Power PlatformはPaaSのため、定期的にアップデートしております。
日々進化していくPower Platform製品がどのようにアップデート(バージョンアップも含む)していくのかご紹介します。
※ 全ての適用においてダウンタイムやパフォーマンスへの影響は原則ありません。
目次
Power Pagesについては特殊なため、別で記事ご用意しています。
https://qiita.com/skuramoto/items/8c697df595a6ba4eade5
1. マイナーサービス更新プログラム
概要
こちらは毎週行われるアップデートです。
新機能、バグ修正、製品の強化を含むアップデートで、毎週、地域ごとに順番に適用されます。
環境のバージョン情報ページでバージョン番号を確認する、または Power Platform 管理センターの環境の詳細を確認することにより、更新が正常に終了したことを確認できます。
ちなみにアプリの編集画面でアプリに適用されているバージョンを確認することができます。
[設定]>[サポート]>[編集]で[作成バージョン]に現在のバージョンが表示されます。
一度公開したアプリに関しては、最初に公開したタイミングのバージョンで固定されます。もしアップデートを反映させたい場合はバージョンを変更することも可能です。
ユーザー側の対応について
アップデート時、ユーザー側の対応は不要です。
下位互換性があるアップデートとなっており、内容については事前に通知されます。
通知確認方法
管理者はデフォルトでMicrosoft管理センターで通知を受け取ることができます。
もしくは設定をすれば、指定のメールアドレスにメール通知を送信することも可能です。
Microsoft管理センターを開き、左のメニューで[正常性]>[メッセージセンター]を選択します。
https://admin.microsoft.com/
気になるアップデートを選択すると詳細を確認することができます。
ここで確認できることは以下です。
- 関係するサービスと1か月のアクティブユーザー数(MAU)
- アップデート予定時刻
協定世界時(UTC)で表示される為、日本時間は表示の時刻+9時間で考える - アップデート内容
- アップデートによる影響
- アップデートに対して必要なアクション
メール通知設定は、一覧の左上の[⚙]>[メール]でできます。管理者以外にメール通知を送りたい場合は、[他のメールアドレス]にチェックを付け、メールアドレスを入力し、保存してください。
2. メジャーリリースイベント
概要
年2回、4月と10月にメジャーリリースのイベントを行っており、新機能や拡張される機能を発表します。(4月と10月それぞれ wave 1,wave 2と呼ぶ)
ここで発表された機能は、上記1の「マイナーサービス更新プログラム」に含まれて順次適用されます。Wave 1として発表されたものは4-9月までの間、Wave 2として発表されたものは10月-3月の間に適用されます。Wave 1,2のリリーススケジュールについてはこちらから各サービスのリリーススケジュールを参照して下さい。
Power Appsのリリースについては以下に記載されています。
ユーザー側の対応について(アップデートの種類)
自動で有効化される機能もありますが、下位互換性があるアップデートのため、ユーザーエクスペリエンスへの影響を懸念する場合には、事前の確認・検証を推奨します。
原則、新規に導入となる機能については管理者画面で有効化が必要となります。
通知は「1. マイナーサービス更新プログラム」と同様にメッセージセンター・メールで受け取ることが可能です。
ユーザーへの影響度合いによって、以下3カテゴリに分けられます。
- ユーザー向け、 自動的に有効化
→ユーザーエクスペリエンスの変更が含まれる機能で、自動的に有効化されます。 - 管理者、作成者、アナリスト向け、 自動的に有効化
→管理者、作成者、ビジネスアナリスト向けの機能であり、自動的に有効化されます。 - ユーザー向け、管理者側で有効化/構成が必要
→ユーザー向けの機能ですが、ユーザーが利用するためには管理者が機能を有効化、または構成する必要があります。
(リリースされても既定では有効化されていないためまだ使えない状態)
リリース予定の機能が上記どのカテゴリに当てはまるかは事前にご確認できます。
上記[ユーザー向け、自動で有効化]に該当する機能については、ユーザーへの影響を確認するために事前検証を行うことができます。検証の詳細は次のセクションで解説します。
事前検証
[ユーザー向け、自動で有効化]に該当する機能の事前検証については、「早期アクセス更新プログラムを有効にする」方法があります。
こちら対象期間はWave 1, 2 の順次リリースが始まる約 2 ヶ月前から始まります。対象期間外ではできません。
早期アクセス更新プログラムを有効にする方法
[ユーザー向け、自動で有効化]に該当する機能の事前検証方法をご紹介します。
こちらの事前検証は運用環境のコピーをサンドボックス環境として作成し、最初に新機能を試すことを強くお勧めします。
Power Platform 管理センターにサインインします。
aka.ms/ppac
左のメニューで[環境]を開き、該当の環境を選択します。
環境の詳細ページにて、更新セクションにこの環境に適用されているバージョンが表示されています。
このセクションの右上に[管理]が表示されていればこちらをクリックします。
更新時期でない場合、以下のように何も表示されません。(期間については前述のとおり)
[今すぐ更新] を選択し、確認ダイアログボックスを順に進み、リリース ウェーブの新しい機能を有効にします。
更新が完了すると、環境内のモデル駆動型アプリに対してすべての早期アクセス機能が有効になります。
注意
- 有効にすると、環境で利用可能なすべての更新がすぐに開始される
- 更新を元に戻すことはできないため、運用環境を更新する前に、必ずサンドボックスまたは試用版環境を更新してください。
- 現在ライセンスを持っているアプリのみが更新される( 新しいアプリはインストールされない)
- 更新が完了するまでに数時間かかる場合がある。 環境内のすべてのアプリケーションは、更新中も引き続き使用できますが、パフォーマンスがわずかに低下することがある。
3. セキュリティ更新プログラム
概要
システムのセキュリティに関するアップデートで、システムのセキュリティを確保するためにサービスチームより定期的に適用されます。
- 可能性のあるセキュリティ脆弱性を特定するためのサービスのスキャン
- キー セキュリティ管理が効果的に動作していることを確認するサービスの評価
- 外部のセキュリティ脆弱性が認められているサイトを定期的に監視する Microsoft セキュリティ レスポンス センター (MSRC) によって識別された脆弱性にさらされていないかを判断するためのサービスの評価
ユーザー側の対応について
アップデート時、ユーザー側の対応は不要です。
こちらは、通知はされませんが、ダウンタイムやサービスへの影響はありません。
4. 計画済み保守
概要
計画済みの保守は、サービスの安定性、信頼性、パフォーマンスを強化するためのアップデートや変更を含みます。この変更には、以下のものが含まれます。
- ハードウェアやインフラストラクチャの更新
- Microsoft 365 や Azure の新バージョンなど、統合サービス
- サービスの変更およびソフトウェア更新プログラム
ユーザー側の対応について
アップデート時、ユーザー側の対応は不要です。
こちらは、事前に通知されます。
5. 未計画の保守
概要
可用性維持のためにやむを得ないタイミングで変更を適用しなければならないことがあります。
このような突発的に発生した変更は「未計画の保守」として通知が行われます。
ユーザー側の対応について
アップデート時、ユーザー側の対応は不要です。
こちらは、事前に通知されます。