1on1を行う理由とその意味
はじめに
株式会社ソナー、エンジニアリングマネージャの佐藤です。
「1on1ミーティングは本当に必要なのでしょうか?」
そう感じたことはないでしょうか。結論から言えば、私は「イエス」だと考えています。
スティーヴン・G・ロゲルバーグ氏の著書『世界標準の1on1』では、次のような問いかけがあります。
チームミーティングを定期的に行っていても、1on1は必要である。
リーダーとチームメンバーの交流時間が豊富にあるとしても1on1は必要である。
「いつでも話しかけて」とオープンな姿勢を示していても、1on1は必要である。
どれだけ返信が早くても、エンゲージメント調査の数値が良くても、長く一緒に働いていても、希望していなかったとしても——
すべてのケースで1on1は必要である。
著者は続けて、こう述べています。
1on1には、普段の会話やチームミーティングでは得られない特別な力がある。
1on1はリーダーが果たすべき責任である。
1on1がもたらすもの
同著では、1on1に関する本質的な価値について次のように触れられています。
自分の存在が認められている、自分の意見が聞かれていると感じることは、人間関係において非常に大切である。
そして個人的なニーズと実務的なニーズの両方に応えること、信頼を築き約束を守ることは、どんな関係においても重要である。
つまり1on1は、単なる進捗確認の場ではなく
- 心理的安全性を育てる場
- 信頼を積み重ねる場
- 普段は表に出ない本音に耳を傾ける場
として機能するのだと理解しています。
私たちの1on1の進め方
私の所属するチームでは、月1回の1on1を以下の3つを中心に進めています。
- 今月取り組んだこと
- 個人の目標
- 簡易スキルシートの更新
これらは評価や査定のためではなく、
「自分が歩んできた道のりを振り返り、成長を自覚するための材料」として活用しています。
1on1は、普段の雑談やチームミーティングでは触れられないテーマに踏み込むことができ、
メンバーの価値観や悩み、チャレンジしたいことを知る大切な時間になっています。
実際に効果はあるのか?
正直に言えば、まだ効果をはっきり測ることはできていません。
1on1を「やった世界」と「やらなかった世界」を同時に体験することはできないからです。
それでも、1on1の場でふと感じるものがあります。
- いつもより深い話ができた瞬間
- 表情が少し柔らかくなる瞬間
- 仕事ではなく、人としての本音を聞けた瞬間
こうした小さな変化が積み重なることこそが、
1on1を続ける意味なのだと思っています。
結論 – 信頼は小さな対話の積み重ねから生まれる
1on1は劇的な成果を生む魔法ではありません。
数字に表れるのは、ずっと後かもしれません。
しかし、
- 丁寧に聞く
- 真摯に向き合う
- 約束を守る
- 尊重する姿勢を示す
こうした小さな行為が、
チームの未来を支える土台になるのだ思います。
だから私は、
月1の1on1をこれからも続けてみようと思います。
その効果が、いつか静かに現れると信じて。
おわりに
もし「1on1の目的って何だろう?」と感じている方がいれば、
今回の内容が少しでも参考になれば幸いです。