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品質勉強会-第2回:品質の種類

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過去の品質勉強会

  1. 品質勉強会-第1回:品質って何?

本セクションの目的

品質の種類を理解する。


品質のイメージ

品質/クオリティ と聞いたときに、どのようなことをイメージしますか?
どのような項目が対象か考えてみてください。


例えば

  • 品質 と聞くと、 不具合・バグ のイメージを強く感じる。
  • クオリティ と聞くと、 機能性・使用性 のイメージを強く感じる。

品質の種類

  • プロダクト品質
    • 当たり前品質
    • 一元的品質
    • 魅力的品質
  • プロセス品質
    • 作業手順
    • 企業倫理

プロダクト品質

プロダクトに対する品質です。
先ほどの例の、不具合・バグ 機能性・使用性は、プロダクト品質になります。


  • 当たり前品質
    • できて当たり前の品質。
    • ユーザが「この製品は最低限この品質を満たしているはずだ。」「この製品はこの品質を持っていて当たり前だ。」と思っている品質のことです。
    • 例えば、自動車であれば、「安全に走行することができる」といった品質となります。当たり前品質が満たされていても、お客様は特に満足を感じることはありません。ただし、満たされていないと不満を感じる要因となります。

  • 一元的品質
    • ないと不満で、あるとウレシイ品質です。
    • 例えば、ショートカットキーなどの操作を楽にする機能などがこれに相当します。

  • 魅力的品質
    • なくても不満にならないが、使ってみて充足感が高いと手放せなくなるような品質です。
    • ユーザによって、何に魅力を感じるかは異なります。市場分析やユーザ分析を常に行って磨いていく必要があります。

プロセス品質

製品やサービスを生み出すのに関与する全ての要素


  • 作業手順
    • 申込〜利用、サポートなどのサービス提供手順や、プロダクト品質を作り込む手順の品質のことです。
  • 企業倫理
    • 企業自らが社会の一員として活動し、価値のある一員として認められる為の基本的な行動範囲。

品質特性

「品質要素を客観的に評価するための性質」を定義した物が、品質特性です。
品質特性には、機能性、信頼性、使用性、効率性、保守性、移植性があり、この6つの特性から、外部品質、内部品質を評価していきます。


  • 機能性(functionality)
    • ソフトウェアがユーザからの機能的な要求(明示的機能と暗示的機能)を満たす度合い。
      ユーザ目的に合った正確な動作を満たすか。外部IFや規格、セキュリティ基準を満たすか。
    • 副特性
      • 合目的性(suitability)
      • 正確性(accuracy)
      • 相互運用性(interoperability)
      • 機密性(security)
      • 標準適合性(compliance)

  • 信頼性(Reliability)
    • 様々な使用条件のもとで、ソフトウェアの機能が正常に稼働し続ける度合い。
      必要な期間、正常に動作を続け、イレギュラーに対する耐久力を持ち、障害時に速やかに回復できるか。
    • 副特性
      • 成熟性(maturity)
      • 障害許容性(fault tolerance)
      • 回復性(recoverability)
      • 標準適合性(compliance)

  • 使用性(Usability)
    • 分かりやすく使いやすいソフトウェアであるかどうかの度合い。
      簡単に理解でき使いこなすことができるか。再び使用したくなるか。
      インストール作業や運用時が容易か。
    • 副特性
      • 理解性(understandability)
      • 習得性(learnability)
      • 運用性(operability)
      • 魅力性(attractiveness)
      • 標準適合性(compliance)

  • 効率性(Efficiency)
    • アプリケーションのレスポンスや、ハードウェア資源(メモリ/CPU使用率/ハードディスク等)に対して適切な性能を提供する度合い。
    • 副特性
      • 時間効率性(time behaviour)
      • 資源効率性(resource behaviour)
      • 標準適合性(compliance)

  • 保守性(Maintainability)
    • ソフトウェアに対する機能追加、改修、環境変化等に対する対応の容易性の度合い。
      障害等の問題の把握、切り分けなどの解析のしやすさ、変更作業の容易さ、
      保守作業が必要な頻度の少なさ、保守によるテスト作業の行いやすさ等。
    • 副特性
      • 解析性(analyzability)
      • 変更性(changeability)
      • 安定性(stability)
      • 試験性(testability)
      • 標準適合性(compliance)

  • 移植性(Portability)
    • ソフトウェアを ある環境から他の環境に移すための容易性の度合い。
      OSやハードウェア等の環境変更に対してスムーズに移植できるか、どの程度の作業量にて移植できるか。
    • 副特性
      • 環境適応性(adaptability)
      • 設置性(installability)
      • 共存性(co-existence)
      • 置換性(replaceability)
      • 標準適合性(compliance)

関係性

  • 「品質の種類」と「品質特性」の関係図
    image.png (1.0 MB)
  • 種類で分ける
    image.png (72.3 kB)

「プロセス」の結果が「プロダクト」であり、「プロダクト」の良し悪しを評価する物が、「品質特性・フィードバック」となる。
よって、「プロダクト品質」を高めるためには、「プロセス品質」を高めることが必要不可欠と言える。「プロセス品質」の最低ラインは、「当たり前品質(品質6特性)」の確保である。


次回予告

今回は、「品質の種類」について学びました。
次回は、「プロセス品質」について、考えていきましょう。

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