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AI に資料を毎回貼るな!ファイル・SKILL・AGENTS.md 活用でトークン課金最大 6 割減? 6 つの方法を試してみた

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Last updated at Posted at 2026-10-25

6つの渡し方の入力の費用を、1b(1ターン目だけ貼って参照する)を基準に4つの実験で比べた表の図(測定・短文10ターン・長文5ターン)。Claude Code・Claude Sonnet 5.5・短文:1a 2回貼付 $0.2401(1b比 +136%)、1b 参照指示 $0.1017(基準)、2 外部ファイル $0.1286(1b比 +26%)、3 SKILL指示 $0.1404(1b比 +38%)、4 CLAUDE.md $0.1024(1b比 +1%)、5 ファイル+SKILL $0.2180(1b比 +114%)。Antigravity・Claude Sonnet 5.5・短文:1a 2回貼付 $0.1361(1b比 +83%)、1b 参照指示 $0.0745(基準)、2 外部ファイル $0.1409(1b比 +89%)、3 SKILL指示 $0.0748(1b比 ±0%)、4 AGENTS.md $0.0706(1b比 -5%)、5 ファイル+SKILL $0.0959(1b比 +29%)。Antigravity・Gemini 3.8 Flash・短文:1a 2回貼付 $0.0603(1b比 -41%)、1b 参照指示 $0.1017(基準)、2 外部ファイル $0.1313(1b比 +29%)、3 SKILL指示 $0.1136(1b比 +12%)、4 AGENTS.md $0.1082(1b比 +6%)、5 ファイル+SKILL $0.1529(1b比 +50%)。Antigravity・Gemini 3.8 Flash・長文:1a 2回貼付 $0.1119(1b比 +173%)、1b 参照指示 $0.0410(基準)、2 外部ファイル $0.0754(1b比 +84%)、3 SKILL指示 $0.0442(1b比 +8%)、4 AGENTS.md $0.0402(1b比 -2%)、5 ファイル+SKILL $0.0491(1b比 +20%)。出力は含めない。

我々が運営する IT連携マップの技術ガイド(プロンプトキャッシュとは など)では、「前のやり取りと先頭が同じ部分はキャッシュから読まれ、料金が大きく下がる」という仕組みを解説してきました。プロンプトキャッシュは、AI エージェントと AI サービス側(Anthropic や Google など)が自動で使います。一方、資料や指示を「ユーザープロンプトに直接貼る」「外部ファイル(article.md)」「SKILL」「AGENTS.md」など、渡し方の違いによってトークンの消費はどう変わるのかという疑問が、常に残ります。

そこで IT連携マップ編集部は、資料と指示の 6 つの渡し方を、Claude Code(サブスクリプション)と Antigravity CLI で試しました。モデルは Claude Sonnet 5.5 と Gemini 3.8 Flash です。上の図は、4 つの実験の入力の費用を、1b(1 ターン目だけ貼って参照する)を基準に、方式ごとに並べたものです。会話は短文で 10 ターン、長文で 5 ターン続け、すべてのターンのトークンの数を測り、入力の費用を公式の料金で換算しました。

先に結論

  1. どの場合にどれを使うか: 毎回守らせる共通ルールは AGENTS.md(Claude Code は CLAUDE.md)、特定の作業の手順は SKILL、何度も読む長い資料や要約の後も読み直す資料はファイル、その場限りの資料は 1 ターン目に会話に貼って 2 ターン目からは参照します。決め手は費用ではなく、その情報をどれだけ長く・どこまで使うかです。
  2. 費用の差がいちばん大きいのは、同じ資料を貼り直すかどうか: 毎ターン貼り直した 1a は、参照する 1b より入力の費用が Claude Code で 136%、Antigravity の Claude の短文で 83%、Gemini の長文で 173% 高くなりました。言い換えると、貼り直しをやめるだけで、入力の費用は Claude Code で 58%、Gemini の長文で 63% 減りました。
  3. AGENTS.md・SKILL・ファイルでは、費用は大きく下がらない: AGENTS.md(4)は 1b とほぼ同じ(−5〜+6%)でした。SKILL とファイル(2・3・5)は、エージェントが読みに行く往復の分だけ、1b と同じか高くなりました。
  4. ただし Gemini の短い会話では、1a(会話に2回貼り付け)の方が逆に安い結果が出ました: これは、1b などでは 1 回の入力が、今回キャッシュが使えた最小量(19,492 トークン)を超えていないためキャッシュを利用できず、資料を貼り直して入力が大きくなった 1a ではキャッシュを利用できたからです。たまたまの結果ですので、2回貼り付けが良いという解釈ではありません(6 節)。

