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先週の PHP 祭りから見えた、業務システムの「止まり方」の共通点と違い — 予防的な停止・障害・計画メンテを、日本・海外・AI の告知 751 件で比べた

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Last updated at Posted at 2026-10-26

2026 年 10 月 21 日の午後から 23 日にかけて、国内の業務システムが次々に止まりました。プログラミング言語 PHP に重大な脆弱性が見つかり、提供元が修正を当てて安全を確かめ終わるまで、自分からサービスを止めたからです(予防的な停止)。いわゆる「PHP 祭り」です。

では、この止まり方は、ふだんの計画メンテナンスや障害と、何が同じで何が違ったのでしょうか。IT連携マップ編集部が集めている提供元の告知 751 件(計画メンテナンス 309 件・予防的な停止 9 件・国内の障害 94 件・海外と AI の障害 339 件)で比べました。

計画メンテナンス、臨時メンテナンス(予防的な停止)、国内の障害を6つの項目で比べた表の図。計画メンテナンス(309 件)は、告知が前もって予告、始まる時間が夜 59%、週末に始まるが35%、長さ(中央値)が5 時間、平日の 9〜18 時にかかるが16%、サービス全体が止まるが44%。臨時メンテナンス(予防的な停止)(9 件)は、告知が直前か、止めてから、始まる時間が夜 67%、週末に始まるが0%、長さ(中央値)が14.9 時間、平日の 9〜18 時にかかるが63%、サービス全体が止まるが56%。障害(国内)(94 件)は、告知が起きてから、始まる時間が夜 11%、週末に始まるが4%、長さ(中央値)が2.8 時間、平日の 9〜18 時にかかるが81%、サービス全体が止まるが15%(つながらない)。

答えは次の 3 つです。

  1. 計画メンテナンス: 59% が夜(21〜6 時)に、35% が週末に始まり、夜に始まったものの 95% は朝 9 時までに終わります。長さの中央値は 5 時間です。
  2. 予防的な停止(臨時メンテナンス): 計画メンテナンスと同じく夜に始まるものが多い(67%)のですが、長さの中央値は 14.9 時間と約 3 倍で、63% が平日の 9〜18 時にかかりました。
  3. 障害: 平日の昼に起きます(81% が平日の 9〜18 時にかかる)。多くは一部の機能だけが止まり、つながらない・ログインできない障害は 15% でした。

止まった理由と時刻は、提供元の公式の情報(ステータスページ・お知らせのページ・公式の X の投稿)を正としました。利用者の報告は補いに使い、IT連携マップ編集部の観測は参考にとどめて、この集計には使っていません。

📎 詳しい表と出典は、完全版の メンテナンスとは と システム障害とは にまとめています。

では、先週は何が起きたのでしょうか。

1. 先週の PHP 祭りでは、何が起きたのか?

2026年10月21日から23日に、PHPの脆弱性の前後で業務システムが止まっていた時間を、提供元の告知の時刻で並べた横棒の図。ジンジャー(勤怠・福利厚生・e-ラーニング・Talentio 以外の全サービス)は10/21 17:00から10/22 5:00までで12 時間(終わりは予定の時刻)、「予防」「セキュリティ」とだけ書いた。freee の 4 サービス(FREENANCE・freeeボード・給与ねっと・freee Eラーニング)は10/21 19:04から10/22 12:56までで17 時間 52 分、理由を書いていない。Garoon(クラウド版)(サービス全体)は10/21 21:00から10/22 3:01までで6 時間 1 分、「予防」「セキュリティ」とだけ書いた。LoGo フォーム(PDF 帳票の設定と出力の機能)は10/21 21:00から10/22 2:09までで5 時間 9 分、理由を書いていない。Chatwork(サービス全体)は10/21 23:00から10/22 0:15までで約 1 時間 15 分、告知に「PHP の脆弱性」と書いた。TKC(会計事務所向け・関与先企業向け・地方公共団体向けの一部)は10/21 23:00から10/23の再開までで約 25〜49 時間(再開の時刻の記載なし)、告知に「PHP の脆弱性」と書いた。弥生のかんたん会社設立(サービス全体)は10/22 0:00から10/22 22:00までで約 22 時間、「予防」「セキュリティ」とだけ書いた。弥生のかんたん開業届(サービス全体)は10/22 0:00から10/23 17:40までで約 41 時間 40 分、「予防」「セキュリティ」とだけ書いた。SPIDERPLUS(SPIDER+・S+Partner・S+Report・S+BIM・S+Collabo)は10/22 8:00から10/23 17:00までで33 時間、告知に「PHP の脆弱性」と書いた。オレンジの点線は、PHPの修正版が公開された10/21の22時30分過ぎ。多くは修正版の公開の前後の夜に止め、修正を当てて確かめてから順に再開した。

