はじめに
前回はこう書いて締めました。「AI がこの夜いちばんいい仕事をしたのは、自分の出番を一つ減らしたときでした。」
その翌日の未明、VBAマネージャーを、Google の Antigravity の Gemini に使わせてみました。練習用のブックを開いて、汚れた表の修正をいくつか頼んだのです。
めちゃくちゃ速かったです。
表の修正が、頼んでから二十秒、三十秒で終わる。それより効いたのは、返事の出だしの早さでした。頼んだとたんに一手目が画面に出て、あとは二秒おきくらいに手が並んでいく。多少間違えても、そこを言えば、すぐ直ってくる。とにかく、スムーズでした。
この二か月、私はこの連載で何度も速さの話を書いてきました。遅さの犯人を挙げ、AI の頼んでいない調査を止め、道具の無駄を削り、表の修正をマクロに任せて〇・三秒にしました。速さを求めて、いろいろやってきたわけです。
ところが、そんなことよりも、Antigravity の Gemini を使えば解決する。分かったのは、そういうことでした。
正直に書くと、少しショックでした。ただ、記録を見直してみると、何が速かったのかも、はっきりしてきました。順番に書きます。
TL;DR
- VBAマネージャーを Antigravity の Gemini(Gemini 3.8 Flash)に使わせたら、汚れた表の修正が頼んでから二十〜三十秒で終わりました。一手目は、頼んでから二、三秒で出ます
- Gemini は、VBAマネージャーに作ってきた AI エージェントの仕組みを使いませんでした。自分がエージェントとして動いているので、裏で別の AI を呼ぶ必要はない、と言って、道具の手を直接撃ちました。コードの変更も要りませんでした
- 一発で完璧ではありません。表の外に罫線を残したまま「合格」と報告してきたこともあります。でも、そう言えば三十秒で直ります。 間違えても、すぐ言い直せる
- 同じ夜、同じ練習用の表を Claude Code(Opus 5)にも直させていました。記録を並べると、合計の秒では、差は思ったほど大きくありません。差が出たのは、一手目が出るまでと、言い直してから直るまででした
- 私が速さだと感じていたのは、合計の秒ではありませんでした。返ってくるまでの秒です。七月に書いた「会話のキャッチボール」の話に、二か月かけて戻ってきた気がします
- Gemini が撃っていたのは、この二か月で作った道具そのものでした。頭を替えても、道具はそのまま動きました。そのうえ Gemini は、道具の中の遅いところを一つ見つけて、直していきました(書いた直後の確かめを、Excel との七十八回のやり取りから一回に)。道具を作った Claude Code が、十日あまり見過ごしていた遅さです
- 同じ週、Google は Gemini をデスクトップに置いてエージェントを載せ、OpenAI は Codex の仕組みを API にしました。エージェントのループは、AI の側に移りつつあります。 道具の側が何を持てばいいのかは、もっと研究が要ります
速さを追いかけた二か月
七月からの記事を並べると、速さの話がいくつも出てきます。
- 七月十三日。道具が遅くなりすぎたので、遅さの犯人を一人ずつ挙げました。道具を常駐させて、一回の命令が〇・〇一〜〇・二秒になりました
- 七月十七日。それでも遅かった犯人は、AI の頼んでいない調査でした。ブラウザの AI チャットにコードを貼って頼んだほうが速かった、というお詫びを書いています
- 八月三日。自分で作った Excel の中の AI の窓で、沈黙をなくすほうが、速くするより効いたと書きました
- 九月十一日。汚れた顧客リストを直すエージェントが、百三十七秒から二十一秒になりました
- 九月十二日(前回)。表の修正をマクロに任せて、同じ表が一・二秒、修正そのものは〇・三秒になりました
道具の側は、もう秒の単位になったと思っていました。残っているのは、AI の側だと。
前回の記事を出した翌日、九月十三日の二時すぎにも、私は同じことをやっていました。練習用のブックの表を Claude Code に直させて、秒を計っていたのです。
二時半ごろの回で、Claude Code は「合わせて約9秒でした」と報告してきました。道具の時計が数えた、途中の区間だけの数字です。頼んでから終わるまでの時間で言ってください、と言いました。記録で見ると、一分二十秒かかっていました。
表を元に戻しては頼み直して、三十九秒、二十三秒、十九秒。どの回も、一手目を出すまでに考え込む時間がありました。Claude Code の画面には、考えている時間が表示されるので、こちらにも分かります。なぜそんなに考えるのか、と聞くと、Claude Code はこう答えました。「考える必要のないところで考えていました。」
