オラクルは、業界をリードする生成AIモデルを企業のデータ、アプリケーション、ワークフローに安全に接続できるよう設計された包括的なプラットフォーム「Oracle AI Data Platform」の一般提供開始を発表しました。自動データ取り込み、セマンティック・エンリッチメント、ベクトル・インデックス作成を組み込みの生成AIツールと組み合わせることで、「Oracle AI Data Platform」は生データから本番環境レベルのAIに至るまでのプロセスを簡素化します。
Oracle AI Data Platform は、 Oracle Cloud Infrastructure(OCI)、Oracle Autonomous AI Database、および OCI Generative AI Service の統合機能を活用することで、データをAI対応にし、エージェント・アプリケーションの作成と導入を可能にします。ビジネス・ユーザーは、日常的なタスクを自動化し、成長機会を見出し、日々のワークフローにインテリジェンスを直接組み込む、信頼性の高いリアルタイムのインサイトとAIエージェントを得られる一方、開発者とデータ・チームは、単一のエンタープライズ・グレードのプラットフォームを利用して、それらを迅速に構築および拡張できます。このプラットフォームは、NVIDIAアクセラレーテッド・コンピューティング・インフラストラクチャを統合しており、高性能ワークロード向けに最新世代のGPUとライブラリを選択できます。その結果、あらゆる事業分野において、イノベーションの加速、生産性の向上、そして目に見えるビジネス・インパクトがもたらされます。
Oracle の Executive Vice President である T.K. Anandは次のように述べています。「Oracle AI Data Platformは、お客様がAI向けにデータを準備し、AIを活用してあらゆるビジネスプロセスを変革することを可能にします。データを統合し、AIライフサイクル全体を簡素化することで、Oracle AI Data Platformは、信頼性、セキュリティ、俊敏性を備えながらAIの力を活用したいと考える企業にとって、最も包括的な基盤となります。」
Oracle AI Data Platformは、データとAIのためのエンタープライズ対応の基盤を提供します。お客様はDelta LakeやIcebergなどのオープンフォーマットを使用してデータレイクハウスを構築し、データの重複を排除できます。さらに、AI Data Platformカタログは、すべてのデータとAI資産を統合的に可視化し、ガバナンスを確保することで、企業のコンプライアンスと信頼の維持を支援します。また、Agent2Agent(A2A)やModel Context Protocol(MCP)などのオープンスタンダードに準拠した幅広いAIエージェントとツールをサポートしているため、高度なマルチエージェントシステムを構築できます。さらに、ビジネスユーザーはAgent Hubのメリットを享受できます。Agent Hubは、多数のエージェントを操作する際の複雑さを抽象化し、リクエストを解釈して適切なエージェントを呼び出し、推奨事項を提示し、迅速な対応を可能にします。
Oracle AI Data Platform により、お客様は次のことが可能になります。
- データをインテリジェンスに変える: データ レイクハウスと AI を 1 つのプラットフォームに統合することで、顧客が生データを実用的な洞察とよりスマートな意思決定に簡単に変換できるようになります。
- チーム間のイノベーションを加速: データ エンジニア、データ サイエンティスト、AI 開発者向けの単一のワークベンチを顧客に提供し、コラボレーションと AI を活用したアプリケーションの提供を加速します。
- ビジネス プロセスの自動化と拡張: ワークフローを調整し、アラートをトリガーし、ビジネス成果を直接改善する効率性を高める AI エージェントを使用して、顧客が分析の域を超えられるよう支援します。
- 初日からエンタープライズ対応: OCI、オープンソース エンジン、業界をリードする分析機能、Oracle Autonomous AI Lakehouse のパワーを組み合わせることで、ミッション クリティカルな AI 導入に必要なスケール、パフォーマンス、信頼性を実現します。
そして、Oracle AI Worldでは、AIおよびデータ関連製品群に新たに追加された機能をいくつか発表しました。
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Generative AIの新機能Agent Hub
ビジネスプロセスの自動化に活用できる高度なAI搭載エージェントを効率的に構築、導入、管理する方法を提供します。これにより、意思決定の強化とイノベーションの加速に貢献します。この新機能は、最先端の生成AIモデル、Oracleおよびサードパーティシステムとの堅牢な統合機能、そして主要なオープンソース・エージェント・フレームワークへのすぐに利用可能なサポートを、すべて単一の標準ベースのインターフェースを通じて提供します。 -
OCI Generative AIの新しいモデル
お客様のエンタープライズユースケースに合わせて、より多くの選択肢をご提供できるよう、新しいモデルを継続的に追加しています。 -
Oracle コードアシスト
Oracle のデータベース、アプリケーション、サービスからの数十年にわたる知識と、コードの作成を支援するための大規模な言語モデルのパワーが組み込まれた Oracle のコーディング・エージェントです。 -
OCI GPU スキャナー
スケーラブルでコスト効率の高いGPUインフラストラクチャのリーダーであるOracleは、AI、機械学習、そしてハイパフォーマンス・コンピューティングの高まる需要に対応しています。OCI GPU Scannerは、組織におけるGPUリソースの管理方法を変革し、面倒な手動スクリプト、ベースライン検索、互換性チェックといった煩雑な作業なしに、高い効率性と信頼性を実現します。 -
Streaming with Apache Kafka