2026 年 10 月 21 日の午後から 22 日の午前にかけて、表の 11 のサービスが自分からサービスを止めました。理由に PHP の脆弱性と書いたのは、そのうち 5 つです。提供元の告知で止まった時刻と範囲を確かめると、止まっていた時間は約 1 時間 15 分から約 41 時間 40 分でした。IPA(情報処理推進機構)も、PHP の脆弱性の注意喚起で、暫定の対策が難しい場合は「外部からのアクセス遮断やサービスの一時停止が必要か判断してください」と求めています。

サービス 止まった時間 止まった範囲 告知に書かれた理由(提供元の告知)
Chatwork 約 1 時間 15 分(10/21 23:00〜10/22 0:15) サービス全体 PHP の脆弱性への予防的な対策
TKC 約 25〜49 時間(10/21 23:00〜10/23・再開の時刻の記載なし) 会計事務所向けなどの一部 PHP の脆弱性
SPIDERPLUS 33 時間(10/22 8:00〜10/23 17:00) 5 つのサービス PHP の脆弱性への予防的な対応
ジンジャー 12 時間(10/21 17:00〜10/22 5:00・終わりは予定の時刻) 勤怠など 4 つ以外の全サービス セキュリティを取り巻く状況
Garoon(クラウド版) 6 時間 1 分(10/21 21:00〜10/22 3:01) サービス全体 セキュリティ上の予防的な措置
弥生のかんたん会社設立 約 22 時間(10/22 0:00〜10/22 22:00) サービス全体 予防措置
弥生のかんたん開業届 約 41 時間 40 分(10/22 0:00〜10/23 17:40) サービス全体 予防措置
freee の 4 サービス 17 時間 52 分(10/21 19:04〜10/22 12:56) FREENANCE など 4 つ 書かれていない(告知)
LoGo フォーム 5 時間 9 分(10/21 21:00〜10/22 2:09) PDF 帳票の機能 書かれていない(告知)
BASE 16 時間 10 分(10/21 15:50〜10/22 8:00) サービス PHP の脆弱性
国税庁 約 5 時間 50 分(10/22 10:20 頃〜16:10 頃) 国税庁ホームページ等 PHP の脆弱性

サービスの名前は IT連携マップの稼働状況のページへ、理由は提供元の告知へつないでいます(弥生の 2 つ・freee の 4 サービス・国税庁は、IT連携マップに同じ製品のページが無いので、理由の列の告知だけです)。

表の最後の 2 つ(BASE と国税庁)は、告知が公式の X の投稿と PDF だけだったので、後から原文を確かめて足しました。2 節からの図と数(予防的な停止 9 件)は、表の上から 9 行で数えています。

告知に書かれた理由は 3 通りに割れました。表の 11 のうち、PHP の脆弱性と書いたのが 5 つ、「予防」「セキュリティ」とだけ書いたのが 4 つ、理由を書かなかったのが 2 つです。告知の場所も、お知らせのページ・ステータスページ・X の投稿・PDF に分かれました。告知の名前も「緊急メンテナンス」(Garoon)と「臨時メンテナンス」(freee)に分かれました。止まったことは、攻撃されたことを意味しません。ジンジャーは不正アクセスが発生したためではないと書き、TKC は攻撃を確認していないと書いています。