📘 全ターンの測定データと分析(IT連携マップのガイド)

1. 6 つの方法は、それぞれどんな場合に使うのか?

資料と指示の6つの渡し方の実務チャットUI比較図。対話枠{...}と事前準備ファイル📄の組み合わせによる2ターンの指示フロー。1a 会話に2回貼り付け:Turn 1で[資料本文]と[指示本文]を送信、Turn 2で資料本文を再度貼り付けて修正指示(貼った資料をキャッシュの外でもう一度払う)。1b 会話貼付と参照指示:Turn 1で[資料本文]と[指示本文]を送信、Turn 2は『先の文章』と参照指示のみ送信。2 資料を外部ファイルに:事前準備📄article.md、Turn 1でarticle.mdを読んで指示に従って書くよう指示、Turn 2もarticle.mdを指定。3 指示をSKILLに:事前準備📄SKILL、Turn 1で[資料本文]をSKILLに従って書くよう指示、Turn 2は先の文章をSKILLに従って短くするよう指示。4 指示をAGENTS.mdに:事前準備📄AGENTS.md(常駐)、Turn 1で[資料本文]を指示に従って書くよう指示、Turn 2は先の文章と参照指示のみ。5 資料ファイル+SKILL:事前準備📄article.mdと📄SKILL、Turn 1でarticle.mdをSKILLに従って書くよう指示、Turn 2もarticle.mdをSKILLで短くするよう指示。

使い分けは、費用ではなく、その情報をどれだけ長く・どこまで使うかで決めます。費用の列は、10 ターン(長文は 5 ターン)の入力の費用を、1b(1 ターン目だけ貼って参照する)と比べたものです。

方式 置く場所 向いている場合 1b と比べた入力の費用(Claude Code・Claude 短文/Antigravity・Claude 短文/Antigravity・Gemini 短文/Antigravity・Gemini 長文)
1a 会話に2回貼り付け 毎ターン、会話に貼る 使わない +136%/+83%/−41%/+173%
1b 会話貼付と参照指示 1 ターン目だけ会話に貼る その場限りの資料・短い作業 基準
2 資料を外部ファイルに ファイル(article.md など) 何度も読む長い資料・要約の後も読み直す資料 +26%/+89%/+29%/+84%
3 指示をSKILLに SKILL(Claude Code は .claude/skills/) 特定の作業でだけ使う手順 +38%/±0%/+12%/+8%
4 指示をAGENTS.mdに AGENTS.md(Claude Code は CLAUDE.md) 毎回守らせる共通ルール +1%/−5%/+6%/−2%
5 資料ファイル+SKILL ファイル + SKILL 同じ手順で長い資料を何度も扱う作業 +114%/+29%/+50%/+20%

2 ターン目以降に参照するときは、「先の文章」ではなく、対象の題名を書くのが確実です。会話が長くなったり、資料が複数あったりすると、「先の文章」がどれを指すのかが曖昧になります。今回の実験でも、最後のターンは「先の文章」ではなく「書き直し版」と名指ししました(長文では「先の文章」が 4 万字の原文を指すおそれがあったため)。

  • ❌ 資料の全文をもう一度貼って「修正して」(資料の分を払い直し、履歴に積み上がる)
  • △ 「先の文章の第 3 段落を短くして」(会話が長くなると、対象が曖昧になる)
  • ◎ 「先ほど書いた『総務省白書 令和5年版の要約』の第 3 段落を短くして」
  • ◎ 「article.md の第 3 段落を短くして」

では、費用の差はどのくらいあったのでしょうか。

2. 費用の差は、どのくらいあったのか?