それで、まとめてみてください、と頼みました。Claude Code が作ったのが、seiri という命令です。表を整えるマクロを撃って、直しきれなかった残り(エラーのセルとその原因など)だけを出します。これで、頼んでから終わるまで十七秒。かなり早かった、と私も言いました。
その夜の到達点が、そこでした。
Antigravity の Gemini に渡してみました
その一時間ほどあとです。
Antigravity には、七月に VBAマネージャーをつないであります。つなぐまでに、Gemini の説明を物証で崩して回った話は、こちらに書きました。
五月には、Claude Code の使用量の上限に当たった日に、Antigravity の Gemini に救われたこともあります。付き合いは、それなりに長い相手です。
久しぶりに触らせるので、まず聞きました。二か月前とはかなり変わっているけれど、どういう機能があるか分かりますか。
三秒で返ってきました。道具のコードから読み取った機能の一覧で、その夜に作ったばかりの seiri まで入っていました。
次に、こう聞きました。VBAマネージャーの AI エージェントの機能は、あなたからはつなぐ方法がないから、使えないでしょう。
Gemini の答えは、こうでした。
何より、私(Antigravity)自身が目の前でAIエージェントとして動いているため、裏で別のAIを呼び出す必要がありません。
続けて、コードの変更なしにできるのかと聞くと、一切不要です、と。
VBAマネージャーのエージェント化で作ってきたのは、道具(Python)がループを持ち、その中で AI を呼ぶ仕組みです。Gemini は、それを使わずに、道具の手を自分で直接撃つと言ったわけです。使わなくてもできます、とやられてしまいました。
練習用の表を四枚
練習用のブックの表を、順に頼みました。一時間前に Claude Code に直させた表を、元に戻したものです。
テスト用1(売上の表と、わざと壊してある式)。 頼んだのは一言、こちらの表の修正をお願いします、だけです。Gemini は三秒後に seiri を撃ちました。表を整えるマクロが〇・二八秒で動き、残りとして「D31 の式が空のセルで割っている」が出ます。Gemini は D31 を =G27/SUM(E6:E25) に書き直し、表示形式をそろえ、もう一度 seiri で残りがゼロなのを確かめて終わりました。
途中で三回つまずいています。一つのセルに表の仕上げを当てようとして道具に断られ、端末から直接 Excel を触ろうとして失敗し、表示形式の引数の名前を間違えた。どれも、数秒後には次の手が出ています。頼んでから終わるまで、二十九秒。
何秒でできたか聞くと、全体で約二十九秒、Excel を動かしている時間は合計で一秒未満、と答えました。記録の時刻と合っています。
テスト用2(汚れた会員名簿)。 空白もあるので埋めてください、と足しました。Gemini は空いていたフリガナを隣の氏名から埋め、全角の会員番号を半角にし、重複していた一行を消して、見た目の検査で合格を確かめました。十八秒。
テスト用4(横に並んだ二つの表)。 郵便番号のハイフンと住所の全角半角がそろい、二つの表にそれぞれ罫線と列幅が当たりました。見た目の検査で指摘が一件(番号の列が右に寄っている)出て、それを直して合格。二十八秒。
テスト用5(結合セルだらけの帳票)。 これは朝、別の回に頼みました。帳票を一行一件の一覧に直し、要らない図形を四つ消し、印刷を一ページの幅に収めます。初回は道具の引数を一つずつ調べながらで、一分四十三秒。同じシートを元に戻して頼み直すと、四十七秒。そのあとは十八秒、二十七秒でした。四十七秒と十八秒のあいだに何があったかは、次の節に書きます。
どの表でも、一手目は、頼んでから二、三秒で出ています。 そこから先は、二秒おきくらいに道具の手が画面に並んでいきます。黙って考え込んでいる時間が、ほとんどありません。
Claude Code が見過ごしていた遅さを、Gemini が直しました
テスト用5 の二回目のあと、時間がどこにかかったのかについて、Gemini は、表の書き込みとその直後の確かめで約三十二秒、そのうち約三十秒が確かめのほうだ、と説明しました。道具は、書いた直後に画面の見え方を確かめます。その確かめで、書いた七十八セルの見え方を、Excel に一セルずつ聞いていた。一セルごとに Excel とのやり取りが一回ずつ入るので、その待ちが積み上がっていた、という説明です。
一瞬でできるようにはならないのか、と聞きました。Gemini は二つの手を挙げました。書いた直後の確かめをやめるか、範囲をまとめて一回で配列として読むか。後のほうなら、七十八回のやり取りが一回で済む。道具の中には、まとめて読む関数がもともとあったので、差し替えは数行です。私が了承して、Gemini が差し替え、道具を読み直しました。