では、この止まり方は、ふだんのメンテナンスと比べて、いつ始まり、いつ終わったのでしょうか。

2. いつ始まり、いつ終わるのか? — 計画メンテナンスは夜と週末、障害は平日の昼

計画メンテナンスと臨時メンテナンスを1件1本の横棒で、曜日(縦)と時刻(横・日本時間)の上に並べた図。左端が開始、右端が終了。同じシステムが同じ曜日・同じ時間帯に繰り返したものは、太い棒1本と回数で描いた。計画メンテナンス309件は、始まった曜日が月曜日37件、火曜日52件、水曜日39件、木曜日42件、金曜日30件、土曜日48件、日曜日61件で、夜(21〜6時)に始まるのが59%、週末が35%、平日の9〜18時にかかるのが16%。臨時メンテナンス(予防的な停止)9件は、月曜日0件、火曜日0件、水曜日6件、木曜日3件、金曜日0件、土曜日0件、日曜日0件で、夜に始まるのが67%、週末が0%、平日の9〜18時にかかるのが63%。

計画メンテナンスの多くは、夜中に始まり、朝までに終わります。最も多い開始は 1 時(23%)で、22 時(15%)と 0 時(9%)が続き、曜日は日曜(20%)が最も多くありました。夜に始まったものの 95% は、朝 9 時までに終わりました。提供元は、使う人の少ない時間を選んで止めています。

予防的な停止は、9 つのうち 6 つが水曜(10/21)の 17 時以降に、3 つが木曜(10/22)の 0 時と 8 時に始まりました。始まりは計画メンテナンスと同じ夜でも、平日の夜だったので、63% が翌日の業務時間(平日の 9〜18 時)にかかりました。

障害を1件1本の横棒で、曜日(縦)と時刻(横・日本時間)の上に並べた図。左端が始まり、右端が復旧。国内の業務システムの障害92件は、始まった曜日が月曜日24件、火曜日17件、水曜日15件、木曜日19件、金曜日14件、土曜日2件、日曜日1件で、夜(21〜6時)に始まるのが11%、週末が4%、平日の9〜18時にかかるのが81%。海外の業務システムとAIの障害339件は、月曜日39件、火曜日50件、水曜日70件、木曜日72件、金曜日63件、土曜日35件、日曜日10件で、夜に始まるのが55%、週末が13%、平日の9〜18時にかかるのが35%。

障害は逆に、平日の昼に始まります。国内の障害の 81% は平日の 9〜18 時にかかり、夜に始まったのは 11%、週末に始まったのは 4% でした。曜日では月曜が最も多く、51% は 3 時間以内に復旧しました。海外の業務システムと AI のサービスの障害は、55% が日本時間の夜(米国の朝から昼)に始まりました。

では、止まっていた長さはどう違ったのでしょうか。

3. 何時間くらい止まるのか? — 予防的な停止は計画メンテナンスの約 3 倍

止まっていた時間の割合を、計画メンテナンス、臨時メンテナンス(予防的な停止)、国内の障害(復旧までの時間)の3つの円グラフで並べた図。計画メンテナンス(長さの分かる308件・中央値5 時間)は、1時間未満が3%、1〜3時間が21%、3〜6時間が31%、6〜12時間が34%、12〜24時間が4%、24時間以上が7%。臨時メンテナンス(予防的な停止)(長さの分かる8件・中央値14.9 時間)は、1時間未満が0%、1〜3時間が13%、3〜6時間が13%、6〜12時間が13%、12〜24時間が38%、24時間以上が25%。国内の障害(復旧までの時間)(長さの分かる91件・中央値2.8 時間)は、1時間未満が33%、1〜3時間が18%、3〜6時間が15%、6〜12時間が4%、12〜24時間が13%、24時間以上が16%。

