- 対象: 個人開発のAIエージェント公開
- 更新日: 2025年12月
- 通貨: 1ドル = 約150円換算
1. サービス概要
| 特徴 | GCP: Google Kubernetes Engine (GKE) | AWS: Elastic Kubernetes Service (EKS) |
|---|---|---|
| モード |
Autopilot (推奨) Googleがノード管理を全自動化。 |
Fargate (またはEC2) サーバーレスコンピュートエンジン。 |
| 運用負荷 |
極めて低い セキュリティパッチやノードスケーリングが自動。 |
中程度 Fargateを使えば楽だが、設定項目は多め。 |
| 得意分野 | AI/ML、データ分析、コンテナネイティブ | 大規模エンタープライズ、既存AWS資産その活用 |
2. 料金比較(ここが重要)
個人開発で最も影響が大きいのは 「クラスター管理手数料」 です。
| 料金項目 | GCP (GKE Autopilot) | AWS (EKS) |
|---|---|---|
| クラスター管理費 |
実質 $0 /月 (無料枠) ※1アカウントにつき1クラスター分が無料 |
約 $73 /月 (約11,000円) ※クラスターを作成した瞬間から発生 |
|
コンピューティング (CPU/メモリ) |
使った分だけ (1秒単位) 必要なリソース分のみ課金。 |
使った分だけ (1分単位〜) Fargate利用時。EC2なら稼働時間分。 |
|
合計コスト目安 (個人運用の場合) |
数百円 〜 数千円 (アクセス頻度による) |
最低 11,000円 〜 (管理費固定 + リソース費) |
[!IMPORTANT]
結論: 個人で「とりあえず公開してみたい」というフェーズでは、AWS EKSは固定費(管理費)が高すぎます。
GKEであれば、管理費が無料枠でカバーされるため、実質的にリソース使用料(サーバーが動いている時間)だけで済みます。
3. 詳細機能比較(Autopilot vs Fargate)
| 機能 | GKE Autopilot | AWS EKS on Fargate |
|---|---|---|
| ノード管理 | 完全自動 (Google SRE推奨設定) | 自動 (OS管理不要) |
| スケーリング | 高速。Pod数に応じて自動増減。 | 高速。Pod数に応じて自動起動。 |
| SLA (稼働率) | 99.95% (Zonal) 〜 99.9% | 99.95% |
| 無料枠の有無 | あり (管理費 $74.40分) | なし |
4. 推奨構成案
案A: コスパ最強構成 (GCP Cloud Run)
Kubernetesにこだわらない場合、これがベストです。
- サービス: GCP Cloud Run
- 特徴: リクエストがない時はインスタンスがゼロになり、料金が完全に0円になります。
- 向いている人: ポートフォリオとして公開したい、アクセス数が未知数。
案B: Kubernetes学習構成 (GCP GKE)
K8sのスキルを身に着けたい場合。
- サービス: GKE Autopilot
- 特徴: クラスター管理費が無料なので、自分のペースで学習・運用が可能。
- 向いている人: 将来的にインフラエンジニアを目指す、複雑なマイクロサービス構成にしたい。
5. まとめ
| あなたの目的 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| AIエージェントを安く公開したい | GCP (Cloud Run) | 待機時間0円はAWSには真似できない強み。 |
| K8sを使って運用したい | GCP (GKE) | 個人レベルでEKSの固定費1万円/月は重すぎる。 |
| AWSのスキルを磨きたい | AWS (EKS) | コスト度外視でAWSエコシステムを学ぶならあり。 |