4つの実験で、1ターンごとの入力の費用の累計をなめらかな曲線で描いた図(測定)。Claude Code・Claude 短文(10ターン)は最安1b 参照指示 $0.1017・最高1a 2回貼付 $0.2401、1aは1bの2.4倍。Antigravity・Claude 短文(10ターン)は最安4 AGENTS.md $0.0706・最高2 外部ファイル $0.1409、1aは1bの1.8倍。Antigravity・Gemini 短文(10ターン)は最安1a 2回貼付 $0.0603・最高5 ファイル+SKILL $0.1529、1aは1bの0.6倍。Antigravity・Gemini 長文(5ターン)は最安4 AGENTS.md $0.0402・最高1a 2回貼付 $0.1119、1aは1bの2.7倍。

方式名 Claude Code・Claude 短文(10 ターン) Antigravity・Claude 短文(10 ターン) Antigravity・Gemini 短文(10 ターン) Antigravity・Gemini 長文(5 ターン)
1a 会話に2回貼り付け $0.2401(+136%) $0.1361(+83%) $0.0603(−41%) $0.1119(+173%)
1b 会話貼付と参照指示 $0.1017(基準) $0.0745(基準) $0.1017(基準) $0.0410(基準)
2 資料を外部ファイルに $0.1286(+26%) $0.1409(+89%) $0.1313(+29%) $0.0754(+84%)
3 指示をSKILLに $0.1404(+38%) $0.0748(±0%) $0.1136(+12%) $0.0442(+8%)
4 指示をAGENTS.mdに(Claude Code は CLAUDE.md) $0.1024(+1%) $0.0706(−5%) $0.1082(+6%) $0.0402(−2%)
5 資料ファイル+SKILL $0.2180(+114%) $0.0959(+29%) $0.1529(+50%) $0.0491(+20%)

( )は 1b と比べた増減です。上の図は、ターンごとの入力の費用の累計で、線の傾きがそのターンに払った入力の費用です。

  • Claude Code・Claude 短文: 1b と 4(CLAUDE.md)が最も安く、1a は 1b の 2.4 倍でした。Claude Code はキャッシュへの書き込みの数も返すので測れましたが、入力の費用の大半はキャッシュへの書き込みでした(1a は 84%、1b は 75%)。
  • Antigravity・Claude 短文: 4(AGENTS.md)・1b・3(SKILL)がほぼ同じで最も安く、資料をファイルに置いた 2 が最も高くなりました。
  • Antigravity・Gemini 短文: 貼り直した 1a が最も安くなりました(4 節)。
  • Antigravity・Gemini 長文: 4 と 1b が最も安く、1a は 1b の 2.7 倍でした。

では、なぜ貼り直すと高くなり、ファイルや SKILL では安くならないのでしょうか。

3. なぜ貼り直すと高くなり、ファイルや SKILL では安くならないのか?

資料を貼り直す1aと参照する1bの比較(Claude Sonnet 5.5・短文の測定)。2ターン目のキャッシュの外の入力は1aが8,573(1bより+2,461)、1aは全文3,123字を書き直した。1bは返事が127字。10ターンの入力の費用は1a $0.1361、1b $0.0745(1a比-45%)。Gemini長文(5ターン)では1bが63%安く、Gemini短文では1bがキャッシュヒットせず69%高かった。