計画メンテナンスの長さの中央値は 5 時間で、65% は 3〜12 時間でした。12 時間を超えたのは 11% です。予防的な停止は、長さの分かる 8 つのうち 5 つが 12 時間を超え、中央値は 14.9 時間でした。SPIDERPLUS のように、サーバーごとに順に再開したところは長くなりました。

国内の障害の、復旧までの時間の中央値は 2.8 時間ですが、症状で大きく違います。遅い・つながりにくい障害は中央値 48 分で復旧し、つながらない障害は 3 時間、一部の機能の不具合は復旧まで 16.6 時間かかりました。

では、止まっている間、何が使えなくなるのでしょうか。

4. 何が止まるのか? — 全体か、一部か、遅いだけか

メンテナンスで何が止まるかの割合の図。計画メンテナンス309件は、サービス全体が止まる44%、一部の機能が止まる30%、遅い・つながりにくい4%、告知に書いていない22%。臨時メンテナンス(予防的な停止)9件は、サービス全体が止まる56%、一部の機能が止まる44%、遅い・つながりにくい0%、告知に書いていない0%。作業の中身を書いていた計画メンテナンスの告知76件では、連携先・外部のサービスの都合52件、サーバー・設備・ネットワーク28件、システムの更新・機能の追加11件、データベース1件(重なりあり)。

計画メンテナンスの 44% はサービス全体が止まり、30% は一部の機能だけが止まり、4% は遅い・つながりにくいだけでした。22% は、止まるものを告知に書いていませんでした。予防的な停止は 9 つのうち 5 つがサービス全体を止め、freee は 4 つのサービスだけを、LoGo フォームは PDF 帳票の機能だけを止めました。

国内の障害では、一部の機能が使えないものが 32%、遅い・つながりにくいものが 29% で、つながらないものは 15% でした。どの止まり方でも、止まる範囲はサービス全体とは限りません。告知の対象の欄で、自分が使う機能が入っているかを確かめる必要があります。

計画メンテナンスの告知で作業の中身を書いていた 76 件では、連携先のメンテナンスで止まるものが 52 件と最も多くありました。たとえば マネーフォワード クラウド社会保険 は、e-Gov やマイナポータルのメンテナンスの時間帯に、電子申請の操作ができなくなると書いています。自分の使うシステムが正常でも、つながっている先が止まれば、その機能は止まります。

では、障害のときは、どこで止まっているのでしょうか。

5. 障害はどこで起きるのか?

利用者のPCから提供元のサーバーまでの道のりを4つの区間に分け、障害が起きたときに利用者に見えることと、ステータスページに出るかを並べた図。利用者の PC・社内ネットワーク: 利用者に見えるのは自分だけ使えない・社内の全員が使えない、ステータスページには出ない。回線・CDN・DNS: 利用者に見えるのはつながらない・遅い・途切れる、ステータスページには出ることがある、原因の告知2件。提供元のサーバー(画面・処理・DB): 利用者に見えるのは一部の機能が使えない・遅い・エラーが出る、ステータスページには出る、原因の告知25件。外部のサービス(クラウド・認証・連携先): 利用者に見えるのは連携・ログインだけ使えない、ステータスページには出る(提供元名が書かれることも)、原因の告知2件。国内の障害の告知で原因を書いた29件の内訳は、提供元の内部(更新作業・設定・プログラム)15件、負荷・アクセスの集中10件、回線・CDN・DNS2件、外部のサービス(クラウド・認証・連携先)2件。

原因を書いた国内の障害の告知 29 件のうち、15 件は提供元の内部(更新作業・設定・プログラム)、10 件は負荷・アクセスの集中でした。たとえばサイボウズは、kintone の障害の原因を「システム更新作業の手順に不備があった」と書いています。遅い・つながりにくい障害で原因を書いた 11 件のうち 9 件は、サーバーの高負荷かアクセスの集中でした。回線や CDN(Content Delivery Network・コンテンツ配信ネットワーク)が原因だったのは 2 件、連携先などの外部のサービスが原因だったのは 2 件です。Greenfile.work は、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携が止まった理由を「CCUSへのアクセス集中のため」と書いています。

利用者の PC や社内ネットワークの不調は、提供元の告知には載りません。ステータスページが正常なのに使えないときは、自分の側から確かめる手順に進みます。

では、海外のサービスや AI では、止まり方と知らせ方は同じなのでしょうか。

6. 日本・海外・AI では、何が違うのか?

