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再帰共通テーブル式で連続した値を得る

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一人アドカレ

ポスト
1 一時テーブルが存在していたら削除する
2 何度も使う中間テーブルに名前をつけてクエリを見やすくする
3 共通テーブル式と一時テーブルの参照可能な範囲の違い
4 グループ毎に最大値や最小値を持つレコードを抽出する
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6 SQL Serverのデータインポートウィザードを使って日時データをインポートする
7 再帰共通テーブル式で連続した値を得る
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再帰共通テーブル式で連続した値を得る

課題

WITH句を使用した共通テーブル式を再帰的に使用し、1から100や2019/12/01から2019/12/31までなどの連続した値を出力する。

準備

実行環境

  • SQL Server 2017 Standard
  • SQL Server Management Studio 2017

解法

共通テーブル式については『何度も使う中間テーブルに名前をつけてクエリを見やすくする』で扱った。

このWITH句を使用した共通テーブル式には自己参照を含めることができ、これを再帰共通テーブル式という。自己参照を含める、というのはどういうことか説明するためにまず、仮のコードを次に示す。

再帰共通テーブル式の構造はざっくり説明すると

WITH [共通テーブルの名前] ( [共通テーブルの持つ列], ... )
  AS ( [アンカーメンバー]
       UNION
       [再帰メンバー] )
SELECT文とか...

となっている。

[共通テーブルの名前][共通テーブルの持つ列] というのは、最終的に共通テーブル式を使って出来上がったテーブルは なんていう名前 で、 どんな名前の列を持っている か、を示してあげるものだ。

[アンカーメンバー] と [再帰メンバー] はどちらもSELECT文を使う。それぞれがもつ役割は次のとおり。

アンカーメンバー:再帰の出発点を与える。
再帰メンバー  :アンカーメンバーの出力を入力に受け取って、条件を満たすなら出力する。
         出力した場合、それを新しいアンカーメンバーの出力として
         再帰メンバーの処理を繰り返す。
         条件を満たさなくなったら出力をやめる。

つまるところ、 アンカーメンバー が再帰処理の開始点で、 再帰メンバー が再帰処理の中身、といった感じだと思っている。

そして、上記の アンカーメンバー の出力を 再帰メンバー へ渡す方法として、 [共通テーブルの名前]再帰メンバー で利用できる。これが 『自己参照を含めることができる』 ということ。

次に実際に動くクエリを示す。
このクエリは1から99までの連番を出力するクエリである。

WITH [some_tbl] ( [number] )
  AS ( SELECT 1 AS [number]   -- このSELECT文がアンカーメンバー
        UNION ALL             -- アンカーメンバーと再帰メンバーはUNION句でつなぐ
       SELECT [number] + 1    -- このSELECT文が再帰メンバー
         FROM [some_tbl]      -- ここでsome_tblというWITH句で定義したテーブルを参照している=自己を参照している=自己参照
        WHERE [number] < 99 ) -- 再帰の終了条件を再帰メンバーの条件に含める
SELECT [number]
  FROM [some_Tbl]
 ORDER BY [number];

共通テーブル式を構成するどれがどれか、というのはコメントを参照するとして、再帰メンバーのFROM句で共通テーブルの名前である[some_tbl]を参照している。これが自己参照になる。
処理の流れとしては…

  1. アンカーメンバーの SELECT 1 が実行されて、出力の 1 が再帰メンバーに渡される
  2. 再帰メンバーがアンカーメンバーの出力の 1 を([some_tbl]を介して)受け取り、クエリを実行する
  3. 再帰メンバーのクエリ実行結果として 2 が出力される
  4. 出力された 2 を再び再帰メンバーへ渡す
  5. 再帰メンバーが出力の 2 を([some_tbl]を介して)受け取り、クエリを実行する
  6. ...ということを、再帰メンバーが出力しなくなるまで繰り返す
  7. 最後に、すべての出力をまとめて[some_tbl]として最終結果とする。

出力としては次のようになる。

number
1
2
3
...
97
98
99

なお、再帰メンバーの再帰回数が一定値を超えるとエラーとなってしまう。
その場合はクエリヒントの MAXRECURSION を使用することで制御が可能である。

感想

一時的に連番テーブルが使いたいときにDBを汚さずに使えるので良いな、と思っています。

参考

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