Fortune 100 企業の 80% が高性能データ統合とミッションクリティカルなアプリケーションに使用しているオープンソースの分散イベント・ストリーミング・プラットフォームです。 -
OCI Search with OpenSearch
OCI上でOracleが提供するフルマネージドOpenSearchサービスです。 -
生体認証による継続的な従業員認証
Oracle Identity and Access Management(IAM)は、従業員の認証情報が本人と常に一致することを保証するための「Continuous Workforce Verification」の提供開始を発表しました。 -
OCI Cache
RedisおよびValkeyと互換性のあるフルマネージドのインメモリデータストアで、超低レイテンシのワークロード向けに設計されています。
■ AIデータプラットフォーム作成
最初の AI データ プラットフォームを作成する前に、正しい IAM 権限があることを確認する必要があります。
1) OCI コンソール
OCI のホームセクションで、[Analytics & AI]を選択し、[AI Data Platform]をクリック
2) AI Data Platforms 画面
「Create AI Data Platforms」をクリック
Oracle AIデータプラットフォームは、必要なすべてのIAMポリシーが設定されているかどうかを検証するチェックを実行します。
3) Create AI Data Platform 画面
以下項目を入力し、[Create]をクリック
・ General
- AI Data Platform name: AI データ プラットフォーム インスタンスの名前を入力
- Description: 説明を入力
・ Workspace
- Workspace name: 最初の AI データ プラットフォーム ワークスペースの名前と説明を入力します。
- Description: 説明を入力
・ Add policies
+ Choose access level: 「ポリシーの追加」から次のいずれかを選択します。
- 標準(推奨): テナント レベルでアクセス設定を広範囲に適用します。
- 詳細:コンパートメント レベルできめ細かなアクセスを構成できます。
・ Optional policies
不足しているポリシーがある場合はそれを確認し、必要に応じて適用します。
オプションポリシーを展開します。インスタンスに必要な追加ポリシーを確認し、追加してください。詳細は、Oracle AI Data PlatformのIAMポリシーを参照してください。
AIデータプラットフォームのメタデータタグを指定するには、「詳細オプション」をクリックします。複数のタグを追加するには、 「タグを追加」をクリックします。
3) Create AI Data Platform 中 〜
■ Oracle AIデータプラットフォームにアクセスする
自分または自分が属するロールに権限が付与されているすべての AI データ プラットフォームにアクセスできます。
AIデータ・プラットフォームにアクセスするには、AIデータ・プラットフォームIAMポリシーのUSE権限以上が必要です。
詳細は、Oracle AIデータ・プラットフォームのIAMポリシーを参照してください。
● AI Data Platforms 画面
■ ワークスペースとUIフローを理解する
AI データ プラットフォームを作成またはアクセスすると、ユーザー インターフェースを使用して、すべての主要コンポーネントをシームレスにナビゲートおよび管理できるようになります。
● 左側ナビゲーション概要
AI データ プラットフォーム内では、左側のサイドバーに次の項目が表示されます。
・ ホーム - ダッシュボードに戻ります
・ マスターカタログ - ワークスペース全体の登録済みデータ資産をすべて表示
・ ワークスペース - ワークスペースの詳細に直接アクセス
・ ワークスペースを選択 - ドロップダウンで異なるワークスペース間を切り替えます
・ ワークスペース内には次のものが表示されます。
・ ワークフロー - データワークフローの設計とスケジュール
・ コンピューティング - Spark コンピューティング環境を管理する
・ データ共有 - Delta Shareプロトコルをサポートする他のサービスとデータを共有する
・ カタログの自動入力 - 接続されたソースからメタデータを自動的に取り込む
・ 通知 - 受信したシステムメッセージを検索およびフィルタリングします
・ ロール - アクセス制御(RBAC)を構成する
・ 監査ログ - AI データ プラットフォーム内のオブジェクトの履歴を検索およびフィルタリングします
■ 参考
・ Press Release
- Oracle Unveils AI Data Platform, Empowering Customers to Innovate in the AI Era
・ 概要
- Oracle AI Data Platform(AIDP)概要
・ Documents
- Oracle AI Data Platform(AIDP)Documents
・ Blog
- Oracle AI World: OCIにおけるAIとデータに関する新たなイノベーションを発表
・ YouTube
- Oracle AI Database 26ai: あらゆるデータに対応する次世代AIネイティブ・データベース
- Juan Loaiza and T.K. Anand Keynote on the "AI for Data" Revolution: Oracle AI World 2025
- Oracle AIデータプラットフォームのイノベーション
- OracleとAccenture:Oracle AI Data PlatformでAIイノベーションを促進
- KPMG、Oracleと提携してAIデータイノベーションを推進
- Infosys、Oracle AI Data PlatformでエンタープライズAIを加速
- PwC、Oracle AI Data PlatformでエンタープライズAIを推進