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YaziはWinSCPの代わりになるのか?Rust製TUIファイルマネージャを試した

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Last updated at Posted at 2026-07-08

リモートサーバー上のファイルを確認するとき、これまでは主にWinSCPを使っていました。

ただ、使い続けているうちに、いくつか気になる点が出てきました。

  • 接続設定が ~/.ssh/config と完全互換ではない
  • Windows用ソフトなので、他のプラットフォームで近い使用感のものを見つけにくい

比較としてFileZillaやFFFTPも見ましたが、これらは基本的にファイル転送に特化したツールです。自分が欲しかった「SSH先でファイルを探す、見る、移動する」という使い方とは少し目的が違いました。

そこで、ターミナル上で使えるファイルマネージャとして見つけたのが、Rust製の Yazi です。

Yaziは、公式READMEで「Blazing fast terminal file manager written in Rust, based on async I/O」と説明されています。ターミナル上でファイル操作をしながら、プレビューや検索、周辺CLIツールとの連携まで含めた作業体験を狙っているようです。

この記事は、公式READMEと公式ドキュメントをもとにYaziを導入し、実際に少し使ってみた感想をまとめたものです。

結論として、プレビュー用途はかなり良い一方で、普段のファイル操作を丸ごと置き換えるかは人を選ぶと感じました。

先に、自分の感想を表にすると次の通りです。

観点 感想
WinSCP的なファイル確認 一部代替できる。SSH先で画像やPDFをざっと見る用途は便利
ファイル転送 Yazi単体はSFTPクライアントではないため、WinSCPやFileZillaとは役割が違う
ターミナル内での作業 ターミナルに慣れている人ほど導入しやすい
キーバインド 慣れるまで少し時間がかかる
周辺CLI連携 ripgrep / fd / fzf / zoxide まで含めると便利そうだが、設定は細かい
普段のファイル操作の置き換え 自分の場合は完全移行するほどではなかった

Yaziとは

Yaziは、Rustで書かれたターミナルファイルマネージャです。

リポジトリはこちらです。

公式サイトはこちらです。

主な特徴は次の通りです。

  • Rust製
  • 非同期I/Oベース
  • ファイルプレビュー
  • 画像・動画・PDF・JSONなどのプレビュー拡張
  • プラグインやflavorによるカスタマイズ
  • fd 、ripgrep 、fzf 、zoxide などのCLIツールと連携

Yaziはエディタではなく、ターミナル上でファイルを探す、移動する、プレビューする、開く、という作業をかなり広く引き受けるツールです。

なぜYaziを試したいのか

出発点は、リモートサーバー上のファイル確認にWinSCPを使っていたことです。

WinSCPは便利ですが、自分の使い方では次の点が気になっていました。

  • SSH接続の設定を ~/.ssh/config に寄せたい
  • Windows以外でも近い操作感で使いたい
  • 転送だけでなく、ファイルを探す、見る、移動する作業もターミナル内で済ませたい

比較としてFileZillaやFFFTPも見ました。

ただ、これらは基本的にファイル転送をするためのツールです。もちろん用途が合えば便利ですが、SSHで入った先でファイルを確認したり、ディレクトリを移動したり、プレビューしながら探したりする用途とは少し違います。

そこで、SFTPクライアントではなく、ターミナル上のファイルマネージャとしてYaziを見つけました。

Yaziなら、SSHで入った先でもローカルでも、ターミナルが使える環境では同じような操作感でファイルを扱えるのではないかと期待しています。

試す前に期待していたこと

Yaziで期待しているのは、単なるファイル一覧表示ではなく、ターミナル上の作業空間を広げられることです。

たとえば、次のような使い方が期待できます。

  • ディレクトリ移動をTUIで素早く行う
  • ファイル内容をプレビューしながら選ぶ
  • ripgrep や fd と組み合わせて探す
  • zoxide と組み合わせて履歴ベースで移動する
  • 画像、PDF、JSONなどをターミナル上で確認する

普段の作業では、cd 、ls 、find 、grep 、エディタ、ファイルビューアを行き来することがあります。

Yaziがその一部をまとめて扱えるなら、ターミナル上のファイル操作がかなり楽になりそうです。

Yazi自体はSFTPクライアントではなく、ターミナルファイルマネージャです。

WinSCPやFileZillaと完全に同じ用途の置き換えではなく、SSHで入った先やローカルのターミナル上でファイル操作を楽にするツールとして試す想定です。

使ってみた感想

実際に使ってみると、インストールは比較的しやすいと感じました。

特に良かったのは、画像やPDFのプレビューです。あくまでプレビューとして確認する用途であれば見やすく、SSH先でファイルの中身をざっと確認したい場面では便利です。

