未経験の状態からエンジニアとしてのキャリアをスタートしました。
それでも今では、JAWS-UG(AWS User Group – Japan)の公共分野支部であるGov-JAWSを立ち上げ、運営しています。
仕事を通じて学んだことももちろんありますが、この3年間でJapan AWS Jr. Championsに選出されるほど成長できた背景には、社外のエンジニアとの対話や、コミュニティでのインプット・アウトプットを積み重ねてきたことが大きかったと感じています。
私の場合は特に、社外とのつながりから次のような価値を得られました。
- 客観的なフィードバックを得られた
- ロールモデルに出会えた
- 実務の知見・ノウハウが手に入った
- アウトプットが磨かれた
特に「社外からの視点」が入ることで、自分の現在地や、次に伸ばすべき方向が明確になったと感じています。
それでも若手や初学者は社外に出づらい
一方で、若手や初学者ほど「社外とつながる」ことにハードルを感じやすいと思います。
コミュニティ(特にJAWS-UG)は誰でも歓迎されるオープンな場ですが、私自身も最初は参加することに抵抗がありました。
そこには次のようなハードルがあると感じています。
- 時間:業務外の自己投資になりがちで、目的がないと後回しになる
- 心理:「もう少し勉強してから」「アウトプットできるレベルじゃない」と思い込んで踏み出せない
- 情報:何を話して良くて何がNGか判断が難しく、慎重になりすぎる
- 接点:一人で行くと誰とも話せない不安があり、最初の一歩が重い
社外とのつながりが成長に効く一方で、若手や初学者は「行ってみたいのに行けない」状態になりがちです。
「行ってみたいのに行けない」という最初の一歩の重さを、仕組みで解決できないかと考えました。
4つのハードルを個人の意思や努力ではなく仕組みで下げる
4つのハードルを個人の意思や努力に委ねるのではなく、壁そのものを下げる設計にするため、要件を次の4つに整理しました。
- 参加の目的が明確(何のために行くかが分かる)
- 初学者でも参加しやすい(心理的安全性がある)
- 業務アウトプット不要(守秘・発信リスクを避けられる)
- 社外エンジニアと自然に混ざれる(会話が生まれる設計)
学びと交流が同時に起きるAWS Jam
要件に当てはまる仕組みを探す中で、AWS Jamに出会いました。
AWS Jamは、AWSサービスを使って現実世界の課題にチームで取り組む、ゲーム化された学習イベントです。
学習イベントでありながら、チームで試行錯誤しながら攻略するゲームのような楽しさがあります。
業務情報を持ち出さなくても成立し、初学者でも手を動かして学べます。
さらに、同じゴールに向かって一緒に試行錯誤するので、会話が「交流のため」ではなく「課題を解くため」に自然と生まれます。
なぜAWS Jamがハードルを下げられたのか
- 時間:学習×交流の価値が明確で、「行く理由」を説明しやすい
- 心理:「学ぶ前提の場」なので、“話せることがない”不安が小さくなる
- 情報:業務アウトプットが不要で、守秘・発信リスクを避けられる
- 接点:同じ課題をチームで解くため、会話のきっかけが最初から用意されている
つまり、先ほどの4つの要件をまとめて満たせたのがAWS Jamでした。
Works Human Intelligence様とAWS Jamコラボ開催
「AWS Jamなら、若手が社外とフラットに、しかも楽しくつながれる場が作れる」
そう確信したので、まずは実際にイベントとして形にしてみることにしました。
今回は、私たちの「若手社内エンジニアが社外エンジニアとフラットにつながれる場を作りたい」という想いに共感いただいたWorks Human Intelligence(以下、WHI)様とご一緒し、富士通のUvance Innovation Studio(以下、UIS)でオフライン開催しました。
再現時のヒントになるよう、当日の様子をできるだけ具体的に記載します。
開催サマリ
- 形式:オフライン
- 参加人数:33名
- 満足度:平均 4.83 / 5
- 参加者:AWS学習1年以内の初学者、未経験者が半数
- 会場:UIS
UISは、企業や業種などの垣根を越えた共創を目指す場として紹介されています。
また今回、趣旨に共感いただいたWHI様には、当日まで運営面でも多大なご協力をいただき、非常に心強かったです。
タイムテーブル
- 17:45 受付
- 18:00 ルール説明 & アイスブレイク
- 18:15 AWS Jam 開始
- 19:30 中間発表 & 作戦会議 & 食事休憩
- 19:45 再開
- 20:45 結果発表 & 景品授与 & 記念撮影
- 21:00 終了(希望者は任意の懇親会)
- 22:30 完全撤収
アイスブレイクや休憩(作戦会議・食事)を置いたことで、集中しっぱなしにならず、チーム内の会話も温まりやすかったと感じています。
また、景品も順位だけでなく「盛り上がり」などの観点を入れ、初心者も含めて楽しさと交流が起きやすい場づくりを意識しました。
チーム編成
- WHI様と富士通が必ず同じチーム人数になるよう編成(例:WHI 2人/富士通 1人)
- 初学者がいるチームは4人にするなど、調べながらでも貢献できる人数に調整
「社外エンジニアと自然に混ざれる」を設計で担保するために、ここはかなり意識して組みました。
参加者の声
学びに関する声としては、たとえば次のようなコメントが多く寄せられました。
- 「使ったことのないサービスや、知識でしか知らなかったものを構築できた」
- 「ユースケースを通じてAWSコンソールを初めて触れたのが良かった」
また交流面でも、
- 「他社のエンジニアと話せたのが楽しかった」
- 「はじめて他社のエンジニアと交流する機会を得たが、もっと早く参加すればよかった」
といった声があり、社内外の交流のきっかけとして有意義な時間になりました。
イベント後の懇親会でも、お互いを知る時間が生まれました。
次回以降の開催も予定しており、「単発で終わらない」手応えも得られています。
今回やってみて分かったこと
今回やってみて、特に効いたのは次の2点でした。
- 社内外で混ざる設計をチーム編成で担保すると、交流が偶然に依存しない
- 表彰軸を順位だけにせず「盛り上がり」も拾うと、初学者も含めて場が温まりやすい
次にやりたいこと
- 一度で終わりではなく、より多くの会社を巻き込み、いろんなエンジニアと交流できる仕組みにしたい
- AWS Jamだけでなく、AWS様とも協力しながら複数のイベントを継続的に提供していきたい
おわりに
今回は「社外とつながりたいのに最初の一歩が重い」という困りごとを、AWS Jamという学習イベントの形にすることで、個人の意思や努力に頼らず楽しく踏み出せる仕組みとして解決することを目指しました。
今回は参加33名、満足度4.83 / 5、初学者・未経験が半数という形で、最初の一歩が踏み出しやすい場にできました。
次回以降も複数社での開催につながり始めています。
今後もこの困りごとを解決するために、複数の会社やJapan AWS Jr. Championsと協力しながらより良い形へ磨いていきたいと思います。
この取り組みが、同じ悩みを持つ方のヒントになれば幸いです。
本イベントの立ち上げから当日の司会・運営に至るまで多大なご協力をいただいた、WHI 2025 Japan AWS Jr. Championsの星さんならびにWHIの運営の皆様に、心より御礼申し上げます。
