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既存サービスでPRスループットを2倍にする:AI前提の開発フロー設計

Last updated at Posted at 2025-11-09

「AIを活用して、PR数を2倍(開発生産性を向上させる)」というテーマで、何をどう変えるかを整理した。実験していくための事前整理なので、参考程度に。

目的

シンプルに価値生産力を高めること。
webサービスを成長させていくために、価値検証速度を上げていく源泉になる。

対象

既存のwebサービス。
新規プロダクトの話はよくあるが、保守性を考慮した時に、あまり参考にならないな、そのまま適用できないなと感じることが多かった。この制約のもと何ができるのかを考える必要があった。

開発メンバー

6人。
PdM、フルスタック、フロントエンド、バックエンド3人、インフラ。
組織で働いているため、別プロダクトのPJTに入っているメンバーもいる。
この小人数でプロダクトの価値生産力を向上させることは、仮説検証頻度を上げられてかなりインパクトが大きそう。

開発フロー

要件定義→設計→実装→テスト→リリース。
CI/CDで品質をチェックしながらスムーズに出せるようになっている。

指標

PR数を置いていいる。
ちゃんと測る体制が整えられてないので、簡単に計測して変化を捉えられる指標にした。
2倍というのは雑においた。AIでこのくらいの変化が起きたら結構感動だなと思えそうなライン。
PRを細かくすればいいという安直な方向にいくリスクがあるので、チームで振り返る場を定期で行う。

現状

過去3ヶ月は140PRだった。
280PRを目指したい。

Q. 4keysではないの?

確かに、安定的なフロー効率の維持を考えた時に、その他指標も計測していく必要はあるかもしれない。しかし現プロダクトではインシデントは年間で3件ほどでクリティカルなものではないので優先度を下げている。また、今回AIで大きく変化をさせることに集中したいので、その他メトリクスはいったん管理コストもあるので省いた。
ただし、インシデントが増えるとか、後々負債が増えて結局生産性落ちてるとかは意識していく必要はある。

AIを活用する方針

基本的にclaude, codexを活用していく。
要件定義、設計書をmcpで読み込ませながら開発を進めていく。
文書はatlassianのconfluenceで、チケットはjiraで管理している。

考えた開発フロー

image.png

数字

わかりやすいように現状を合計100で置いている。
比率は開発経験に基づいて仮説ベースで大体の比率を描いている。
一般的な比率と比較してみても、大きくはずれてなさそう。
設計途中からは一部実装しながら考えるみたいなこともあって実装比率が少し高いかなという印象。

参考:ソフトウェア開発データ白書2018-2019 情報通信業編

7.1.2 工程別工期:改良開発
image.png

方針

実装を極力0に近づける。
実装の自動化はAIサービスまわりの変化が激しいが、投下した分だけ成果が返りやすい“レバレッジ領域”でもある。だから実装まわりを重点的に攻める価値が高いと判断した。
その前提で思い通りに実装してもらうためには、人力を上流に投下することが重要であると考えている。AIを活用しつつも、より詳細な、AIでもスムーズに実装できる文書を作っていきたい。

比率は、設計:実装:テスト=7:2:1としている。

現状の実装

  1. 設計書を読んでAI実装
  2. 内容の確認
  3. PR作成
  4. レビュー(with AI)
  5. 修正
  6. レビュー

理想の実装

  1. AIが実装&PR作成
  2. AIレビュー
  3. AI修正
  4. 人間レビュー

自動化の順序

実装タスクを「影響度 × 反復性」で分類し、AI活用の当たりどころを見極めたいが、現時点で完全にパターン化するのは正直まだ難しい。

そのため、まずは“観点”だけをチームで共有し、振り返りの中で少しずつ分類の精度を上げていく。

ここまでの方針を考えるにあたっての気づき

PR数が2倍≠実装速度が2倍 であるということ。
全体のフロー効率を2倍にするためには、実装速度を10倍にしなくてはならなそう。ひえぇ。
開発生産性についてちゃんとかんがえていなかったので、勉強しながら整理してみてわかった。
ここらへんのフロー効率や4keysを考えるにあたり大きく参考になったのは広木さんの記事。
非常に参考になるので、中でリンクされている記事まで見て欲しい。

まとめ

いったん開発生産性について学びつつ、現状を整理し、方針を立ててみた。
様々なリスクや障壁があると思うが、試す仮説としては悪くないと思う。
結果は取り組んでみてからのお楽しみ。

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