日本の業務システム、海外の業務システム、AI・ツールの止まり方と知らせ方を6つの項目で比べた表の図。日本の業務システムは、告知の場所(システムの割合)がステータスページ 13%・お知らせのページ 74%・見つからない 13%、稼働率の数字を告知の場所に出しているが0 / 69 システム、障害の告知(1 か月・中央値)が0.5 回、障害の復旧までの時間(中央値)が2.8 時間、夜(21〜6 時)に始まる障害が11%、計画メンテナンスの告知(1 か月)が1.21 回。海外の業務システムは、告知の場所(システムの割合)がステータスページ 60%・障害だけ・管理画面 40%、稼働率の数字を告知の場所に出しているが2 / 15 システム、障害の告知(1 か月・中央値)が4.08 回、障害の復旧までの時間(中央値)が2 時間、夜(21〜6 時)に始まる障害が53%、計画メンテナンスの告知(1 か月)が0 回。AI・ツールは、告知の場所(システムの割合)がステータスページ 80%・障害だけ・管理画面 10%・見つからない 10%、稼働率の数字を告知の場所に出しているが8 / 10 システム、障害の告知(1 か月・中央値)が5.34 回、障害の復旧までの時間(中央値)が1.6 時間、夜(21〜6 時)に始まる障害が57%、計画メンテナンスの告知(1 か月)が0.07 回。稼働率は94システムすべての告知の場所を開いて確かめた。AIとツールの数字は、直近90日で99.29〜100%。日本は計画メンテナンスを夜に告知して止め、障害の告知は少ない。海外とAIは、機能ごとの小さな障害までステータスページに載せる。

いちばん違うのは、知らせ方です。日本の業務システムの 74% は、障害とメンテナンスを会社のお知らせのページ(ニュースの一覧)に載せ、専用のステータスページを持つのは 13% でした。海外の業務システムの 60%、AI・ツールの 80% は、専用のステータスページで知らせ、機能ごとの小さな障害まで載せます。ステータスページは、いま使えるかと過去の障害を 1 か所に並べるページです。障害の告知は 1 システムあたり 1 か月に中央値 4.08 回(海外の業務システム)と 5.34 回(AI・ツール)で、日本の 0.5 回より多くなりました。告知が多いことは、止まることが多いことと同じではありません。小さな障害まで知らせている、ということです。

稼働率(サービスが使えた時間の割合)の数字は、AI・ツールの 10 システム中 8 システムがステータスページに出していました(直近 90 日でいちばん低い機能が 99.29〜100%)。海外の業務システムは 15 システム中 2 システムで、日本の業務システムは、IT連携マップが告知の場所を見ている 69 システムのどれも出していませんでした。

メンテナンスの扱いも違います。日本の業務システム(69 システム)は、2026 年 8〜10 月に計画メンテナンスを 1 システムあたり 1 か月に 1.21 回告知し、夜に止めます。海外と AI のサービスで、止まる時間を前もって告知した計画メンテナンスは、IT連携マップが集めた告知にはほとんどありませんでした(1 か月に 0〜0.07 回)。

では、利用者はどう備えればよいのでしょうか。

7. 利用者はどう備え、どこで状況を確かめればよいのか?