プロンプトキャッシュは、前の問い合わせと先頭から一致する部分だけを安く読みます。2 ターン目に資料を貼り直すと、貼った分は新しい入力として普通の料金で数えられ、しかも履歴(コンテキスト)に残るので、3 ターン目からは毎ターン送り続けることになります。Antigravity の Claude の短文では、1 ターンの入力が、1a は毎ターン 3,457 トークン増えたのに対し、参照する 1b は 929 トークンでした。

SKILL とファイルが安くならなかったのは、エージェントが SKILL やファイルを読みに行くたびに、それまでの内容をもう一度送るからです。資料をファイルに置いた 2 では、エージェントが毎ターン article.md を読み直して上書きし、Antigravity の Claude は確認のスクリプトまで書きました。Antigravity の 3 つの実験で、2 の 1 ターンの入力は 1b の 1.3〜3.4 倍でした。ファイルは、費用を減らすためではなく、要約の後も読み直せるようにするために使います。

では、指示や資料は、どの順番で置き場所を決めればよいのでしょうか。

4. 指示や資料は、どの順番で置き場所を決めればよいのか?(推奨順序)

指示と資料の置き場所の推奨順序。Step 1 全体共通ルールはAGENTS.mdやGEMINI.md(会話の始めに読まれ先頭に固定される)。Step 2 専門タスク手順はSKILL(普段は名前と説明文だけ、使う時に本文を読む)。Step 3 作業対象資料は外部ファイル(要約の後も読み直せる。読み書きの往復の分、入力は増える)。Step 4 会話プロンプトは命令と参照だけにし、2ターン目以降は貼り直さない

置き場所は、上の図の Step 1 から順に、その情報をどれだけ長く・どこまで使うかで決めます。

  1. Step 1: 全体共通のルール → AGENTS.md(Claude Code は CLAUDE.md、Gemini は GEMINI.md)
    • 理由: 会話の始めに読まれて先頭に固定されるので、毎ターンの問い合わせでキャッシュから読まれます。読みに行く往復が無く、Antigravity の Claude の短文($0.0706)と Gemini の長文($0.0402)で最も安く、Claude Code(CLAUDE.md)でも 1b とほぼ同じ(+1%)でした。
  2. Step 2: 特定の作業の手順 → SKILL(Antigravity は .agents/skills/、Claude Code は .claude/skills/)
    • 理由: 普段は名前と説明文だけが読み込まれ、その作業の時だけ本文が読み込まれます。1 ターン目に読みに行く往復が入るので、Antigravity では 1b と比べて ±0〜+12%、Claude Code では 10 ターンで 1b より 38% 高くなりました。
  3. Step 3: 作業の対象の資料 → 外部ファイル(article.md など)
    • 理由: 要約の後も読み直せ、何度も使えます。ただしエージェントがファイルを読み書きする往復で、1 ターンの入力は 1b の 1.3〜3.4 倍になりました。費用のためではなく、読み直すために選びます(長い資料は貼るか、ファイルで渡すか)。
  4. Step 4: 今回の指示 → ユーザープロンプト(会話)
    • 理由: 2 ターン目以降は資料を貼り直さず、題名を添えた参照の指示だけにして、前の内容をキャッシュから読ませます。

置き場所の決め方は、ガイド 指示はどこに書くか — 会話・AGENTS.md・SKILL と 資料と指示の 6 つの渡し方 でも解説しています。では、会話を続けている間は、何に気をつければよいのでしょうか。

5. 会話中にキャッシュを無駄にしない 4 つの鉄則とは?