差し替えたあと、同じシートを元に戻して頼み直すと、十八秒。次が二十七秒でした。書き込みの手も、三十秒余りかかっていたのが、三〜六秒で返るようになっています。
これは、ものすごく効く直しです。 表を書き込む手は、表を直すたびに撃つ手です。そのたびに三十秒待っていたのが、数秒になりました。
正直に書いておきます。この一セルずつの読み戻しは、九月二日に Claude Code が道具に足したものです。書いた直後に ### を見落とさないための確かめでした。それから十日あまり、道具を一緒に作ってきた Claude Code は、この遅さに手を付けていません。Claude Code は作ったまま見過ごし、Gemini は使い始めたその朝に見つけて直しました。
Gemini は、道具を使っただけではありませんでした。道具の遅いところを見つけて、直していきました。
間違えても、すぐ言い直せる
一発で完璧だったわけではありません。
テスト用4 で、Gemini は「左右両方の表(A5:E13, I5:K11)を検査し、ともに『指摘なし(合格)』を確認済みです」と報告してきました。画面を見ると、二つの表のあいだの空いた列にも、右の表の下にも、表の外まで罫線が残っています。表を整えるマクロが、横に並んだ二つの表をまとめて一つの表として扱ったためです(一時間前の Claude Code の回で分かっていた癖です)。見た目の検査は、Gemini が指定した二つの表の範囲だけを見ていたので、その外の罫線には気づきませんでした。
余計なところに罫線があっておかしいので、見て直せませんか、と言いました。
Gemini は画面の写真を撮り、表の外の罫線を消し、二つの表だけに罫線を引き直して、もう一度写真を撮って確かめました。言ってから直るまで、三十秒。
同じことは、一時間前の Claude Code でも起きていました。同じテスト用4 で、同じように表の外に罫線を残して報告を終え、私がダメだと言ってから直しています。そちらは八十秒でした。
一回で完璧に仕上がることは、どちらの AI でも、まだありません。大事なのは、言い直したときに、どれだけ早く返ってくるかでした。三十秒で返ってくるなら、間違いはそれほど怖くありません。見て、言って、直る。その往復が短ければ、会話のまま仕上がっていきます。
並べてみると
この下書きを頼んだ Claude Code が、両方の記録から秒を拾ってきました。同じ練習用のブックの、同じ表です。Claude Code の回は seiri ができたあとの回、Gemini の回はその一時間後。どちらも、私が頼んだ時刻から、最後の返事が出た時刻までです。
| 表 | Claude Code(Opus 5) | Gemini(3.8 Flash) |
|---|---|---|
| テスト用1 | 17秒 | 29秒 |
| テスト用2 | 27秒 | 18秒 |
| テスト用4 | 43秒 | 28秒 |
| テスト用4 の罫線の言い直し | 80秒 | 30秒 |
| 四つの合計 | 167秒 | 105秒 |
| 一手目が出るまで | 4〜6秒(言い直しは18秒) | 2〜3秒 |
合計で見ると、Gemini がいくらか速い、というくらいです。テスト用1 は、むしろ Claude Code のほうが早く終わっています。差がはっきり出ているのは、一手目が出るまでと、言い直しの回です。
Gemini は、考え込みません。頼んだとたんに一手目が出て、つまずいても次の手がすぐ出る。Claude Code は、一手目の前に考える時間があって、それが画面に見えます。仕上がりは、見た範囲では同じところに着きました。仕上がりが変わらないなら、Gemini のほうがいい。 その夜、私は Claude Code にそう言いました。
速さの正体は、返ってくるまでの秒でした
ここで、七月のお詫びの記事を思い出しました。ブラウザの AI チャットにコードを貼って頼んだほうが、道具を持った Claude Code より速かった、と書いた回です。あのとき私は、こう書いています。
会話のキャッチボールだけで終わりました。
八月には、自分で作った AI の窓で、処理は一秒も速くなっていないのに、途中の様子を見せただけで「待たされている感じ」が消えた、とも書きました。九月十二日にも、同じことがありました。ふだん使っている自分のアドインの AI の窓で、答えの頭は一・二秒で届いていたのに、書き終わる八・一秒まで何も出していなかった。書きかけを流すようにしたら、同じ秒数でも遅いと感じなくなりました。
キャッチボールで考えると、分かりやすくなります。
球が速い相手と、すぐ投げ返してくれる相手がいたら、長く続くのは後のほうです。受けて、すぐ返す。少しそれた球が来ても、取りに行って、すぐ返す。その繰り返しが続くかぎり、止まりません。どれだけ速い球でも、投げる前に長く構えられると、こちらはグラブを構えたまま待つことになります。