日本語ファイル名についても、自分の環境では大きな問題はありませんでした。ただし、このあたりはYazi単体というより、使っているターミナルやフォント、文字幅の扱いに左右されそうです。

一方で、キーバインドはやや複雑です。基本操作はすぐに試せますが、検索、選択、コピー、タブ操作まで自然に使うには慣れが必要でした。

ripgrep / fd / fzf / zoxide との連携も魅力ですが、設定まわりは細かく、まだ使いこなせているとは言えません。Yaziは単体で完結するというより、周辺CLIツールを含めて育てていくタイプのツールだと感じます。

普段のファイル操作を置き換えられるかというと、ここはかなり人を選びそうです。自分は普段からコマンドでの作業に慣れているため、かえってYaziを挟む方が不便に感じる場面もありました。

Windows / WSL / Linuxで使い勝手に大きな差があるかも確認しましたが、自分の範囲ではそこまで大きな差は感じませんでした。ターミナル上で動くツールなので、環境差よりもターミナル設定やフォント設定の影響の方が大きそうです。

SSH先でWinSCP的な確認作業を代替できるかという点では、一部は代替できると感じました。

ただし、それだけでWinSCPから完全に乗り換えるほどのメリットがあるかというと、自分の場合はそこまでは感じませんでした。

導入方法

公式ドキュメントでは、さまざまな環境向けのインストール方法が案内されています。

ここでは、Windows、macOS、Debian系Linux、Red Hat系Linuxの4パターンで整理します。

Windows

Windowsでは、WinGetやScoopで導入できます。

WinGetを使う場合です。

winget install sxyazi.yazi

オプション依存関係も入れる場合は、公式ドキュメントでは次の例が紹介されています。

winget install Gyan.FFmpeg 7zip.7zip jqlang.jq oschwartz10612.Poppler sharkdp.fd BurntSushi.ripgrep.MSVC junegunn.fzf ajeetdsouza.zoxide ImageMagick.ImageMagick

Scoopを使う場合です。

scoop install yazi
scoop install ffmpeg 7zip jq poppler fd ripgrep fzf zoxide resvg imagemagick

公式ドキュメントによると、resvg はWinGetにはまだないため、Scoopで入れるか手動で導入する必要があります。

macOS

macOSならHomebrewで導入できます。

brew install yazi ffmpeg-full sevenzip jq poppler fd ripgrep fzf zoxide resvg imagemagick-full font-symbols-only-nerd-font

公式ドキュメントでは、次のコマンドも案内されています。

brew link ffmpeg-full imagemagick-full -f --overwrite

UbuntuなどのDebianベースLinux

DebianベースLinux向けには、公式ドキュメントで非公式debリポジトリを使う方法が紹介されています。

sudo apt update
sudo apt install -y curl gpg lsb-release

curl -sS https://debian.griffo.io/EA0F721D231FDD3A0A17B9AC7808B4DD62C41256.asc \
  | sudo gpg --dearmor --yes -o /etc/apt/trusted.gpg.d/debian.griffo.io.gpg

echo "deb https://debian.griffo.io/apt $(lsb_release -sc 2>/dev/null) main" \
  | sudo tee /etc/apt/sources.list.d/debian.griffo.io.list

sudo apt update
sudo apt install yazi

アンインストールして、追加したリポジトリも戻す場合は次のようにします。

sudo apt remove yazi

sudo rm /etc/apt/sources.list.d/debian.griffo.io.list
sudo rm /etc/apt/trusted.gpg.d/debian.griffo.io.gpg

sudo apt update

この方法は、公式ドキュメント上でも非公式debリポジトリを使う手順として紹介されています。

利用する場合は、リポジトリの管理元と内容を確認してから導入しましょう。

また、鍵ファイルは /etc/apt/trusted.gpg.d/ に配置するため、gpg の実行にも sudo が必要です。

FedoraなどのRed HatベースLinux

Fedora / CentOS Stream 9+ / RHEL 9+ 向けには、公式ドキュメントでCOPRリポジトリを使う方法が紹介されています。

sudo dnf copr enable lihaohong/yazi
sudo dnf install yazi

推奨依存関係を入れずにYazi本体だけを入れる場合は、次のようにします。

sudo dnf copr enable lihaohong/yazi
sudo dnf install yazi --setopt=install_weak_deps=False

アンインストールして、追加したCOPRリポジトリも戻す場合は次のようにします。

sudo dnf remove yazi
sudo dnf copr disable lihaohong/yazi

Yazi本体だけでも動きますが、プレビューや検索を活かすには ffmpeg 、jq 、poppler 、fd 、ripgrep 、fzf 、zoxide などの周辺ツールも重要そうです。

基本的な使い方

インストールできたら、まずは次のコマンドで起動します。

yazi

終了するときは q 、ヘルプを開くときは F1 または ~ を押します。

最初に覚える操作は、次のあたりで十分そうです。

操作 キー
上下左右に移動 ↑ / ↓ / ← / →
Vim風の移動 h / j / k / l
ディレクトリに入る l または →
親ディレクトリに戻る h または ←
選択を切り替える Space
visual modeで選択する v
選択を解除する Esc
ファイルを開く Enter または o
コピー y
カット x
ペースト p
ゴミ箱に移動 d
完全に削除 D
ファイルを作成 a
リネーム r
隠しファイルの表示切替 .