会話中にキャッシュを無駄にしない4つの鉄則。鉄則1:貼り直さず、題名を添えて参照する。鉄則2:指示ファイルを直したら新しい会話で。鉄則3:キャッシュが使える最小量とキャッシュヒットしないことを知る(公式はClaude Sonnet 5.5が512、Gemini 3.8 Flashが4,096。今回のGeminiは1回の入力が17,459以下ではキャッシュヒットしなかった)。鉄則4:保持時間を過ぎて再開すると履歴を丸ごと払い直す(Claude Codeの公式はサブスクリプション1時間・APIキー5分。測るとClaude Codeは61分、AntigravityのClaudeは6分、Geminiは12分あけた回から切れ、切れた後の1ターンの入力はキャッシュから読めた場合の11倍・9.4倍・6.1倍。長く中断するなら、作業が一段落したときに/compactする)

鉄則 1: 貼り直さず、題名を添えて参照する

一度送った資料は会話の履歴に残り、次の問い合わせではキャッシュから読まれます。直すときは同じ文章を貼り直さず、「先ほど書いた『総務省白書 令和5年版の要約』の第 3 段落を短くして」のように、対象の題名や見出しを名指しして参照します(例は 1 節)。「先の文章」だけでは、会話が長くなったり資料が複数あったりすると、どれを指すのかが曖昧になります。

鉄則 2: 指示ファイルを直したら、新しい会話で

Claude Code の公式の説明では、プロジェクトの CLAUDE.md(と AGENTS.md)は会話の始めに 1 度だけ読み込まれます。会話の途中で書き換えてもキャッシュは切れませんが、書き換えた内容もその会話には届きません。直した指示は /clear・/compact・新しい会話の後に読み込まれます。指示ファイルを直したら、会話を新しく始めてください。

鉄則 3: キャッシュが使える最小量と「キャッシュヒットしないこと」を知る

Claude Sonnet 5.5 は 512 トークン、Gemini 3.8 Flash の暗黙のキャッシュは 4,096 トークンから使えます(公式)。ただし今回の Gemini では、1 回の入力が 17,459 トークン以下の回は 1 度もキャッシュヒットしませんでした(6 節)。費用は、使った後の usage(キャッシュから読んだトークンの数)で確かめてください(プロンプトキャッシュとは)。

鉄則 4: 保持時間を過ぎて再開すると、履歴を丸ごと払い直す

キャッシュの保持時間は、Claude Code のサブスクリプションで 1 時間、API キー(API は Application Programming Interface の略)やクラウド経由で 5 分です(公式)。測ると、Claude Code のサブスクリプションは 58 分あけた回までキャッシュから読めて 61 分から切れ、Antigravity では Claude が 6 分、Gemini が 12 分あけた回から切れました(キャッシュの保持時間)。それを過ぎてから同じ会話を続けると、履歴をキャッシュへもう一度書き込みます。長い会話を 1 時間以上中断するときは、作業が一段落したときに /compact するか、要約をファイルに残して新しい会話にしてください(compact とは)。作業を再開してからの compact は、ほとんど安くなりません。

最後に、Gemini の短い会話では、なぜ逆転したのでしょうか。

6. Gemini の短い会話では、なぜ逆転したのか?

仕組みから実験結果への対応図。①先頭から一致する部分だけが再利用される:1aの1ターンの入力は毎ターンClaude短文で3,457・長文で22,705増えた(1bは929・256)。1aと1bの差は資料だけの式でClaude短文の89%・長文の109%を説明できた。②ツールを使うと1回のターンで何度も問い合わせる:方式2は毎ターン1bの平均2.59倍の入力、同じ依頼でも1回目の入力は52,246と96,212。③キャッシュが使える最小量:公式はClaude Sonnet 5.5が512、Gemini 3.8 Flashが4,096。Geminiは1回の入力が17,459以下の20回はキャッシュヒットせず、19,492以上の19回はキャッシュヒットした。

Gemini の短い会話で 1a が最も安くなったのは、キャッシュが使われたかどうかが、方式によって分かれたからです。下の表のとおり、1b・3・4 は 10 ターンで 1 度もキャッシュヒットせず、毎ターン、入力の全部を通常の料金で払いました。貼り直した 1a は 1 回の入力が大きくなり、4 ターン目からキャッシュヒットしたので、最も安くなりました。