この二か月の速さの工夫は、ほとんどが一球で決めるためのものでした。関所で差し戻しを減らす。試験で嘘の合格を潰す。一往復で済ませる。マクロで一度に整える。どれも、構えを整えて、一球で決めるための工夫です。それはそれで、効きました。二十一秒も、一・二秒も、そうやって出た数字です。
Gemini が見せてくれたのは、別の速さでした。すぐ返ってくること。 一球目がそれても、二秒後には次の球が来る。そうなると、こちらは安心して待てるし、安心して言い直せます。
私が速さだと感じていたのは、合計の秒ではありませんでした。返ってくるまでの秒だったのです。
二か月の道具は、どうなったのか
では、速さを求めて作ってきたものは、要らなかったのでしょうか。
記録を見るかぎり、Gemini が撃っていたのは、この二か月で作った道具そのものでした。シートを読む命令、seiri と表を整えるマクロ、Python だけで名簿を掃除する命令、表の仕上げ、見た目の検査、画面の写真。表を整えるマクロは〇・〇五〜〇・二八秒で片付け、Gemini には残りだけが渡っていました。
使われなかったのは、道具の中で AI を呼ぶループのほうです。Antigravity では、Gemini がそのループの役を、自分でやります。
前回、VBAマネージャーを鍛冶場にたとえました。AI が鍛冶屋で、マクロは打たれた道具です。今回分かったのは、打った道具は、使い手を替えてもそのまま使えるということでした。道具は Claude Code と一緒に作り、それをいちばん速く回したのは Gemini でした。
しかも Gemini は、使うだけでは終わりませんでした。先に書いたとおり、作った Claude Code が十日あまり見過ごしていた遅さを、使い始めたその朝に直しています。新しい使い手が、道具の刃こぼれを一つ研いでいったわけです。
表を整えるマクロは、もう一秒を切っていました。残っていた遅さは二つです。一つは、道具の中に残っていた読み戻しの待ち。もう一つは、頭が一手目の前に考え込む時間。一つ目は Gemini が直し、二つ目は、Gemini がもともと持っていませんでした。「そんなことよりも Gemini」の中身は、たぶんそういうことだと思っています。
同じ週、世の中もエージェントの側に動いていました
この夜の三日前、九月十日に、エージェントの話が二つ出ていました。
一つは、Google の Gemini の Windows 版アプリです。Alt+Space でいつでも呼び出せて、画面の上に重ねて使えます。有料の契約で使える「Gemini Spark」というエージェントが載っていて、いくつもの手順にまたがる作業を任せられる。Google は、デスクトップならではの機能を、これから順次足していくと言っています。
もう一つは、OpenAI の Agents API です。Codex を動かしているのと同じ仕組みを、API で使えるようにしたものです。API を一回呼べばエージェントが立ち上がり、OpenAI の用意した作業場で、ファイルを扱い、コードを動かし、何時間も作業を続ける。大きな仕事は分けて、何体かに並行して任せられます。
Anthropic も、四月の上旬に同じ種類のサービス(Claude Managed Agents)を出しています。AI の会社が、そろってエージェントそのものを製品にしてきました。
ここで、Antigravity の Gemini の答えを思い出しました。自分がエージェントとして動いているので、裏で別の AI を呼ぶ必要はない。VBAマネージャーのエージェント化で作ってきたのは、道具(Python)がループを持ち、その中で AI を呼ぶ仕組みでした。そのループを、AI の側が自分で持つ。Antigravity の Gemini はそれを目の前でやって見せ、OpenAI はそれを API にしました。エージェントのループは、AI の側に移りつつあるように見えます。
では、道具の側は何を持てばいいのか。この一晩で見えたのは、手と、すぐ返ってくる往復でした。ループを誰が持っても、Excel を触る手は要ります。Gemini がいちばん速く回したのも、この二か月で作った道具の手でした。
ただ、これは一晩、表四枚の話です。ループを AI の側に渡したとき、関所や試験や控えを、道具のどこに置けばいいのか。そこはまだ分かっていません。
事実と見立ての仕分け
例によって仕分けます。