メンテナンスに備える手順を、画面で使う人と連携を作った人に分けて4段で並べた図。普段: 画面で使う人は告知の場所(ステータスページ・お知らせ・X)をブックマークし、メールの通知を受け取る。連携を作った人は連携の相手ごとに、告知の場所とメンテナンスの時間帯を一覧にする。告知を見たら: 画面で使う人は止まる範囲と時間を読み、その時間に要る作業を前に動かす。締め切りの近い申請・請求は先に済ませる。連携を作った人はその時間の定時の処理を止めるか、後で動かす(再実行の予定を決める)。止まっている間: 画面で使う人は作業を止め、再開の時刻を待つ。終わりが延びた知らせを確かめる。連携を作った人は失敗した処理を記録して、再開の後に再試行する形にしておく。終わった後: 画面で使う人はログインと、いつもの操作を 1 回試す。連携を作った人は止めていた処理を動かし、件数がそろっているか確かめる。連携は、相手が止まることを前提に、待って再試行し、記録して知らせる形にしておく。

備えは 2 つです。告知の場所を決めておくことと、止まる時間に要る作業や定時の処理を前後に動かすことです。

画面で使う人は、告知の場所をブックマークし、告知を見たら止まる時間に要る作業を前に動かします。予防的な停止のように告知が直前のときもあるので、締め切りの近い申請や請求は早めに済ませておきます。

連携を作った人は、止まる時間の定時の処理を止めるか後で再実行する形にし、失敗を記録して知らせます。予防的な停止は再開の時刻が決まっていないことがあり、SPIDERPLUS は止めたときの告知に、再開の予定は「決まり次第改めてお知らせいたします」と書いていました。待って再試行する形にしておけば、再開の時刻が分からなくても困りません。

いま止まっているかは、IT連携マップの「稼働状況・障害情報」(https://renkeimap.jp/status)で確かめられます。システムごとのページの上の「ただいまの状況確認」に、提供元の公式発表へのリンク、提供元の告知の題、利用者の報告、編集部の観測を並べています。

お名前.comのシステムごとのページの「ただいまの状況確認」の画面(2026年10月26日)。1は提供元の公式発表のリンク、2は結論(提供元の告知の題とリンク)、3は提供元の状態通知、4は外部からの観測(その下の2行はXの投稿とニュースの検索結果)、5はユーザーの報告、6は影響を受ける範囲(提供元の告知の文)。

読むときは、提供元の公式の告知を正とし、利用者の報告を補いに使い、編集部の観測は参考にとどめてください。画面の各欄の読み方は、完全版の システム障害とは の 5 節 に画面の例で説明しています。

まとめ — 4 つの止まり方の共通点と違い

計画メンテナンス 臨時メンテナンス(予防的な停止) 障害(国内)
誰が止めるか 提供元 提供元 誰も止めようとしていない
告知 前もって予告 直前か、止めてから 起きてから
夜(21〜6 時)に始まる 59% 67% 11%
長さ(中央値) 5 時間 14.9 時間 2.8 時間
平日の 9〜18 時にかかる 16% 63% 81%
サービス全体が止まる 44% 56% 15%(つながらない)

共通点は 2 つです。1 つ目は、どの止まり方でも、止まる範囲はサービス全体とは限らないことです。2 つ目は、告知の場所と書き方がシステムごとにばらばらなことです(お知らせのページ・ステータスページ・X の投稿・PDF)。

違いは、告知のタイミングと長さです。計画メンテナンスは前もって知らせ、夜の数時間で終わります。予防的な停止は直前に知らせ、平日の昼まで長くかかりました。障害は平日の昼に起き、多くは一部の機能だけが止まります。

調べ方

  • IT連携マップ編集部が 2026 年 10 月 26 日に、IT連携マップが集めている提供元の告知を読み、始まった時刻・長さ・止まった範囲・症状・原因で分けました。止まった範囲・症状・原因は、告知の文の語で分けた近似です。
  • 稼働率は、提供元が自分で出している数字だけを使いました。障害の告知の時間から稼働率を計算することはしていません。

📎 集計したシステムの数と期間、分け方の決まり、出典の原文は、完全版の メンテナンスとは の「調査の詳細」 と システム障害とは の「調査の詳細」 にまとめています。

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