方式 1 ターンの入力(トークン・最小〜最大) キャッシュヒットしたターン 10 ターンの入力の費用(1b と比べた増減)
1a 会話に2回貼り付け 10,978〜31,488 4 ターン目から(7 回) $0.0603(−41%)
1b 会話貼付と参照指示 10,985〜15,272 1 度も無し $0.1017(基準)
2 資料を外部ファイルに 20,572〜73,954 5 ターン目から(6 回) $0.1313(+29%)
3 指示をSKILLに 12,985〜22,262 1 度も無し $0.1136(+12%)
4 指示をAGENTS.mdに 11,063〜16,266 1 度も無し $0.1082(+6%)
5 資料ファイル+SKILL 19,658〜64,274 7 ターン目から(4 回) $0.1529(+50%)

Gemini 3.8 Flash の暗黙のキャッシュは、公式の説明では 4,096 トークンから使えますが、キャッシュヒットの保証はありません。今回の測定では、1 回の問い合わせの入力が 17,459 トークン以下の 20 回は 1 度もキャッシュヒットせず、19,492 トークン以上の 19 回はすべてキャッシュヒットしました。今回キャッシュが使えた最小量は 19,492 トークンで、参照する 1b の 1 回の入力は、10 ターン目まで、この最小量に届きませんでした。2 と 5 も途中からキャッシュヒットしましたが、ファイルや SKILL を読みに行く往復の分だけ入力が多く、1b より高くなりました。

これはたまたまの結果で、「貼り直したほうが安い」という意味ではありません。同じ Gemini 3.8 Flash でも、資料が長い長文の会話では、どの方式も 2 ターン目までにキャッシュヒットし、参照する 1b は貼り直す 1a より 63% 安くなりました。キャッシュヒットするかどうかは、使った後の usage(キャッシュから読んだトークンの数)で確かめてください。

7. どうやって測ったのか?

項目 内容
製品とモデル Claude Code 2.1.310(サブスクリプション)・Claude Sonnet 5.5(実験 4)。Antigravity CLI 1.4.6・Claude Sonnet 5.5(low)・Gemini 3.8 Flash(low)(実験 1〜3)
資料と依頼 総務省情報通信白書の短文(2,893 字)か長文(39,875 字)を、8 つの書き方の決まりで書き直す。2 ターン目からは毎ターン 1 か所だけを直してもらう
ターン数・回数 短文 10 ターン・長文 5 ターン、各方式 1 回。試行ごとに作業フォルダを新しく作った
費用 入力の費用を公式の料金で換算(Claude Sonnet 5.5: 入力 $2・1 時間保持のキャッシュへの書き込み $4・キャッシュからの読み出し $0.10、Gemini 3.8 Flash: 入力 $0.75・キャッシュからの読み出し $0.075、1M トークンあたり)。出力は回ごとに大きく揺れるので比べる費用に入れない
注意 Antigravity はキャッシュへの書き込みの数を返さないので、その分はキャッシュの外として普通の入力の料金で数えた。Claude Code(実験 4)はキャッシュへの書き込みの数を返すので、割増を含む測定値

会話の間をあけたときのキャッシュの保持時間と、要約(/compact)の費用は、別の記事とガイドにまとめました(キャッシュの保持時間・compact とは)。

最後に

「AGENTS.md」「SKILL」「外部ファイル」の使い分けは、プロジェクトの保守性や、指示を守らせる精度を高めるうえで大切です。一方、トークン課金の観点で最も差を生んだのは、資料の貼り直しをやめることと、キャッシュヒットしているかを確かめることでした。「共通ルールは AGENTS.md、専門の手順は SKILL、長い資料はファイル、会話は題名を添えた参照だけ」という原則を、日々の AI エージェントの運用に取り入れてみてください。

全ターンの測定データと分析は、次のガイドで公開しています。

置き場所ごとの詳しい解説と、費用の確かめ方は、次のガイドにまとめています。

今回使った製品とモデルのページ: Claude Code・Antigravity・Claude・Gemini

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