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Kubernetesについてざっくり理解する

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はじめに

コンテナオーケストレーションのデファクトスタンダードである Kubernetesをキャッチアップすることは、現代のクラウドネイティブ運用において外せません。

本記事では、Kubernetesが使われるようになった背景、その核心的な概念、そしてシステムを構成する主要なコンポーネントについてざっくり理解することを目的にまとめています。


1. Kubernetesが使われるようになった背景

k8sは、Googleが社内で利用していたコンテナ管理システム「Borg」の知見を基に、2014年にオープンソースとして公開されたプロジェクトです。その普及の背景には、アプリケーション開発と運用を取り巻環境の変化があります。

1-1. コンテナ技術の普及

2013年のDockerの登場により、アプリケーションとその依存関係をパッケージ化し、どの環境でも同じように動かす手段としてコンテナが一般化しました。コンテナは、従来の仮想マシン(VM)よりも軽量・高速で、環境差異の排除というメリットを持ちます。

1-2. マイクロサービス化

アプリケーション構造が、モノリシックからマイクロサービスへ移行し、サービス毎にコンテナが独立する構造が一般化しました。その結果、管理すべきコンテナ数が爆増し、手作業での運用が困難になりました。

1-3. 大規模コンテナ管理の課題

大量のコンテナを本番環境で安定運用するには、以下の非機能要件が求められます。

  • デプロイの自動化
  • スケーリング(オートスケール)
  • 自己修復(障害時に自動復旧)
  • サービスディスカバリ・負荷分散

これらの課題を統合的に解決する基盤としてKubernetesが広く利用されるようになりました。


2. Kubernetesの主要概念

Kubernetes の本質は、「宣言的にクラスタを制御する」ことと、「分散システムとしてのクラスタ構造」にあります。

2-1. 宣言的アプローチ(Desired State)

Kubernetesでは、ユーザーは「このアプリケーションをPodとして3つ動かしたい」といったあるべき状態(Desired State)をYAMLファイル(マニフェスト)で宣言します。

Kubernetes は内部の 制御ループ(Control Loop) により、実際の状態(Current State)を Desired State に合わせ続けます。

これにより、Pod が落ちても自動的に復旧するような 自己修復 が実現されています。

2-2. クラスタ構造

Kubernetes は複数のノードを束ねた クラスタ で動作します。

要素 役割
コントロールプレーン (Control Plane) クラスタ全体の司令塔。デプロイ、スケジューリング、状態管理など、オーケストレーションの中核を担います。
ノード (Node) ワーカーマシン。実際にアプリケーションのコンテナを実行するサーバー(VMまたは物理マシン)。

3. Kubernetesの主要コンポーネント

Kubernetesは、コントロールプレーンとノードに分かれており、それぞれが複数のコンポーネントで構成されています。全体図は以下の通りです。(公式より引用)
components-of-kubernetes.png

3-1. コントロールプレーンのコンポーネント (司令塔)

クラスタの意思決定と状態管理を担当します。

コンポーネント 役割
kube-apiserver クラスタのすべての操作(kubectlなど)を受け付ける管理インターフェース
etcd クラスタ全体の状態(設定、あるべき状態、現在の状態)を永続保存する分散KVS
kube-scheduler 新規Podの配置先ノードを選択
kube-controller-manager 多数のコントローラーを実行し、クラスタをあるべき状態に保つ

3-2. ノードのコンポーネント (ワーカー)

実際にコンテナを実行し、コントロールプレーンの指示に従います。

コンポーネント 役割
kubelet コントロールプレーンからの指示を受け取り、ノード上でPodが正しく動くように管理
kube-proxy ネットワークルール、サービス経由の負荷分散を担当
コンテナランタイム コンテナイメージを取得し、実際にコンテナを実行するソフトウェア(例: containerd、Dockerなど)

3-3. 抽象化オブジェクト

これらのコンポーネントが管理する、Kubernetesを扱う上で必須の3大リソースです。

オブジェクト 役割
Pod デプロイの最小単位で一つ以上のコンテナを内包
Service Pod群への安定したアクセス手段で、負荷分散とサービスディスカバリを担う
Deployment ReplicaSet(Podの数を維持するコントローラー)とPodの管理を担う(ローリングアップデートやロールバック)

まとめ

Kubernetesは、コンテナ化されたアプリケーションを安定化つ大規模に運用するための基盤であり、宣言的アプローチと自己修復機能によって高い可用性を実現しています。

まずは本記事で紹介した Pod / Service / Deployment の3つを軸に、実際にデプロイを試しながら理解を深めていくのが近道です。

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