検索系は、周辺CLIツールとの連携が効いてくるところです。

操作 キー
ファイル名で絞り込み f
次のファイルを検索 /
前のファイルを検索 ?
ファイル名で検索 s
ファイル内容で検索 S

タブも使えます。

操作 キー
現在のディレクトリで新しいタブを開く t → t
N番目のタブへ移動 1 から 9
前のタブへ移動 [
次のタブへ移動 ]
現在のタブを閉じる Ctrl + c

公式Quick Startでは、yazi ではなく y コマンドで起動するシェルラッパーも紹介されています。

このラッパーを使うと、Yaziを終了したあとに、Yazi内で移動していたディレクトリへシェル側のカレントディレクトリも移動できます。ファイルマネージャとして日常的に使う場合に便利です。

周辺CLIツールとの連携が前提になっている

Yaziは、単体で完結するファイルマネージャというより、既存のCLIツールとうまく組み合わせる設計になっています。

たとえば、次のような役割分担です。

ツール 役割
fd 高速なファイル検索
ripgrep 高速な全文検索
fzf fuzzy finder
zoxide 移動履歴を使ったディレクトリジャンプ
jq JSONプレビュー
poppler PDFプレビュー
ffmpeg 動画・メディア系のプレビュー

この設計は、ターミナル作業に慣れている人ほど適していそうです。

既存の便利なCLIツールを置き換えるのではなく、それらをファイルマネージャ体験の中に取り込む方向だと思います。

ReleaseとIssueから見える補足

GitHubのReleaseやIssueを見ると、Yaziはかなり活発に開発されているツールだと分かります。

記事執筆時点(2026年7月8日)の最新Releaseは v26.5.6 です。Changelogを見ると、検索ディレクトリを指定する search action の --in 、マウスによるペインのドラッグリサイズ、multi-file spotter、dynamic opener / previewer API、SFTP VFS providerの証明書認証などが追加されています。

これらを見ると、Yaziは単なるファイル一覧ツールではなく、プレビュー、検索、リモートファイル、プラグインやAPIを含むファイル操作基盤として進化しているように見えます。

一方で、Issueを見ると、リモートファイルシステムやプレビューまわりはまだ注意が必要そうです。

たとえば、Virtual File Systemに関する既知Issueでは、remote filesystemsでのsearch機能や fzf 対応が今後の課題として挙げられています。また、外部の ssh バイナリを使って ~/.ssh/config やより多くのSSHオプションに対応することも未完了項目として挙がっています。

これは、自分が感じた「WinSCP的な確認作業の一部は代替できるが、全面的な置き換えにはまだ慎重」という感覚とも一致します。

また、Windows上のPDFプレビューや画像プレビューに関するIssueもいくつか見られます。これらは個別環境の報告であり、すべての環境で再現するとは限りません。ただ、Yaziのプレビュー機能はターミナル、画像プロトコル、外部コマンド、PATH設定に依存するため、環境差が出やすい部分だと考えた方がよさそうです。

Yaziは開発が活発なぶん、設定ファイル、キーバインド、プラグイン/APIまわりがReleaseごとに変わる可能性があります。

本格的に使う場合は、導入時点の公式ドキュメントとChangelogを確認した方が安全です。

まとめ

Yaziは、Rust製の高速なTUIファイルマネージャです。

非同期I/O、ファイルプレビュー、プラグイン、flavor、周辺CLIツールとの連携など、ターミナル上のファイル操作をかなり広く扱おうとしているようです。

単なる ls の置き換えではなく、ターミナル上のファイル操作を一段広げるツールとして面白いです。

特に、画像やPDFのプレビューは見やすく、SSH先でファイルをざっと確認する用途には向いていると感じました。

一方で、キーバインドや周辺CLIツールとの連携には慣れが必要です。普段からコマンドでの作業に慣れている人にとっては、Yaziを挟むことで逆に手数が増える場面もあります。

自分の結論としては、WinSCP的な確認作業の一部は代替できるものの、それだけで全面的に乗り換えるというより、SSH先でプレビューしながらファイルを見たい場面に絞って使うのが良さそうです。

参考

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