はじめに
コードを書いている最中に、手が止まる瞬間があります。
「今日、自分に割り当てられているバグってどれだっけ」。エディタから離れて課題管理ツールを開き、自分宛ての課題を優先度順に並べ替え、内容を読んで、またエディタに戻る。直したら直したで、今度はステータスを変えて、工数を入力して、コメントを残す。手を動かす作業そのものより、この行ったり来たりのほうが消耗するんですよね。
一度エディタから意識が外れると、さっきまで頭の中にあった実装の文脈が抜けてしまう。戻ってきて「どこまでやってたっけ」と思い出すところから再開する。この小さなロスが、1日に何度も積み重なります。
最近は、この「ツールの往復」をだいぶ減らせるようになりました。今回は、コードを書いている画面を離れずに、課題の確認から修正後の記録までを片付ける進め方を紹介します。使うのは、ONES.comの次の2つです。
- ONES Project:課題やバグを登録して、担当者・優先度・ワークフローを管理するプロジェクト管理のツールです。
- ONESのMCPサービス:お使いのAIコーディングツール(CursorなどのMCP対応クライアント)を、ONESに直接つなぐための接続サービスです。
ここで使うのは、ONESの画面に組み込まれたAI「ONES Assistant」ではありません。手元のIDEにいるAIコーディングツールが、ONESのMCPサービスを通じてONESの課題データを読み書きする、という構成です。主役はあくまで、普段使っているエディタのほうなんです。
💡 エディタのAIに、ONESの課題を直接渡す
MCP(Model Context Protocol)は、AIツールと外部のデータをつなぐための共通の約束ごとです。ONESはこのMCP経由で60種類以上の操作を公開していて、課題の検索・作成・更新、ワークフローの実行、工数の記録などをIDE側から呼び出せます。
つなぎ方はいたって簡単です。ONESの「マイプロフィール > 認可済みMCPクライアント」でサーバーアドレスをコピーし、お使いのAIコーディングツール側に設定します。初回はブラウザでONESの認可画面が開くので、許可する権限範囲(課題の参照・作成・更新など)を選んで認可すれば、それで接続完了です。

あとは、いつものエディタでAIに話しかけるだけです。「今週わたしに割り当てられているバグを、優先度が高い順に出して」と頼むと、ONES Projectから該当する課題を拾って一覧にしてくれます。そのまま「一番上のバグの詳細と、過去の似た事例を見せて」と続ければ、課題の内容や関連する対応履歴も、エディタを離れずに確認できます。

修正が終わったら、書き戻しも同じ流れです。「このバグ、修正できたのでステータスを『完了』に更新して、作業時間を2時間で記録しておいて」と伝えれば、ONES Project側の課題が更新されます。コードを書く画面から一歩も出ずに、確認から記録までが一本の会話でつながるわけです。

📋 そのまま使える依頼テンプレート
漠然と「バグ見せて」と投げると、対象がぼやけて余計なものまで出てきます。次のように条件を渡すと、その日すぐ着手できる形で返ってきます。
ONESの課題から、次の条件で作業対象を整理してください。
・対象:わたしに割り当て済み かつ 未クローズのバグ
・並び順:優先度の高い順
・各件について:課題ID / タイトル / 優先度 / 現在のステータス を一覧に
一番上の課題については、詳細と過去の類似事例(クローズ済み含む)も
続けて表示してください。
条件の部分を自分の運用に合わせて書き換えるだけです。チームで共有しておくと、誰が使っても同じ粒度で「今日やるべきバグ」がそろうので、依頼文をひとつ雛形として残しておくのがおすすめです。
⏱ 1件あたり5分の往復が、ほぼゼロに
いちばん効いたのは、コンテキストスイッチが減ったことです。以前はバグ1件を対応するたびに、課題を探す・状況を確認する・直す・ステータスと工数を入力する、と何度もツールを切り替えていました。この切り替えと入力だけで、1件あたり5分前後は取られていた感覚があります。
今はその大半がエディタ内の会話で片付くので、実装の流れを途切れさせずに進められます。特に工数記録のような「後回しにしがちな作業」を、直した直後にその場で済ませられるのが大きいです。記録漏れが減って、あとから工数を思い出して埋める作業もなくなりました。
⚠️ 権限の外は、見えないし触れない
便利な一方で、気をつけている点もあります。
MCP接続は、認可した本人の権限をもとに動きます。ですから、自分が参照や編集を許可されていない課題は、AIからも見えませんし、更新もできません。「検索しても出てこない=存在しない」ではなく、「自分の権限の範囲に入っていないだけ」かもしれない、と考えておくと安全です。
もうひとつ、認可する権限範囲を絞ると、できることもその分だけ変わります。たとえば作成権限を外していれば、課題作成や工数記録は実行できません。使わなくなったクライアントの認可は、余計なアクセスを残さないよう、早めに取り消しておくと安心です。
そしてAIが返す修正案や過去事例は、あくまでたたき台です。最終的な判断は自分の目で確かめてから反映する、という前提は変わりません。
おわりに
バグ対応そのものより、その前後の「探す・記録する・画面を移る」に体力を使っている。心当たりのある方は、案外多いのではないでしょうか。この周辺の手間を、普段使っているエディタのAIにそのまま肩代わりしてもらえると、集中が途切れる回数がぐっと減ります。
IDEとONESを毎日行き来している方は、ONES.com で接続を試してみてください。自社の環境でどうつなぐか相談したい場合は、support@ones.com までお気軽にどうぞ。