事実。 Gemini の秒は、Antigravity に残っていた会話の記録の時刻から数えました。私が頼んだ時刻から、最後の返事が出た時刻までです。モデルが Gemini 3.8 Flash(Medium)だったことも、会話の記録にあります。Claude Code の秒も、同じ夜の会話の記録の時刻から数えています(Opus 5)。表を整えるマクロの〇・二八秒と〇・〇五秒は、道具の出力です。「合わせて約9秒でした」も、「考える必要のないところで考えていました」も、「裏で別のAIを呼び出す必要がありません」も、それぞれの AI の出力として記録に残っています。テスト用4 で罫線を残したまま合格と報告したこと、言い直して三十秒で直ったこと、Claude Code の同じ場面が八十秒だったことも、記録のとおりです。テスト用5 の読み戻しの差し替えも、会話の記録に残っています。九時一分に Gemini が三十秒の出どころを説明し、九時六分に道具を書き換えて読み直しました。差し替えの前が一分四十三秒と四十七秒、後が十八秒と二十七秒です。一セルずつの読み戻しが九月二日に足されたものであること、九月十二日に取った道具の控えでもそのままだったことは、道具のコードの実物で確かめました。九月十日の二つの発表は、Gemini の Windows 版アプリが ITmedia の記事、Agents API が OpenAI の発表で、本文に書いた範囲を確かめています。Claude Managed Agents が四月上旬に出たことは、報道で確かめました。
見立て。 「私が速さだと感じていたのは、返ってくるまでの秒」は、私の体感と、この一晩の記録を並べたうえでの言い方です。表は四枚、それぞれ一回ずつで、標本は小さい。「Gemini は考え込まない」は、画面に出る様子と一手目までの秒からの読みで、中で何をしているかを測ったわけではありません。「残っていた遅さのもう一つは、頭が考え込む時間」は、マクロの秒(一秒未満)と、頼んでから終わるまでの秒の差からの読みです。三十秒の原因が一セルずつの読み戻しだった、というのは Gemini の説明です。差し替えの前後の秒はそれと合っていますが、読み戻しの部分だけを切り出して測ったわけではありません。「エージェントのループは、AI の側に移りつつある」は、九月十日の二つの発表と四月の発表、それに Antigravity の Gemini の一言を並べたうえでの私の読みです。
正直な線引き
- 表は全部、練習用のシートです。 架空の売上・名簿・帳票で、汚れ方もよく見る形を並べたものです。他人の実物のブックではありません
- 比べた回の条件は、そろっていません。 Claude Code の回は、同じ表を何度も撃ち直したあとの回で、その前には一分二十秒の回もあります。Gemini の回は、その一時間後に初めて頼んだ回です。使った道具(表を整えるマクロと seiri)は同じです
- Gemini も迷います。 最初にマクロの一覧を頼んだときは、道具を使わずに端末から直接 Excel を触ろうとして失敗し、道具に戻るまで一分余りかかりました。七月の記事に書いた、別のデスクトップの壁です
- 読み戻しの差し替えで、いったん見えなくなったものがあります。 書いた直後の確かめが中身の値を読むようになったので、列幅が足りずに ### になったセルは、そこでは見えなくなっていました。この記事を書いた夜に、範囲を一回で読んだうえで、列幅に届きそうな数値のセルだけ Excel に聞く形にして、### の確かめを戻しています(Claude Code が直しました)
- Gemini のデスクトップ版と Agents API は、今回は触っていません。 この記事で使ったのは、Antigravity の中の Gemini です。同じ週の二つの発表は、記事と発表文で確かめた範囲だけを書いています
- Antigravity につなぐ設定は、七月に済ませてあります。 MCP の設定に Python の場所を書いただけで、VBAマネージャーのコードは変えていません
- VBAマネージャーのエージェントの部分と、表を整えるマクロは、まだ配っていません。 公開しているリポジトリには入っていません
- Windows 版の Excel の話です
おわりに
速さを求めて、この二か月、いろいろやってきました。犯人を挙げ、頼んでいない調査を止め、無駄を削り、マクロに任せて、表の修正は一秒を切りました。
最後に残っていたのは、頼んでから一手目が出るまでの沈黙でした。そこを埋めたのは、Gemini でした。道具は、頭を替えてもそのまま動きました。新しい頭は、道具の中の遅いところまで、一つ直していきました。
キャッチボールは、すぐ返ってくる相手とのほうが、長く続きます。
同じ週に、Google はデスクトップに、OpenAI は API に、エージェントを置きました。ループは、AI の側に移りつつあります。そのとき道具の側が何を持てばいいのかは、この一晩ではまだ見えません。
やはり AI エージェント化は、もっと研究する必要がありそうです。


